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2009年3月26日 (木)

「家族」助け合い制度

 ヨルダンには、冠婚葬祭の時に家族単位で助け合うための制度があります。ここで言う「家族」というのは、日本のような核家族的な意味合いではなく、同じ名字を持つ人すべて(!)を指します。

 全ての家族は○○基金(私の場合なら日本全国の田中さんが登録する「田中基金」)を持っており、その基金はヨルダン内務省に登録されています。同じ苗字を持つ者は、みなこの基金のメンバーに登録します。

 基金の利用申請は、必要経費や、核家族単位では負担できないような「高額なお買い物」の時にできます。各支部代表者による協議のもと物やサービスが購入され、これを全国の「家族」の総人数で割り勘にし、各家庭ごとに人数分を支払います。

 例えば・・・結婚式の会場貸切が高額なために、家族で3階建ての結婚式会場を買い取ってしまうケース。また、民間企業に委託する葬儀サービスが高額なために、名前入りの霊柩車を家族で購入し、葬儀の際にこれを使うケース。結婚予定のある家族のメンバーが若年のために、経済的支援が必要なケースなどなど。

 アラブの人たちの家族を大切にする文化が、行政機関を介した制度として成り立っているのには驚かされます。アラブ的大家族ならではの助け合い制度と言えます。

3月 26, 2009 文化、生活、習慣 |