2022年11月 4日 (金)

10月15日に「世界手洗いの日」イベントを開催しました。

ナンガルハル県の3つの小学校から、生徒200人をはじめ、学校の先生、地域や政府関係者の皆さまを集めて、「世界手洗いの日」を祝福しました。

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JENスタッフが手洗いの重要性についてお話ししています。

 

ユニセフが定めた「世界手洗いの日」は、世界のあらゆる所で、手洗いの大切さと、生活への影響を再確認する機会となっています。アフガニスタンには、石鹸を使った手洗いの仕方やその重要性を知らない人びとや、石鹸を買う事が出来ない人びとがたくさんいます。これにより、下痢が引き起こされ、子どもたちは学校に行けなくなったり、おとなでも働きに出る事が出来なくなってしまうことがあります。

JENは、子どもたちが手洗いに関心を持てるようなイベントを企画し、開催しました。JENスタッフは、正しい手洗いの方法を説明し、衛生に関する啓発を行いました。宗教指導者により、イスラム教の聖典でも、衛生や、手洗いについて説かれている事を紹介し、コミュニティの手洗いについての意識を高める事ができました。

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正しい手洗いの仕方を実践を通して学んでいます。

 

楽しんで学習してもらうため、生徒たちは、手洗いに紐づけた寸劇を披露しました。手洗いをせずに病気になってしまった子ども、医者、先生の役を演じ、石鹸を使った手洗いが病気を妨げる重要な役割を果たす事を、学習しました。また、手洗いや衛生に関する絵を描いてもらい、参加者の前で発表してもらいました。また、衛生に関するクイズに答える事が出来た生徒たちに石鹸を渡しました。

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手洗いについて描いた絵をお披露目しています。

11月 4, 2022 教育支援支援物資配布水衛生環境改善衛生教育 |

2022年9月 2日 (金)

水衛生事業が無事に完了しました

アフガニスタンのナンガルハル県で、8,000人以上の人びと(1,205世帯)に安全な水と衛生知識をお届けする事業が、85日に無事完了しました。今回は国内避難民の方々や、かつて難民だった帰還民の方々が暮らす居住区で、この事業を実施しました。この居住区では、2014年以降は治安の悪化等を理由に、ほとんどの支援団体が撤退してしまい、ニーズが高いにも関わらず、支援が届いていませんでした。

ここでは安全な水へのアクセスが乏しく、女性や子どもたちが毎日長時間かけて、必ずしも安全ではない水を汲みに行っていました。更には戸外排泄が一般的であったため、子どもたちを中心に、下痢などの症状も頻繁に見られました。事業開始時には、地域の方々の衛生知識はとても低かったのですが、衛生教育後にはお伝えした知識や習慣をしっかりと習得していただいたことが確認できました。この習慣を継続し、JENが建設した井戸と給水所をきちんと管理していただけるよう、事業の早い段階で地域の方々を中心に、井戸管理委員会を設立していただきました。自らの力でこの事業の効果を持続していけるよう、委員会の方々には、井戸管理のための知識や技術も身に着けていただきました。

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事業地は山に囲まれた場所に位置しています。
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太陽光発電を活用して、深井戸から
貯水槽に水を汲み上げます。

先日、JENの水衛生事業の効果が、事業終了後にも継続していることが確認できる報告が、現地から届きました。2021年11月に同様の事業が完了した、同県パチルワアガム地区アオバキル村の状況です。同地区では、アフガニスタンの他の多くの地域と同じく、コレラが疑われる下痢症状がこの夏、蔓延しているそうです。しかし、私たちが衛生教育を実施したアオバキル村では、そのようなケースは確認されていないとのこと。これはおそらく、住民の方々が安全な水を手に入れられたこと、また衛生教育で身に付けた知識を、継続して実践されていることが功を奏していると考えられます。

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アオバキル村の井戸管理委員会のリーダー

JENが建設した深井戸と給水所も、井戸管理委員会の適切な管理により、問題なく稼働しています。周囲の村の井戸は、干ばつの影響で干上がってしまったため、アオバキル村の方々は、この深井戸の水を周囲の方々と分け合っているとのこと。

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井戸と給水所を正式に譲渡し、地域の方々に
維持管理を担っていただきます。

サポーターのみなさまのご支援により、JENの事業は確実に成果を上げています。ただ、現地のニーズはとても大きく、支援を必要とする人びとがまだ多くいらっしゃるのが現状です。一人でも多くの方に、効率的で効果的な事業をお届けできるよう、活動を継続していきます。

9月 2, 2022 水衛生環境改善 |

2021年5月31日 (月)

井戸と給水所が完成し、こんな風に生活が変わりました。

アフガニスタンのナンガルハル県で実施していた水衛生環境改善支援にて、井戸と給水所が完成し、譲渡式が行われました。セレモニーでは、井戸管理委員会(WMC)のメンバーへ、記念品のターバンや井戸や太陽光パネルの維持に必要な工具が贈呈されました。今後は、WMCが主体となり、住民から集めた管理費をもとにして井戸の管理と運営を行っていきます。

井戸と給水所の建設により、村の人々の生活には前向きな影響が出ています。以前は、村の住民の方々は家から遠く離れた(多くの場合3km以上)小川や井戸まで一日に何度も往復し、一日の大半の時間を利用して生活に必要な水を確保していました。子どもや女性が主体で水汲みが行われる事が多いため、学校に行く事ができなかったり、仕事や家事を犠牲にする事がやむを得なかったりという状況でした。5km程離れた不衛生な水汲み場に毎日行っていた方もおられましたが、給水所がコンパウンド内に建設されたことで、空き時間が増えて農産物の栽培に力を入れる事ができる、と喜んでおられました。

子ども達は学校やモスクへ行けるようになり、クリケットやバレーボールをして遊ぶ時間もできました。大人たちからは、今は街で働く時間ができ、家族のために食料を確保できるようになった、家事、育児や授乳に専念できる、といった声もあります。家庭菜園、家畜や手芸で収入を得られるようにもなった方々もいらっしゃいます。

また、安全な水と石鹸を使った手洗い、正しい衛生知識のおかげで下痢が減り、合わせて新型コロナ感染症の対策もお家でできるようになり、衛生環境の改善により健康になったと感じている方もいらっしゃいます。元々、生活物資の少ない国内避難民の方々は、JENが配布した水タンクにより安全な水を家で確保できて、助かっているとおっしゃっていました。

これまでは水源が遠く離れていて、村の人々の生活に様々な支障が出ていましたが、井戸と給水所の新設により日々の中に余裕が生まれ、衛生知識の向上により健康状態も改善し、今後の自立した未来に繋がるたくさんの可能性が出てきたようです。

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汲み上げの原動力となる太陽光パネルと完成した貯水タンク

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井戸と給水所の維持管理の為の講習

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WMCによる自主的な清掃活動

5月 31, 2021 水衛生環境改善 |

2021年4月30日 (金)

今までの人生で石鹸を使った覚えは無い。<参加者インタビュー>

サマルさん[43歳・男性]

場所:チャパルハル地域グルダラ村

「水衛生事業のスタッフから、初めて石鹸の話を聞いた時は、そんな物生きていて一度も使った事が無いと思いました。」

今回インタビューにてお話し頂いたのはサマルさん。2人の奥様、6人の息子さん、4人の娘さんという合計13人の家族を率い、ジェンの給水施設建設現場の隣にお住まいです。サマルさんは、2020年9月より開始された4のセッションに渡るジェンの衛生教育で知識を身に着けたいと意気込んでおられました。

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サマルさんのインタビューの様子。2021年3月24日

サマルさん「不衛生な水が衛生になるようにろ過する方法、手洗いが重要な日頃のタイミング、身の回りの衛生や環境を配慮した口腔と食品衛生について学びました。」

質問「石鹸など聞いたことがないとお聞きしましたが、本当ですか?」

サマルさん「いえ、石鹸の事は聞いたことがありましたが、貧困と衛生知識の欠陥により、人生で一度も使った事がありませんでした。ですが、今回の衛生教育のと衛生キットを受け取って以来、日頃から新たな習慣を付け、毎日石鹸を使うようにしています。」

質問「貧困状況の残る生活が続く中で、石鹸を優先して購入する事はやはり経済的に難しいと考えられますか?」

サマルさん「いえ、今はJENが供給してくれた衛生キット(石鹸5個、爪切り1個、歯磨き粉3個、歯ブラシ6個、トイレットペーパー3個、ティッシュ2箱、タオル2枚、生理用ナプキン1パック、21Lの水タンク)を使用しています。それに、使い終わった後も石鹸は買い足すつもりです。特に石鹸を使った手洗いの重要性と効果は、下痢や水が原因の病気の発症が減った事によって痛感し、従来起こっていた体への悪影響も不衛生な環境が原因である事を理解しました。」

サマルさんがお住まいの地域では石鹸を使った手洗いの習慣がなかったため、下痢や水を介して発症する病気になる方々が大変多く、特に子どもたちは学校に行く事が困難になるなど、生活への支障をきたしています。

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食器にかぶせられたネットは虫による病気の繁殖を防ぎます。

サマルさん「衛生教育、衛生キットの供給、さらにコンパウンドごとに繋がれた水道管の設備による安全な飲み水の確保をして頂き、日本の皆様には大変感謝しております。これにより、病気になる回数が減り、これまで費やしていた医療費の節約も出来るようになります。」

サマルさん「JENには私たちの村で人材育成を通して雇用を促す生活支援プログラムも実施して頂きたいです。迅速な対応をありがとうございました。」

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新たにサマルさんのお家の前に建設された給水所

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新たに建設されたトイレの様子

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サマルさん一家がお住まいの家

4月 30, 2021 水衛生環境改善 |

2021年3月30日 (火)

チャパルハル地区での水衛生事業が進んでいます

2020年9月末に開始した水衛生事業が、いよいよ終盤に近づいてきました。本日は事業の進捗状況をお伝えします。

この事業では、井戸とそこから汲み上げた水を貯める貯水槽、そして給水所を建設します。掘削した井戸水の水質安全性も確認され、貯水槽の建設も間もなく完了を迎えます。あとは住民の方々の住居近くに設置する給水所と、それらを貯水槽と繋ぐ配管の敷設が完了すれば、安全な飲料水に容易にアクセスできるようになります。

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貯水槽も完成間近です!

この事業のもう一つの大きな柱は、衛生教育です。今まで住民の方々があまり意識・認識していなかった公衆衛生の重要性や、新型コロナの流行で今まで以上に重要になっている、石鹸を使った適切な手洗いの必要性を、アフガニスタンの文化的背景に沿った形でお伝えしました。そして、お伝えしたことを実践していただけるように、石鹸や歯ブラシ、水タンクなどが入った衛生キットを各世帯にお渡ししました。

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衛生教育で学んだことを実践していただくための衛生キット配布の準備

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研修終了後に衛生キットをお渡しし、中身を全員で確認しました

衛生教育は全4回に渡るセッションでしたが、その完了を待たずして住民の方々の意識や行動に変化が現れてきました。今までしていなかった、自宅の敷地内の清掃やトイレの建設に着手し始めましたと教えてくださる方々が出てきたのです。

この事業は4月頃完了する予定です。完了後の状況も、またこちらでご報告していきます。

3月 30, 2021 水衛生環境改善 |

2018年11月30日 (金)

過去の事業参加者へのインタビュー

エザトゥラーさん 65歳
ナンガハル県、チャパルハル地区トゥリリー村

 

2016年にパキスタンからアフガニスタンに大勢帰還民が戻ってきました。エザトゥラーさんとその家族もその内の帰還世帯でした。彼は1987年にパキスタンに移民し、ペシャワールのパッビというキャンプで難民として生活していました。彼らのキャンプでの生活は、仕事を持つ機会があったり、食べ物、教育、保健医療施設は他の機関から支援があったので、以前より良い状態でした。

 

彼は「アフガニスタンに戻って来てから、私も息子も仕事の機会がなくて、私たちの家族の問題は多くなりました。一輪車を買って、労働の仕事で食事のためのお金を少し稼ぎました」、 「長男が果物や野菜を一輪車で売り、次男が建設地に砂や砂利を運びますが、彼らの仕事は常用雇用ではなく、職業の安定がありません」と言いました。

 

「私は家族により良い状況だったパキスタンに戻る事を相談しています。でも、ビザの問題があります。今私たちはアフガニスタンのパスポートを持っていて、そのため、もしパキスタンに今度行ったら、毎月ビザ更新のためにアフガニスタン戻らないといけません。アフガニスタンの政府に仕事の機会をくれるように要請しているので、自国にとどまっていますが、状況は良くなりません」と彼は言いました。

 

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「私たちはトゥリリー村の小さな賃貸の家に住んでいますが、水がありませんでした。ジェンが私たちの村に来て、安全な水を供与してくれた事に感謝します。少なくとも今水へのアクセスは容易になりました」。

 


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11月 30, 2018 水衛生環境改善 |

2018年9月28日 (金)

帰還民の家族とその問題

マティウラさんは(35歳の男性)パキスタンから家族と一緒にアフガニスタンに数か月前に帰還しました。彼は4人の息子と2人の娘がいます。帰還当初は家とは云えないような家に住み、飲み水がない、子どもが学校に行けないなど多くの問題に直面しました。特に、長い間トイレがなかったため、隣人宅のトイレを借りたり、外で用を足したりしていました。

 

 

 

今でも彼の家には壁はありませんが、彼は少しずつ古い家を修繕し、支援金を使わずに貯めて家の横にトイレだけを建設しました。きれいな水はないので、家から300メートル離れた場所の安全ではない水を汲みにいかなくてはなりませんでした。そのため、下痢や胃痛と言った病気に家族がかかりました。この地域では女性、こども、男性も水汲みに長い時間をかけなくてはなりませんでした。

 

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ジェンのチームは、調査に訪れてこのコミュニティがきれいな水が飲めない脆弱な地域である事を発見し、ポンプ式井戸をこの周辺に設置する事を提案しました。JPF様からのご支援でジェンがポンプ式井戸の建設にすぐにとりかかり予定通りに終わった事で、今は以前のように長距離を歩くことなくきれいな水を十分に得ることが可能になりました。

 

マティウラさんの長女、ファティマさんは、「私たちは今幸せです。以前はきれいな水を汲みに行くにはあまりにも遠いところまで歩かなくてはいけなかったので、外で長時間働いても体を洗う事も出来ませんでしたが、今は楽になりました」と話してくれました。

 

 

9月 28, 2018 水衛生環境改善 |

2017年2月23日 (木)

衛生教育プロジェクトに関する戸別調査

JENは、衛生教育の効果を知るために戸別調査を毎年行っています。

今年は1月に、昨年に衛生教育を受けた生徒たちが習った知識を家族に伝えたかどうかを確認するため、JENのスタッフがこの生徒たちの家を戸別に訪問しました。

JENスタッフは、チャリカ地区の対象30校の周辺の75世帯に対して聞き取りを実施しました。質問は、衛生教育の知識が家族に伝えられているか、そして家族はどれくらい知識を理解し実践しているかを知るため、などです。

例えば飲用水の消毒、食品に関する衛生、経口補水塩づくり、手洗い、トイレの使用などについてです。誰から知識を得たのかについても尋ねました。

JENのスタッフはさらに、彼らが実際に石けんを使って手を洗うところを見せてもらったり、彼らの家のトイレや浄水の状況などを写真に撮ったりしました。

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【トトムダラ・ウリア 女子学校がある校区のコミュニティーでの戸別調査実施時の様子。子どもと母親が石けんを使い、習った方法で手を洗っています】

戸別訪問の最後に、学校を通してのJENの衛生教育プロジェクトについてどう思うか、彼らの意見を聞きました。

アルジェハド・トトムダラ・ウリア 男子学校の校区のコミュニティーでの戸別調査で、ピスタ・グルさん(70歳)は次のように話しました。

「子どもたちへの衛生教育プロジェクトは人びとの間で、衛生知識を広めるとても良い方法だと思います。私をはじめこの村の人たちはほとんど教育を受けていないので、衛生についての知識が乏しいです。でも私の孫たちが学校で衛生教育を受け、家族にもそれを教えてくれました」 

さらにグルさんは、唯一の水源である近くの用水路についての話もしました。

「衛生知識を身に付ける前は、私たち家族はよく下痢をしました。なぜなのかが分かりませんでした。でもその原因が飲み水に使っている用水路の水にあることを知ってからは、塩素消毒をしてから飲み水に使うようにしています。この衛生教育プロジェクトでを実施してくれたJENに感謝しています。もっと早くこのような知識を教えてもらっていたらよかったのにと思います」

戸別調査全体の分析はこれからですが、結果はよいものであると期待しています。

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【戸別調査でJENのスタッフからインタビューを受けているピスタ・グルさん】

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2月 23, 2017 水衛生環境改善 |

2016年11月24日 (木)

一滴一滴の水の大切さ

汚染されていない水を飲むことは、きれいな空気を吸うのと同じくらい簡単なことであると思う、恵まれた国の人びとがいます。しかし、アフガニスタンのような国では、汚染されていない水を飲むことはそれほど簡単ではありません。発展途上国で起こる、おおよそ80%の病気は、不衛生な水によって引き起こされていると言われています。途上国の大都市に住んでいる人びとは衛生的に問題のない水を飲むのは難しく、地方ではさらに状況が深刻です。

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【池で汚染した水を飲む動物】

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【山の湧水】

アフガニスタンの地方に住む女性や女の子は日々、何キロも歩いて水汲みに行きます。また、いくつかの地域では、動物と人間が同じ池の水を飲み水として使っています。世界の水危機やその影響について関心をもつと、世界では水が原因の病気で5歳未満の子どもの10人に1人が亡くなっていることが分かります。


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【水源から水を運ぶ子どもたち】

生きるために不可欠な飲み水ですが、他の惑星に水が存在するかどうか探索されているこの時代であっても、世界のまだ多くの人びとにとって、きれいな飲み水はいまだに夢のようなものと言えます。残念ですが、これが現実なのです。一方で、歯を磨き、ひげをそり、手や洋服・食器を洗い、シャワーを浴びて、トイレの水を流し、車を洗うなど、自分自身の日々の生活を振り返ると、車1台を洗車するのに、大量の水を無駄使いしているような気がします。

蛇口をひねって水を出す前に、もう一度世界の人々について考えてみましょう。水がない真夏を想像できますか? 水を得るのが難しい地域の現実は、なかなか想像できるものではありません。私たちにできることは、水資源の無駄使いをやめること。さもないと、いつか私たちも水不足に陥ることになるかもしれません。

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【JENが建設した給水施設】

サマー・バット  

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11月 24, 2016 水衛生環境改善 |

2016年8月12日 (金)

チャリカ

 JENが活動しているチャリカは、アフガニスタンの中心部にあるパルワン県の県庁所在地で、コダマン谷の主要な町です。この町は、カブールから北部へ69キロ進んだ道路沿いにあり、パンジシャール谷の入口でもあります。人びとは、北部のバグラン・クンドゥズ、サマンガン、タクハル、バルク、バダフシャン、バーミヤン、ダイクンディといった県を訪れる際にこの町を通過します。

【主要な広場の様子】
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 この町のほとんどの住民はタジク族で、ダリ語を話します。芸術・詩や、ぶどう・きゅうり・トマトといった果物野菜の生産地として有名です。また、美しい自然でも名高く、グル・グンディ(紫の花で覆われている美しい丘)など、多くの景勝地があり、県外からもピクニックに訪れる人がいます。毎年、政府はグル・グンディで式典を行っています。

【グル・グンディの風景】
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 歴史的には、チャリカはジャムシッド王(ヤマ王として知られる)によって発見され、その後のカニシュカ王やクシャニア人によって創立されました。1930年代には、ジャバル・サラジに新しい織物の工場が作られ、この町の新しい歴史が始まりました。

【絨毯のお店】
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 しかしその後、長い間、旧ソ連の侵攻やムジャハイデン戦争などの前線となってしまい、この土地の人びとの文化・知識・経済は計り知れない被害を受けました。北部の県へ通じる重要な場所であったため、タリバン政権時代にタリバンと北部同盟の境界線となり、荒廃しました。残念ながら、この15年間、新しい政権はチャリカの復興・開発を行っていません。

 チャリカは小さい町ですが多くの人口を抱えています。通行量は多いのに道路は1つだけです。ここにある全てのものが、カブールから運ばれてきたものです。住民の多くが農家で、他には政府職員や技能労働者や技能をもたない労働者がいます。多くの住民の経済水準は貧困ラインを下回っています。

 チャリカは、アフガニスタンの中でも特に水不足に悩まされている地域です。そのため、1977年にパンジシャール川から水路が引かれました。この水は飲み水として安全なものではありませんが、大半の人は飲み水として使っています。

 2015年の調査によれば、貧しいためにやむを得ず衛生的でない水を飲むことで、多くの病気が引き起こされています。他にも、人びとが適切な衛生教育を受けていないこと、医療機関が不足している状況などが人びとの健康に影響しています。

 このような環境下で、学校や病院を建設・再建し、研修を行い、啓発を強めることは、健康的な生活を楽しむことのできる新しい世代を生みだすことにつながります。
JENは、2002年にパルワン県での活動を始め、2005年からチャリカで水衛生事業を実施しています。2017年に実施を計画している事業では、学校施設整備・教師を通じた衛生教育により、生徒の衛生の改善と、衛生関連の知識が生徒から彼らの家族・地域の人々に波及していくことを目指しています。

 フィールドオフィサー
 ズフラ・アフシャル

【市場のメインストリート】
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【チーズのお店とドライフルーツのお店】
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8月 12, 2016 文化、生活、習慣水衛生環境改善衛生教育 |

2015年8月27日 (木)

25の学校での警告板の設置と保健委員会

 アフガニスタンの多くの学校では清潔な給水施設が無いため、JENは、子どもたちが安全な飲料水と、手洗い用の水※を使うことができるように学校での給水設備の設置活動に取り組んでいます。

(※飲用には適さないが、手洗いには充分適しているもの)

 約60校の対象校すべてで水質検査を行った結果、水が飲用に適さない学校があることがわかったため、水の塩素消毒を行いました。 

しかし、対象校のうち25校では飲むには有害な物質が検出されたため、飲用可能にすることができず、手洗い専用の水とせざるを得ませんでした。

JENはそれらの学校の生徒たちが誤って、その手洗い専用の水を飲まないよう、さまざまな方法を考えました。

①警告板の設置

 まず警告板の設置を決めました。警告板は「この水を飲まないように」という理解しやすいメッセージと、子どもでもわかるような絵が書かれたものです。警告板の内容やデザインは、教育局と相談の上でJENスタッフが作りました。

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 この警告板は現在までに、25校のうち21校での設置が終了しました。ゴルバンド地区にある4校は、周辺の治安状況が悪いためまだ設置できないままでいます。今後、治安状況が改善されたら警告板の設置を行う予定です。

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 ②ワークショップの実施

不衛生な水の飲用を防ぐために、JENは、上記21校において、各学校で形成される、『学校保健委員会(SHC)』に向け、ワークショップを行いました。(SHCは、生徒7~9人と、教師1人からなる委員会です。)そして、SHCは生徒たちへ、その知識を伝え、生徒たちの衛生に対する意識向上を目指します。

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 SHCは、生徒たちが汚染された水を飲まないように生徒たち同士の話し合いを催すなど、いくつかの活動を行っていきます。そして9月には今後の活動計画も立てる予定です。

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 ワークショップの実施前と実施後の彼らの活動の成果や有効性を測るために、25校すべてで事前と事後のKAP調査(知識・姿勢・行動の調査)を行います。現在までに21校で各校10人の生徒を対象に事前調査を実施しました。

 実施前の調査によると、これらの学校の現状は良いものではありませんでした。これからJENとSHCが行っていく活動によって少しでも状況が改善されることを期待しています。

 JENアフガニスタン
 シニア・プログラム アシスタント
 ハニフ・カン



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8月 27, 2015 緊急支援水衛生環境改善 |

2015年6月18日 (木)

2014年事業後モニタリングの結果

 JENではアフガニスタンで支援を行うのにあたり、質の良い支援を目指すとともに、JENが去った後にも支援の効果が続いていくことを目標にしてします。そのため毎年、過去の事業地のいくつかを訪れて、効果の継続を判断するためのモニタリング調査を実施しています。

 アフガニスタンでは主に学校施設整備と衛生教育を行っていますので、これまでに支援を受けた人々が衛生教育で教わったことを実行しているか、整備された校舎やトイレはきちんと維持され使われているか、を調べます。

 2014年度に行われたモニタリングの結果は、大変素晴らしいものでした。調査は2011年~2013年に事業を行った学校のうち、水衛生設備を含む施設の整備と衛生教育を実施した17校で行われました。JENアフガニスタンチームのメンバーが、教師や生徒に対してインタビューを行ったり、自分たちの目で確認したりして、すべての施設の状況や衛生教育の効果をチェックしました。

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 調査によりわかったことは以下の通りです。

○生徒の就学率の向上
○学校の衛生環境の改善
○飲用水の質の向上
○  生徒の教室美化と環境衛生に関する知識の向上

 17校すべてに、JENがその設立に協力し、運営ノウハウの研修を実施した学校管理委員会があります。
 それぞれの学校管理委員会では、教員や生徒、コミュニティから学校維持管理の資金を積極的に集めており、一部の学校では集められた資金で施設の部分的な改修まで行われていました。
 事業中に建設されたトイレや学校の壁、貯水槽や井戸などもすべてきちんと管理され、良い状態が保たれていました。
 支援を受ける前と後では、学校設備に大きな差を感じる、という声も聞かれました。

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 また、すべての学校でJENの事業終了後も毎日衛生教育が続けられていることもわかりました。2011年に支援を受けた学校では、これまでの4年間、休むことなく行われているのです!

 2015年度も同じように、過去に事業を行った21校でモニタリング調査を行っています。今のところ14校において進行中で、すべての学校で調査が終わり次第結果の分析が行われます。
 今年も、去年のように素晴らしい結果が出ると良いなぁと、思っています!

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 JENアフガニスタン
 シニア・プログラム アシスタント
 ハニフ・カン


【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】

Afghanistan

6月 18, 2015 水衛生環境改善衛生教育 |

2014年8月21日 (木)

安全な水を子どもたちへ

 水の重要性は、ほとんどの人が理解していると思います。水なしでは生命の存続は不可能です。しかし、残念ながら、安全な水が世界中のどこでも得られるわけではなく、特に開発途上国では安全な水を得ることが大きな課題となっています。

 アフガニスタンにおいても状況は同じで、国のどこでもきれいな飲料水が手に入るわけではありません。たいていの人は不衛生な水を日常的に飲んでいて、地方などでは、汚染された川の水を使用していることもあります。

【既存の不衛生な水源】
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 学校の生徒たちに安全な水を提供するため、ジェンは学校で井戸や貯水タンクなどの給水施設を建設しています。給水施設の水が安全でアフガニスタンの国家基準を保っていることを確認する為、ジェンは支援の対象となったすべての学校において、水質検査を実施しています。

 その第一段階として使用するのが、ジェンの水質試験室で、ここでは微生物検査をおもに行います。また、化学物質検査を公衆衛生省と協力しながら行っています。水質に問題が見つかった場合には、塩素消毒または濾過処理の必要性や方法について、各校と調整をするようにしています。

【水サンプルの検査を行うジェンスタッフ】
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 ジェンの活動終了後、施設の管理は学校管理員会の責任となり、故障の際の修復などは委員会のメンバーが担っていきます。

【ジェンの建設した給水施設】
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 ジェン イスラマバード事務所
 シニア・プログラムアシスタント
 ハニフ・カーン

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8月 21, 2014 水衛生環境改善 |

2014年1月23日 (木)

支援活動の持続可能性

 人道支援において「持続可能性」とは、何かが維持されること、または維持すること自体が継続されること、として定義することができると思います。
 
 ジェンは支援活動を行うにあたり、その持続可能性に特に気をつけています。支援プロジェクトを立案するとき、ジェンは主に二つの点に着目し、持続可能性を検討します。

 一つ目は、ジェンが引き上げたあとも活動が続いていくかどうか。このためには、支援対象となったコミュニティが責任を持って活動を続けていく必要があります。二つ目は、その持続可能な活動が、天然資源に悪影響を及ぼすようなことがないかどうか、という点です。

 理想的な「持続可能な活動」の例として、現在ジェンが行っているプロジェクトでは、学校における学校管理委員会(SMC)の形成が挙げられます。
ジェンのスタッフは、まず対象地域のコミュニティで、学校環境を改善するためにどのような支援を行うのがよいか、ということについて考えてもらいます。また、彼らが支援活動において主体的にかかわっていくことが大事であるということを伝えます。コミュニティは、長期的に活動を率先し責任をもって継続していかなければならないのです。

 これまでのジェンの支援実施後、現在のところすべての学校管理委員会が適切な管理機能(資金調達や管理など)を維持しているのは、非常に心強いことです。それに加え、ジェンが形成をサポートした学校委員会は、定期的にミーティングも開いています。
モニタリングに訪れたジェンの現地スタッフによると、昨年プロジェクトを実施した学校に設置された学校管理委員会は、今でも学校の環境改善において重要な役割を果たしているとのことでした。すべての委員会が、それぞれの学校において、将来的にも環境改善活動を行っていくことを約束してくれているのです。

 例えば、ジェンが2012年に教室、トイレ、貯水槽を設置したバグラム地区のカライ・ナスロ高校では、ジェンの活動終了後、学校管理委員会が自らの努力で外周壁を建設しました。彼らはまた、学校を通って村の農地へ水を送るため、コンクリートの水路も設置しました。さらに、同行では学校環境を美しくするため、学校に花や木を植えたという報告も受けています。学校管理委員会はこれらを実施するため、コミュニティ全体に寄付を呼びかけました。寄付を出せない貧しい人々は作業で貢献しました。
 これらの活動は、学校管理委員会やコミュニティの自信となり、彼らは今後もジェンによって始められた環境改善のための活動を維持していくと話してくれています。
 
 また、パルワン県教育局も、これらの活動には非常に精力的です。学校管理委員会が長期にわたり活動を維持していくことができたら、それは教育局を経済的に支えるだけでなく、県全体の教育の質向上にもつながっていくのです。

【学校管理委員会の建設した外周壁】
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【コンクリートの水路】
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イスラマバード・ジェン事務所 
シニア・プログラム・アシスタント
ハニフ・カーン

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1月 23, 2014 学校修復・建設水衛生環境改善 |

2013年6月20日 (木)

アフガニスタンの水質検査

 アフガニスタンは世界でも降雨量の少ない国のひとつで、地表の水分はあっという間に蒸発し、それが水不足につながっています。全国的にみて、アフガニスタンの多くの家庭では安全な飲み水へのアクセスがありません。微生物や物理的、化学的に汚染された水は、アフガニスタンにおいて大きな問題となっています。水源は大腸菌などの有害なバクテリアで汚染されており、それによって多くの人々、特に子どもたちや老人が病気になったり、時には亡くなってしまうこともあります。
 
 
 

 パルワン県においても、ほとんどの人たちには安全な飲み水へのアクセスがなく、様々な汚染物質、とくに微生物で汚染された川の水を使っていて、住民、とくに子どもたちや老人の健康に悪い影響を与えています。

 一方、アフガニスタンでは薬品を使用した水質検査を行える機関がまだ非常に限られています。また、検査用の水は採取後一定時間内に検査をしなければならないこともあり、現在も薬品を使用しない従来の水質検査に頼らざるを得ない場合が多くあります。そのため、支援団体は独自に検査ができる環境を整えるよう推奨されています。

 ジェンも2011年以降環境整備に取り組み、時間を要しましたが、今年から薬品を使用した検査を実施できる環境が整いました。検査道具の準備だけでなく、正しく薬品が扱えるよう、2012年11月に特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームの助成による学校環境整備・衛生教育事業の一環として、ジェン現地職員が水質検査研修を受講しました。

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 ジェンは5月から6月にかけて、2011年と2012年に建設した給水施設をした学校を対象に、薬品を使用した水質検査を実施しました。

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 今回の検査は、WHOなど、いくつかの国際的な水質基準に基づいて行われました。 細菌試験の結果から、いくつかの学校の給水設備の水には、下痢の原因となりうる有害な微生物が含まれていることがわかりました。ジェンはこれらの学校に対し、塩素消毒を行った上で飲料水として使用するよう強く推奨しました。

 これらの水質検査結果は、パルワン県の保健総局、農村復興開発局や、教育省保健局と共有する予定です。ジェンは今後も、学校や地域の当事者たち自身がこの水の問題に対応していけるよう、フォローを続けていきます。 
                                                                                                                                                                                                                        
ミルワイス・オメルゾイ
     (アフガニスタン  シニア・フィールドオフィサー)

【水質検査を行う筆者】
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6月 20, 2013 水衛生環境改善衛生教育 |

2011年7月28日 (木)

2012年の事業のための調査開始

 先日、来年実施する事業のためのニーズ調査を開始しました。今回JENのフィールド・オフィサーたちは、パルワン県のジャワルサワジ地区の33校とバグラム地区の44校のすべてを訪れました。そこで、学校の水衛生環境や施設の現状を把握するとともに、学校の先生や村人、保護者を対象に聞き取り調査を実施しました。

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 教室の天井部がむき出しになっている学校がありました。物が落ちてきてもおかしくないとても危険な環境で子供たちは勉強に励んでいます。

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 同じ学校では、生徒数に教室の数が足りないため、外でも授業をしています。

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 教室の一面がない学校もあります。

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 同校では、トイレの環境も良くありません。ドアがなく、近くに手洗い場も見当たりません。水道はあるのですが、水が出ず、ゴミなどが詰まっており、手が洗えない環境です。

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 また、この様な、衛生状態の良くないわき水や小川が唯一の水源になっている学校も複数あります。

 2012年、今後も引き続き実施する調査結果をもとに、パルワン県内の、JENがまだ支援をしていない地区の子どもたちを対象に、水衛生環境整備や衛生教育などの支援をする計画をしていきます。

====== ご報告 =============

平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。

これまで、JENの活動を温かくご支援くださいました、
支援者の皆様に、深く感謝申し上げます。
詳しくは、こちら

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7月 28, 2011 水衛生環境改善衛生教育 |

2007年7月19日 (木)

安全な水を届けたい、その4

Websmall_1  2006年8月から約1年。パルワン州で実施してきた水供給事業が完了しました。
ひとつとして予定通りに進まないことが多いフィールドで、地元の人たちと施設完成の喜びを分かち合えることが一番の喜びです。

JENカブール事務所長のブログ『雲外蒼天』で、この水事業を振り返る記事を掲載しています

JEN事務所長のブログを読む

また、アサヒコムの連載『国際支援の現場から』でも、水事業の報告を掲載中。
ブログよりも写真がたくさん紹介されているので、是非ご覧ください! 

JEN連載 アサヒコム『国際支援の現場から』 JENアフガニスタン「いのちをつなぐ水」

夏休みに部屋の片づけをしてみませんか?本やCDのリサイクルが、アフガニスタンの教育支援に役立てられます!
JENのBOOK MAGIC(ブック・マジック)について、くわしくはこちら⇒ BOOK MAGIC

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7月 19, 2007 事務所・スタッフ水衛生環境改善 |

2007年4月26日 (木)

安全な水を届けたい、その3

Photo_66  飲料水供給事業の一つの目的は、衛生的な水を供給することによって様々な疾病を予防することにあります。しかしながら、衛生や健康に関する情報が格段に不足している村落部では、水がきれいになっただけですぐに疾病が予防できるとは限りません。そこでJENは、水供給システムを建設している3つの村で、女性を対象とした衛生教育のワークショップを開催しました。

 アフガニスタンの村は、基本的に親類縁者の集合で成り立っていることが多いので、殆どの場合部外者を受け入れませんし、特に村の女性が外部の男性と席を同じくすることは考えられません。そこで、プログラム実施前には、各村の長老たちを集め、衛生教育の目的や内容を十分に説明した上で了解をもらうと共に、経験が豊富な女性スタッフを新たに採用して各村に派遣しました。1_53

 全ての女性スタッフが家庭を持っているため、プログラムの内容も、より女性たちに届くようなものとするために、自分の仕事や生活での経験を生かし、何度も議論や修正を行いながら作り上げていきました。

 最終的には、3月末の時点で全33回のワークショップを行い、合計990名以上の女性に衛生教育を行いました。新たに建設される飲料水供給システムと共に、事業対象の村に住む人々の病気の軽減や健康増進に役立つことを願っています。

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4月 26, 2007 水衛生環境改善 |

2007年4月12日 (木)

安全な水を届けたい、その2

飲料水供給事業では、昔ながらの設備や地形を利用したシステムを建設しています。

 例えば、パルワン州の州都であるチャリカ市には、20年以上も前から細々と使われているものの、長年の戦争等の影響で十分な維持管理が行われなかったカレーズ(地下水路)があります。JENはカレーズに堆積した大量の土砂を除去し崩れた部分を修復、そして市営の水道システムに接続する工事を行っています。

 また2つの村では、村の高台に湧き出ている泉の水を水源に、土地の特性を用いて水を供給するシステムを建設しています。水源の近くに貯水槽を建設し、そこから水道管を敷設、村の中に複数の共同水栓を建設し、水を届けるのです。

 この事業では、様々な工夫を凝らしながら工事を行っています。例えば、事業完成後にオーナーシップを持って維持管理してもらうために、完成後の水道を利用する村人に一部の工事を無償で提供してもらっています。また配管工事の際に村人の中から代表者を集め、専門の配管工から配管の方法を学んでもらっています。

 次回は、飲料水供給事業とあわせて行った衛生教育についてご紹介したいと思います。

4月 12, 2007 水衛生環境改善 |

2007年4月 5日 (木)

安全な水を届けたい

Photo_57 皆さんこんにちは。ジェンアフガニスタン事務所長の柴田哲子です。

 アフガニスタンにもようやく春がやってきました。パルワン州でも、桜の花や鮮やかな色の花が咲き始めています。雪を頂いた急峻な山並みを背景に、芽生え始めた緑と花々を見ることは、長く厳しい冬の後では格別なものです。

 JENは、現在パルワン州の4つの地域で飲料水を供給するシステムを作っています。パルワン州では、殆どの家庭に水道が設置されていないため、多くの人びとが排水で汚染された川や遠く離れた井戸に飲料水を頼っています。また、水を汲む作業は、多くの場合子供たちの仕事になっています。Photo_58

 しばしば、自分の体と同じくらいの大きさのポリタンクを、ロバの背に乗せたり、一輪車に積んだり、時には手に持って、休み休み運んでいる子供たちを目にします。そしてそれらの仕事は、一日に何度も繰り返されます。

このような状況を改善し、衛生的な水を供給することによって様々な疾病を予防するために、この事業を開始しました。

次回は、飲料水供給事業の内容を詳しくお伝えしたいと思います。

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4月 5, 2007 文化、生活、習慣水衛生環境改善 |

2007年3月29日 (木)

新しい支援のかたち

アフガニスタンで暮らし、そこに生きる人びとの現実の見つめながら思うこと。

支援活動を通じて、人びとに価値や意識を生み出すのが私たちNGOの役割だとすれば、これまでの救済を主眼とした支援活動の役割は縮小の傾向にあります。

これからは、人びとが寄り添って生きるうえで不可欠な“互いの信頼”や、生きることそのものに対する不安を解決する“自らの力への信頼”など、コミュニティビルディングをとおした自助自立の支援が必要となるのではないでしょうか。

長年にわたり争いの繰り返されてきたアフガニスタンで、人びとが支え合い、信じて生きてゆける新しい世界を、一日も早く感じることが出来るよう、これからも活動を続けます。

3月 29, 2007 女性自立支援文化、生活、習慣水衛生環境改善 |

2006年11月 9日 (木)

チャリカの未来へとつながる地下水路の復旧・清掃事業

 JENが活動を行っているパルワン州の州都チャリカは、人口が10万人と言われる中、飲用水が不足しています。10oct06_27_2

 長い夏は雨を頂くことがなく、冬になると地域を流れる水はすべて泥水と化してしまいます。そうした事情を憂慮していたおり、内戦などの影響で40年近く損壊されたままになっている地下水路の復旧・清掃事業が、外務省からの資金援助を元に、ようやく実現にこぎつけることとなりました。

 10月10日には、外務省の関係職員の皆様をお招きする形で、パルワン知事やチャリカ市長などと共に工事の着工を祝う式典を行いました。

Dsc00222  危険な作業が伴いますが、長大な地下水路を過去に造った地域の人びとの英知と経験を最大限に生かしながら事業の成功を目指すことになります。

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11月 9, 2006 水衛生環境改善 |

2006年9月14日 (木)

神の水

1213_1   パルワン州は、カブールの近郊として今後の発展が最も期待される地域の一つですが、飲料水不足のため、地域の住民や避難先から帰還した人々の生活に大きな影響を与え続けております。JENでは、こうした地域の事情を緩和するために行政と協力しながら、飲料水の供給事業を開始することになりました。

 その中で、戦時中に破壊された旧水路の復旧や、湧水を利用した水道を設置しながら、少しでも多くの安全で清潔な水を確保を目指します。

 また、事業を開始するにあたり、村人の水利権は非常にデリケートな問題でした。神から与えられた水を独り占めすべきでないと考えた村では、今回の事業を人々の間に存在してやまない『持つ者』と『持たざる者』の壁を乗り越える機会として捉えてくれました。

Water2_1  人と人を繋ぐ神の水を頂き、将来への希望に繋がる事業にしていきたいと考えております。

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9月 14, 2006 水衛生環境改善 |