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2008年7月24日 (木)

ヨルダンの物価の上昇(パート2)

前回のつづき。。。

 2つ目は、イラク戦争とその後の治安悪化により、イラクから大量の難民が流入したことです。

 今から20年前、イラクは中東一帯で1、2を争うほどの繁栄を見せていました。そんなイラクから、ここヨルダンに逃れてくるのは、富裕層がほとんどです。「難民」とは、私たちが想像するような、難民キャンプで苦しい生活を強いられている人たちばかりではありません。この国に避難している彼らの多くは、ヨルダン人が手にすることのない立派な家屋に住み車を所有しています。

 イラク戦争後、ヨルダン政府は、イラク人難民に対して「アラブの同胞」としてビザ無しで難民の入国を許可してきました。しかし、昨今の急激なインフレによって、自国民の寛容もぎりぎりのところまで来てしまいました。

 その結果、今年5月より、ヨルダン政府はイラク人に対して滞在ビザを課すようになりました。加えて、長期滞在には在留許可証が必要になりました。許可証取得の条件は、たとえば、一定の固定財産を有すること(すなわち、ヨルダン経済に貢献していること)、外資系企業・機関にて勤務していること(すなわち、ヨルダン人の就職機会をはく奪しないこと)などの厳しい条件を満たしていなくてはなりません。

 イラク人が避難せざるを得ないがために、イラク人のみならず隣国ヨルダンの人たちもその影響を受けているのです。そして、同じくイラク難民の受け皿となっているシリアでも似たような状況が報告されています。

 イラク国内の治安が改善し、隣国に避難するイラク人たちが1日も早く祖国に帰れるように、願ってやみません。難民の帰還に貢献するためにも、JENはバグダットの小・中学校の修復事業を続けていきます。

イラク支援 活動報告会開催!

8月28日:18:30~ @JEN東京本部事務局

この支援速報でもおなじみ、2年のヨルダン勤務を終え、帰任した上杉奈美が、イラクの今をお伝えします。

お申し込みお問い合わせは、JEN東京本部事務局まで

くわしくは、こちら

7月 24, 2008 文化、生活、習慣 |

2008年7月10日 (木)

ヨルダンの物価の上昇(パート1)

ヨルダン国内では、近年深刻なインフレが続いています。
2003年から2008年の間に、(甘党ヨルダン人の生活を支える)砂糖50キロが1000円から4000円に、米25キロは450円から2500円に値上がりしました。

これには大きく2つの理由があると考えられます。
そのうちのひとつ目は、イラク戦争により産油国である隣国イラクとの原油に関する協定が破綻したこと。
イラク戦争以前は、比較的気候に恵まれたヨルダンが食料などの生活必需品を供給する代わりに、イラクより輸入する石油の価格を半額にしてもらうという協定が成り立っていました。
しかし2003年以降の戦争により、ヨルダンは湾岸地域のサウジアラビアやクウェートから通常価格で石油を輸入せざるを得なくなりました。
協定下では1バレル(159リットル)14ドルであったものが、現在の公定価格141ドルと、急激な値上がりを見せています。
その結果、日本と同じように多くを石油に依存するヨルダン人の生活は、大きな影響を受けることとなったのです。

イラク支援 活動報告会開催!

8月28日:18:30~ @JEN東京本部事務局

この支援速報でもおなじみ、2年のヨルダン勤務を終え、帰任した上杉奈美が、イラクの今をお伝えします。

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7月 10, 2008 文化、生活、習慣 |