20年支援が届かなかった村に、給水設備を建設
ジェンは2024年10月以降、アフガニスタン東部、ナンガルハル県にあるメムラ村で、深井戸と給水設備を整える活動を行いました。
この村は住民約2000人のうち、コレラ感染者が80人確認されるなど、劣悪な衛生環境に置かれていました。しかしその後、ジェンの活動により、すべての住民が安全な水にアクセスできるようになり、感染症予防の取り組みも進んでいます。
村の給水所で、完成を喜ぶ女の子(2025年6月12 日撮影)
ジェンがこの村を訪れた2024年当初、村の失業率は3割を超え、平均収入は県の半分以下で、世帯主の約2割が夫を亡くした女性でした。
村には公衆トイレがなく、すべての家庭で屋外排せつが行われていました。
安全な水にアクセスできる家庭はなく、唯一の深井戸は村から2キロ以上離れており、村内の浅井戸9基のうち6基が枯れ、残る3基の水も安全とは言えませんでした。40人が急性水様性下痢を患い、80人のコレラ感染も確認されました。

重機を投入して行った深井戸建設工事(2025年3月23日撮影)
ジェンの活動ではまず、安全な水を確保するために深井戸を1基掘削しました。さらに、太陽光発電で動くポンプで水を高台の貯水タンクへくみ上げ、そこから村内100か所の給水所へと配水する仕組みを整えました。
給水所は数世帯ごとに1か所設け、すべての家庭が自宅から200メートル以内で水にアクセスできる環境を整備しました。
これにより、水汲みにかかる時間や身体的負担が軽減され、また、水を媒介とする感染症の予防にもつながっています。
インフラ整備に加えて、衛生教育にも力を入れました。村の278世帯から、男女1人ずつ計574人が参加し、手洗いや飲用水の煮沸、感染症の基礎知識について学びました。
女性参加者には、女性の衛生プロモーターが研修を担当することで、安心して参加できるよう配慮しました。
研修参加者全員に石けんを配布し、手洗いの習慣が日常に根づくよう働きかけました。
村内で調査を行うプロジェクトチームのメンバーら(2025年3月2日撮影)
水や衛生は、人びとの命と尊厳を守る基本です。ジェンは今後も、現地のパートナーや地域の人びとと協力しながら、生活環境を改善し、「水のある暮らし」「安心して生きられる地域」を取り戻すための支援を続けていきます。
皆さまのご支援とご関心に、心より感謝申し上げます。
※本事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成金や皆さまからのジェンへの寄付金により実施しています。










































































