持続可能な国づくりのお手伝い
イラク教育省や教育局でニーズ調査を行うと、これまでにジェンが行ってきたような小中学校の“全体修復”を依頼されることがあります。
ジェンは、イラク戦争直後の2003年より、戦争で被害を受けた学校や、長期間にわたる国際的な経済制裁などによって整備がなされていなかった学校の全体修復を手掛けてきました。
しかし、6年にわたる継続的支援にもかかわらず、緊急修復のニーズを抱える学校があとを絶たないことから、2007年より、給水設備・電気設備・換気設備などの緊急的ニーズのみに焦点を当てた部分修復をはじめました。こうして、より多くの生徒がより良い教育環境で学習することができるようになりました。また、コレラなど水を介して感染する病気の予防にも役立ってきました。
いまだ治安が安定せず、十分な国家予算を持てないイラクで、行政が国連や国際NGOに全体修復を依頼する気持ちはよくわかります。また、イラクの状況を切実に思う一日本人としては、日本政府の資金で市内すべての学校に同様の修復作業を施せれば、と強く思います。
しかし、公立学校の修復はその国の行政の責務です。この国の持続可能な発展のために、イラクの行政の協力を得ながらジェンは復興のお手伝いを継続してゆきます。