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2007年3月29日 (木)

その頃、アンマンでは雪が降り・・・

329  アンマンでは3月半ばに雪が降りました。一方、降雪を経験することのないバグダッドでは、同じ頃、米軍およびイラク軍による民兵に対する掃討作戦の開始から1ヶ月を迎えていました。イラク政府の発表によると、掃討作戦によって民間人死者数、民兵による攻撃回数はともに大幅に減少したとのことです。バグダッド市民の間にも治安が若干よくなっていることを実感している人たちもいるようですが、最近の変化に関する現地スタッフのことばにハッとしました。

「爆弾テロはなんとか避けられる。民兵の活動が弱まったことが嬉しい」

 テレビから流れてくる爆弾テロの映像は、恐怖心を駆り立てられるものです。しかし、バグダッド市民にとってそれはまだ対応可能なもの、民兵がどれ程の脅威であるかということを思い知らされました。

 専門家は、バグダッドの治安が一時的に向上したからといって楽観視してはならないと指摘しています。掃討作戦の間だけ潜伏していた民兵が活動を再開する可能性が高いからです。

3月 29, 2007 文化、生活、習慣 |

2007年3月15日 (木)

ヨルダンに生きる女性たち

070315  ヨルダンでは、商店で、タクシーで、必ずといってよい程「フィリピーノか」とたずねられます。オフィスに来る販売員も皆、私をフィリピン人のメイドと確信し、「マダムを呼んで来て」といいます。先日は、片言の英語で「お父さんかお母さんに会いたいのだけど」と言われました。成人式がすでに遠い記憶となる私を、子ども扱いするのを不思議に思って現地スタッフにたずねたところ、それは「ご主人さまか奥さまを」という意味だったのです。

 ヨルダンには、フィリピンをはじめ、インドネシア、スリランカから多くの女性がメイドとして出稼ぎに来ています。あるスリランカ出身の女性は、中学を卒業して工場で数年働いた後、ヨルダンに働きに来ました。当初は、家事もアラビア語もまったくできませんでしたが、間もなくどちらも問題なくこなせるようになり、10年を経た今はさらに、流暢な英語も話せるようになっています。

 英語で話していてわからない単語があると熱心に質問をしてきますが、帰宅してから辞書を引いて覚える努力を続けているとのことです。故郷の家族への仕送りを欠かさず、ヨルダンに根を下ろして暮らしている彼女たちを、心の強い女性だと感心して見ています。

3月 15, 2007 文化、生活、習慣 |

2007年3月 1日 (木)

国籍がイラクであること

070301  写真左の日本のパスポートと、右のイラクのパスポート、2つには大きな違いがあります。

 

 現在、日本のパスポートを見せて、入国やビザの取得が困難な国は、ほとんどないと言えるでしょう。一方、イラクのパスポートを携帯する人びとを歓迎する国がどれだけあるでしょうか。

 

 治安が悪化する中、国内外のより安全な場所へ避難するイラク市民は、毎月5万人に上ると見られます。隣国のヨルダン、シリアには、それぞれ50万人とも100万人ともいわれるイラクからの避難民が滞在しています。両国でも、イラクの人びとの入国、その後の滞在許可期間の延長、居住ビザの取得が非常に難しくなってきているようです。

 大勢の避難民が滞在期間を過ぎた後、違法な状態で隠れるように暮らしており、彼らの子どもたちの多くが学校に通えずにいるのです。避難民の増加は、受入れ国に多大な負担を強いますが、ヨルダンは先進諸国に受入れ国への支援を呼びかけています。

3月 1, 2007 文化、生活、習慣 |