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2008年9月18日 (木)

ラマダンを知る その1 「断食」

080918_low  今年もラマダンの季節になりました。ラマダンとは、イスラム教の国が使用しているヒジュラ暦の第9月にあたるひと月のことを指します。この期間、イスラム教徒はコーランを深く学習するとともに、課せられた「信仰告白」「礼拝」「喜捨」「メッカ巡礼」「断食」の“五行”と呼ばれる信者の義務をこなします。

 断食は、おそらく日本のみなさんには一番なじみがないイスラムの義務でしょう。断食と言っても、1ヶ月間何も食べずに過ごすわけではありません。日の出から日没までの一切の食事を断ちます。食事のみならず、水を飲んだり、たばこを吸ったりすることも禁止されます。

 毎日、日没とともにモスクからコーランを朗唱するアザーンが始まると同時に、みな一斉にイフタール(断食明けの食事)をとります。

 午後には、ただでさえ混雑する道路が、家路を急ぐ車でラッシュアワー状態になります。夕方ともなれば、空腹とともに日没までに家に戻らねばならないという焦りのために、ドライバーはみな必死な形相となり、スピード違反はおろか、あわや交通事故といった危険な運転も見られます。

 そして、日没後の食事を終えると、人々は神への感謝でいっぱいになります。その後は夜遅くまで親戚や友人を訪ねたりして過ごします。街にはクリスマスさながらの電飾が施され、着飾った人々が通りを行き来します。

9月 18, 2008 文化、生活、習慣 |