2018年2月 8日 (木)

西モスルの緊急給水

 イラク中部のモスル市は、2017年7月に武装勢力から開放されました。

 モスルは元々200万人の人口を有しており、イラクで2番目に大きい都市です。開放に伴い、今まで避難していた人々が帰還を始め、西モスルでは2017年8月時点で400,000人だった人口が11月時点で倍の800,000人となっています。

 帰還された方は元の住居が破壊されており、水・電気の不足を始め、学校や病院といった公共サービスに加え、電気や交通網と行ったインフラ、治安の改善や経済活動の再構築も必要です。

 そのため、帰還は進んでいるとはいえ、現在も避難民キャンプに暮らしている方は多数おり、また、住居の破壊等の理由により700世帯近くが西モスルからキャンプへ戻った事例も報告されています。

 モスル市の水道は戦闘により破壊されており、水の購入が帰還民を経済的に圧迫していました。
 このような状況に対して、JENは10月から3ヶ月半の間、トラックによる緊急給水を行い、ピーク時には800,000人の人口のうち114,000人に水を提供しました。
 モスル市の水道局も水道網の復旧に尽力し、水へのアクセスは徐々に回復してきています。JENが行った給水は帰還先の生活を立て直すまでの支援となっています。

【給水車による巡回給水の様子】
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【破壊されたモスルの橋 (写真提供:Ahmed Al-Hayali)】
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【破壊されたモスルの橋 と町並み(写真提供:Ahmed Al-Hayali)】
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2月 8, 2018 帰還民支援 |

2018年1月25日 (木)

学校と井戸の修復が進んでいます

 JENは2014年後半、シリアとの国境に近いシンジャール山で支援活動を始めました。

 ここには山の南側に位置するシンジャール市から多数の国内避難民が逃れてきているため、その方々を対象に水と生活物資を提供していました。

 同市が2015年に武装勢力から解放された直後、シンジャール市にはわずかの人しか残っていませんでしたが現在は多くの人が帰還しています。

 JENは現在給水設備の修復と、帰還した子どもたちが安心して学業を再開できるよう市内の学校を修復しています。


 学校修復の様子(シンジャール市)。
建物のペイント、窓とドアの修復をしています。↓

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 サヌニの井戸。井戸設備、中間貯水タンクの修復を行っています。写真はオペレーション室の屋根修復。

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 シンジャールの井戸。貯水タンクの修復中。

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 井戸の基礎部分、貯水タンクの修復を行っています。

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1月 25, 2018 学校建設・修復 |

2017年12月21日 (木)

キルクークの学校で衛生促進活動

 JENは今期、イラクのキルクーク県で3つの学校修復を行っています。その中の1校で今月の初旬、生徒が健康的な生活を送れるよう衛生促進活動を行いました。

 JENの職員と教育省が協同で研修を行い、生徒への啓発と、今後児童の指導を行うこととなる教員の両方を対象としました。

【教員へ行っている研修の様子】
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 研修は歯磨きと手洗いをトピックとし、児童と大いに盛り上がりました。研修後には、参加された教員に修了証を渡しました。今後は彼らが子どもたちの健康のため、衛生環境の指導をしてくれます。
 
【生徒へ手洗いと歯磨きの指導】
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12月 21, 2017 衛生教育 |

2017年12月 7日 (木)

11月12日に発生したイラク地震について

 現地時間2017年11月12日午後9時にイラクで地震が起きました。震源地はイラク北部とイランの国境に位置するスライマニヤ県のハラブジャ地区、揺れは3分ほど続き、マグニチュードは7.2とされています。

 揺れは、クルド人自治区の東部、バグダッド県及び、クウェートやハラブジャ地区付近のイランの県で観測されました。

 この地震はイラク北部に甚大な被害をもたらしました。デルバンダカンダムに隣接する山の一部が崩れ、翌日の発表ではスライマニヤ県では7人が死亡、約350人が負傷しました。また、イランでは約400人が死亡、約6,000人が負傷しました(2017年11月13日現在、アラビア サテライトチャンネルより)。

 現場では国際機関、トルコの支援団体等が支援活動に入っております。JENも当地の一日も早い復興を願っています。

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12月 7, 2017 政治、経済、治安 |

2017年11月16日 (木)

今もなお

 不安定な情勢のイラクでは、家財道具を持って避難する人びとが今もいます。

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11月 16, 2017 |

2017年11月15日 (水)

【速報・続報】 イラクとイランの国境付近で発生した地震について

 昨夜、JENの現地職員全員(ドホーク事務所、バグダッド事務所)の無事を確認いたしました。安否を気遣うご連絡をくださった方へ、ご心配をおかけしました。

 緊急支援の必要性に関して、引き続き内部で情報収集を行っています。出動の可否に関しては、こちらの公式ウエブサイトで、不定期に発信いたします。

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▼JENのイラクでの活動について、くわしくはこちらから

▼JENの最近の自然災害への緊急支援について、くわしくはこちらをご覧ください。

2017年5月:スリランカ洪水
2016年4月:熊本地震
2015年11月:アフガニスタン・パキスタン地震
2015年4月:ネパール地震

11月 15, 2017 政治、経済、治安, 緊急支援 |

2017年11月13日 (月)

【速報】 イラクとイランの国境付近で発生した地震について

 11月12日現地時刻21時18分ごろ(日本時間13日3時18分ごろ)、イラク北東部、イランとの国境付近を震源とした大地震が発生しました。マグニチュード(M)7.2、震源の深さは、23.2Km※と言われています。

 JENでは直後より、緊急支援の必要性または可能性について、情報収集を始めました。

※USGS(米国地質調査所)

JENの最近の自然災害への緊急支援について、くわしくはこちらをご覧ください。

2017年5月:スリランカ洪水
2016年4月:熊本地震
2015年11月:アフガニスタン・パキスタン地震
2015年4月:ネパール地震

11月 13, 2017 緊急支援, 調査活動 |

2017年11月 2日 (木)

イラクの教育システム(2)

 2003年にイラクが米国の統治下に置かれた後、初の総合教育が始められました。それに伴い実施されたイラクの教育省による調査によって、以下のような状況が明らかになりました。
*イラク全土の小学校の3分の1には給水施設がない。中でも最も被害を受けているのはジーカール(Thi Qar)、サラハディーン(Salah al-Din) 、ディヤラ(Diyala)の三つの県である。

*全体で700以上の小学校が過去の爆撃により被害を受けており、特に首都のバグダッドでは3分の1300校以上が火災にあい、3000校以上が破壊された。

*バスラ(Basra)県にある小学校には定員を優に超える生徒が通っている。

*大半の小学校では実験室、図書館といった教室以外の施設が不足しており、カリキュラムの遅れ、教員の訓練教育不足、職員数の不足等により私的機関による教育システムに依存している部分がある。

 イラク戦争後の政権交代から14年経った現在のイラクの教育システムは、様々な理由により更に悪化しています。このような状況を改善するために政府は調査を行っており、長期計画を立案し、解決策を立てて実施していくことが求められています。
 JENは引き続きイラクの教育が発展できるよう支援をしていきます。

【先生への講習会】
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【修復したトイレ】
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【子どもたち】
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11月 2, 2017 衛生教育 |

2017年10月26日 (木)

クルド人自治区での活動と今後

 JENが武装勢力から逃れた国内避難民や帰還民への支援活動を開始してから、3年が経ちました。現在はアクレ市にあるマミリアン避難民キャンプ、シンジャール地区、ズマール地区、モスル市で支援活動を行っています。

<マミリアン避難民キャンプ>

 2014年のキャンプ開設当初から、JENは水衛生分野の支援活動を行う国際NGOとして中心的な役割を担ってきました。活動では主に、敷地内に設置されているトイレの維持管理、上下水道の整備と給水を行っています。

 また、水衛生環境をより良く保つために、石鹸や洗剤からなるキットの配布を行っています。人びとに水因性疾患の危険性を周知し、手洗いや健康維持のための個々の衛生意識の向上を目指し、衛生促進活動を行っています。

 このキャンプには、設立当初からイスラム教徒とシンジャール地区から逃れてきたシャバック人やヤジディ教徒、併せて約2,500世帯が暮らしていました。2016年以降、武装勢力の動きをメディアの情報から得て、安全になった故郷へ帰還する人が増えたため、キャンプの居住者は徐々に減っています。とは言え、いまだ帰還を果たせていない人がいます。彼らが安心して故郷に戻る日が来るまで、今後も可能な限り、水衛生の環境整備をしていきます。

【マミリアン避難民キャンプから故郷へ帰還する家族】
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<西モスルでの給水活動>

 モスルがイラクの政府軍によって武装勢力から解放された後、JENは西モスルで給水活動を始め、毎日約80万リットルの水を約8万人に提供しています。

【給水活動は、住民の協力を得て行っています】
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<シンジャール市・山の井戸修復>

 JENは2014年後半、シリアとの国境に近いシンジャール山に逃れた国内避難民への支援活動を始めました。当時は主に南側のシンジャール市で、武装勢力から逃れた人びとに水と生活物資を提供していました。

 同市が2015年に武装勢力から解放された直後、シンジャール市にはわずかの人しか残っていませんでしたが、現在は安全な地域に避難していた多くの人が帰還しています。JENは現在給水設備の修復を行っています。

 現在、シンジャール市内の井戸を修復していますが、次はこれに加え、帰還した子どもたちが安心して学業を再開できるように、市内の学校を修復する予定です。

【JENが設置した水タンク(シンジャール山)】
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<ズマール地区>
 ズマール地区では、95%の家族が村に帰還しています。ここでの戦闘は短期間でしたが、人びとの生活再建に必要な家、水道、学校などのインフラは破壊され、壊滅的な状態です。この地区の主要な水源は、つい最近まで武装勢力が占拠していた地域にあるため、修復は慎重に、完了するにはまだ時間がかかります。そのため、JENは12月中旬まで給水活動を続け、その間に水管理局と共に他の解決策を検討する予定です。

【修復した給水施設の定期点検も重要です】
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10月 26, 2017 国内避難民支援, 学校建設・修復, 水衛生環境改善, 衛生教育 |

2017年10月23日 (月)

お知らせ : キルクークの状況について

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 JENは、イラク中央政府が管轄する首都バグダッドとその周辺および、イラク北部のクルド自治区内で活動しています。いずれの活動も、その対象は武装勢力による攻撃から逃れた人びとや、そうした人びとを受け入れている地域で暮らす一般市民です。

▼イラクでの活動について、くわしくはこちらから。

 現在、イラク中央政府とクルド自治政府との間で緊張が高まっています。クルド自治政府による独立を求める住民投票後、両者間で小さな衝突が繰り返される中、10月に入りキルクークでは、10万人ともいわれる市民が安全を求め一時的に避難する状態に発展しています。2015年からJENが活動するイラク北部の避難民キャンプには、キルクークからの避難民が到着してきています。クルド自治州では日本国籍保有者を含む外国人のクルド自治州への渡航に制限がかかっています。この状況は、もうすぐひと月になります。

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▼キルクークという地域の特徴について、くわしくはこちらから。

▼キルクークでの教育支援活動について、くわしくはこちらから。

▼JENの国内避難民、避難民キャンプでの活動について、くわしくはこちらから。

 現在、トルコと北部クルド自治州との国境は閉鎖されています。また、治安上、イラク国内を陸路で移動することはできません。日本から派遣している駐在スタッフは現在、赴任地のドホークから退避し、隣国ヨルダンから遠隔(リモート)で業務をおこなっています。イラクの現地スタッフは、安全確保を最優先し、通常の支援活動を滞りなく進めています。

 日々刻一刻と状況が変化する中、情勢も複雑化するイラクですが、JENは今後も必要な支援を届けていきます。

イラクでの緊急支援に対し、皆様のご支援を何卒よろしくお願いします。

JEN事務局長 黒木明日丘

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(写真:北部の避難民キャンプ)

10月 23, 2017 政治、経済、治安 |