« 2008年11月 | トップページ | 2009年1月 »

2008年12月25日 (木)

羊を分かち合う犠牲祭

12月14日から18日までヨルダンは犠牲祭(Eid Al-Adha)に入りました。イスラム教徒たちが祈りを通して1年間の自分を振り返ることで、イスラム教徒としての認識・連帯感を高めるお祭りです。また、その名の通り、羊や牛を生贄として殺し、親族や友人、また貧しい人たちと分かち合うのがこのお祭りの一大イベントです。
081225__low



イスラムの教義に、イスラムの預言者とその息子がどれほど神に対して誠実であったかを示すこのような寓話があります。

預言者であるイブラヒムは神への生贄として、自分の息子イスマイルを殺さなければいけないという夢を見ました。イブラヒムは自分の息子に「私はお前を神の生贄に捧げる夢を見た」と告げると、息子は「それが神の御意志なのであれば」と生贄になることを同意しました。そして、イブラヒムが息子を殺そうとしたまさにその時、神は彼に羊をもたらし、イスマイルの代わりにそれを生贄にするようにと命じました。

この寓話になぞらえて、イスラム教徒たちは、今でもこの季節になると羊を捧げます。十分な収入がある人は、羊を生きたまま買ってきて殺し、3分の1を自分たちで食べ、3分の1は親戚や友人へ配り(サダカと呼ばれます)、そして残りの3分の1を貧しい人たちへ配ります。

イスラム教にはこのような「喜捨」の精神が深く根付いており、この期間中は、裕福な人も困窮にある人も、助け合いの輪の中で過ごすことができます。

12月 25, 2008 文化、生活、習慣 |

2008年12月11日 (木)

セクター・アウトカム・チームとは?

081211__6  イラクへの支援は、教育、保健、水・衛生、食料などの分野ごとに、団体間で密な調整を図り行っています。ジェンは「学校修復」に特化していることから、教育分野に属しています。それぞれの分野で国連機関やNGOが一丸となって取り組む体制、これがセクター・アウトカム・チーム、通称SOTです。

教育SOTは、月に一度定例会議をもち、情報共有や連携調整を行っています。具体的には、団体間で活動内容が類似している場合に、注意を促したり改善策を共有したりなどです。同じ地域内で活動する場合には、治安情報の交換をしたり、また、新たなニーズの発掘をしたりしています。

他組織ではあるものの、互いに同じ分野で同じ国の発展のために働くという共通の目的があるためか、チームワークがとても良いです。フレンドリーな雰囲気の中で、歯に衣着せない活発な議論をするのが、教育SOTの特徴です。

現在、支援者の皆さま、ジャパン・プラットフォームからの資金協力により修復が進んでいる5校は、バグダッドの最貧困層が多く居住するサドル・シティにあります。

イラク国内の他地域で武力衝突が起こった場合、ジェンの現地スタッフも現場へのアクセスの確保、状況確認の実施、国連・NGOの連携による事業形成と、迅速に対応しています。

ジェンはこれからも、他団体との連携調整を大切にしながら事業を進めていきます。

(写真:修復前の学校のトイレ。さて、修復を終えるとどうなるのか)

12月 11, 2008 学校建設・修復 |