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2007年8月30日 (木)

ヨルダンに住むイラクの人びと

 8月19日、ヨルダンの学校では新年度が始まりました。そして、イラクの子どもたちにとっても記念すべき門出の日となりました。830

 先ごろ、ヨルダン政府は同国内に住むすべてのイラク人に、学校の門戸を開放することを決定したのです。これまでは、居住ビザを有する家庭の子弟など限られた人しか学校に通うことができませんでした。しかし新年度からは、居住ビザの有無にかかわらず、ヨルダンの子どもたちと同様の教育を受けることができるようになったのです。

 ヨルダン教育省によると、すでに5万名を超えるイラク人子弟の学校への登録がなされたそうです。故国を逃れ、周辺国で厳しい生活を送るイラクの人びとには、問題が山積しています。仕事に就くことができないなか、貯金を切り崩しながらの生活。さまざまな問題の中でもっとも彼らが頭を痛めていたのは、子どもたちが教育環境から離れてしまうことでした。ヨルダンの新政策は、大勢のイラク人に希望を与えています。

 それでも、経済的な理由などにより子どもを学校に通わせられない親も多いのは事実です。75万人ともいわれるイラクから避難してきた人びとを支えるヨルダン政府の負担も軽くはありません。国際機関が本格的な援助に乗り出しています。

8月 30, 2007 文化、生活、習慣 |

2007年8月 9日 (木)

喜びのクラクション

7月最後の土曜日、アンマンは自動車の窓から体を乗り出して喜びに湧く高校生で溢れていました。
クラクションが鳴り響いたその日は高校の修了テストの成績発表日でした。
修了テストのスコアは、卒業認定だけではなく、大学入学の合否を決める重要なものです。

ヨルダンの人びとは、お祝いごとがあるとクラクションを鳴らし続けます。
7月上旬には、国が誇るペトラ遺跡が「新世界7不思議」のひとつに選出されましたが、発表時間が深夜1時半を過ぎていたにもかかわらず、発表後の2時間程はクラクションが途切れることはありませんでした。
また、ヨルダン・チームがサッカーの試合に勝った時には必ず周りからクラクションが聞こえてきます。

イラクでは、先月開催されたアジア杯サッカーで同国のチームが優勝し、市民に久しぶりの嬉しいニュースをもたらしました。
しかし、決勝進出を祝っていた50人が自爆テロの犠牲となり、また、祝砲の流れ弾にあたって亡くなった人もいました。

2007aug09

ヨルダンでは、以前は盛んであった祝砲が法律で禁止されたそうです。
イラクでも、喜びの後に悲劇を体験することのないように、と願います。

8月 9, 2007 文化、生活、習慣 |