2023年5月31日 (水)

アフガニスタンの「持続可能な学校給食プログラム」の様子を紹介します

ジェンは、アフガニスタンでは2001年より活動を行っています。現地の方々に対し、これまでに、水・衛生、食糧や物資の配布、学校給食、子どもの保護、学校建設、教職員の能力開発など、さまざまな分野でプロジェクトを実施してきました。

2022 5 月より、その中の一つである「持続可能な学校給食プログラム」を、WFP と提携し、アフガニスタン「ナンガルハル県」内の4つの地区で実施しました。

このプログラムは、子どもの就学率や出席率の向上、また特に子どもたちの健康と栄養の維持、そして地域住民に対する収入機会の提供を目的としています。ジェンが実施したプログラムでは、実際に子どもたちの学習意欲を高め、栄養失調を防止し、環境衛生が改善されたことにより、就学していなかったり、中退してしまったりする子どもたちを減らすことができました。また、Bread+の製造や配布において、地域内の住民や技術者に対し、パンの製造や輸送、プログラム実施後のモニタリング等、収入の機会を創出することができました。

 

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学校で配布されるBread+を受け取る子どもたち

 

第一期では、1日当たり 70,000 個以上のBread+を製造し、145 の公立学校と 308 の地域学校(Community Based Education) の子どもたちに配布しました。加えて、子どもたちが予防可能な病気にかかることを防ぐため、学校や家庭でより衛生的に生活していくための石鹸などが入った衛生キットを、一人ひとりに配布しました。

また、対象地区の1つであるクズ・クナールにおいては、対象学校の教職員や、保護者、地域のリーダーなどから成る学校管理委員会に対し、夏休みの期間を利用して、衛生と子どもの権利に関する5日間の研修を実施しました。1,150名の参加者からは、特に新型コロナウイルスの感染予防、個人、環境、食品の衛生管理と、子どもの権利条約に関して十分な理解を得ることができた、という声が上がっています。

 

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研修に参加する学校管理委員会メンバー。グループワークなども行いました。

 

アフガニスタンは現在深刻な食糧不安に直面しており、国民の半数が人道支援を必要とする状況にあります。子どもたちの教育状況と栄養を改善し、地域の雇用を生み出すことは、人道危機にあるアフガニスタンの人びとの生活と将来を支えることにつながります。ジェンは、今後もこのプログラムを実施していく予定です。

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お昼の時間にBread+を食べる子どもたち

5月 31, 2023 教育支援女性自立支援衛生教育 |

2019年9月30日 (月)

アフガニスタンにおける生計手段調査

JENは、アフガニスタンの東部地区、特にジャララバードとその周辺地区を対象に、女性エンパワメント事業を行う計画を立てています。このプログラムの目的は、女子児童に教育の機会を提供すること、また就学後の女性に生計手段を創出することです。

就学後の女性の生計手段については、詳細な調査を通して明らかになります。そこで積極的に就学後の女性に携わっている民間セクターと協力して近い将来に3-4の実行可能な生計手段を持てるようになる事に焦点をおいて生計手段に関する調査することにいたしました。民間セクターとより結び付くことによって、必要とされるスキルや効果的な研修などの構築に役立てます。この活動を持続的に行っていくことでアフガニスタンの女子児童が自分の人生の主人公となれるように力をつけて、自分自身の生活や環境をよりコントロールできるようになることを目指します。

このプロジェクトでは、民間セクターと密接に協力し詳細な調査を行うため、地域の生計専門家をパートナーとして参加してもらうことになりました。民間セクターの実務者は、小さなビジネスや産業従事者、女性起業家、政府役人、人道支援組織の職員を含みます。

就学後の女性の生計手段の選択にあたり、次の2点に留意します。

  • 生計手段の機会が文化的に適切である
  • 女性起業家によってすでに検証され成功していること

成功している地方の女性起業家の経験から有益なことを学び、彼らの生計手段やビジネスのタイプ、モデルケースに追従できるよう、彼らと密接に協力していくことを希望しています。今後の展開につきましては、ニーズ調査の後に明らかになりますが、生計手段の選択肢には、情報技術に関連するトレーニング、ビジネスデザインやその運用、地域の産業に訓練された労働者の提供、教育アカデミーの経営や関連する備品の準備も含みます。

9月 30, 2019 女性自立支援 |

2014年12月25日 (木)

アフガニスタンの女子教育

 アフガニスタンで女性が生きていくのは簡単なことではありません。しかし女性は大きな可能性とエネルギーを持っているので、希望もまたあります。

 長い間戦争で苦しんできた我が国では、何十年もの間教育の機会が奪われ、とりわけ女子が教育を受ける機会は非常に少ない状況でした。

 過去13年間、アフガニスタン政府は教育に力を入れ、さまざまな政策を実施してきました。しかし治安問題等のせいで、目標を達成することができていないのが現状です。教育分野で進歩があったのは確かですが、アフガニスタンの女子教育の改善はまだ目標のレベルには達していないのです。

 アフガニスタン女子教育の発展の妨げとなっている問題は、治安、校舎や設備、暴力、女性教師や教科書の不足、文化、遠距離通学、教材や設備の整った実験室の不足等々、多岐にわたります。

 政府によると、就学年齢の子どもたちの約20%が学校に行っておらず、そのほとんどが女子とのことです。

 しかしながら、私たちは新政府の政策に期待しています。新しい政府は、アフガニスタンの識字率を上げるという構想を掲げており、特に女子教育に重点的に取り組もうとしているからです。

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12月 25, 2014 教育支援女性自立支援 |

2007年3月29日 (木)

新しい支援のかたち

アフガニスタンで暮らし、そこに生きる人びとの現実の見つめながら思うこと。

支援活動を通じて、人びとに価値や意識を生み出すのが私たちNGOの役割だとすれば、これまでの救済を主眼とした支援活動の役割は縮小の傾向にあります。

これからは、人びとが寄り添って生きるうえで不可欠な“互いの信頼”や、生きることそのものに対する不安を解決する“自らの力への信頼”など、コミュニティビルディングをとおした自助自立の支援が必要となるのではないでしょうか。

長年にわたり争いの繰り返されてきたアフガニスタンで、人びとが支え合い、信じて生きてゆける新しい世界を、一日も早く感じることが出来るよう、これからも活動を続けます。

3月 29, 2007 女性自立支援文化、生活、習慣水衛生環境改善 |

2007年2月 8日 (木)

9ヶ月、週6日、毎日2時間

Workshop1_2  去る11月、9ヶ月間行われてきた識字コースが終了しました。修了式では識字局の職員が見守る中、147名の生徒が修了証書を受け取りました。

 2006年2月よりカブール第3地区で実施した識字事業は、2007年1月末に終了。

コース修了後に行った意識調査によると、受講期間中にほぼ全員の参加者が識字の必要性を認識し、自分の家族に字を教えたと言います。また、「9ヶ月、週6日、毎日2時間」のコースに通い続けた生徒には、次のような変化が見られました。

 たとえば、コース開始前には4分の3以上の参加者が数字を読めず、そのために生徒のほとんどが電話を使えませんでした。ところが、今では文字や数字といったツールで容易にコミュニケーションができるようになりました。

 また、文字を使ったワークショップでは、生徒たちが、①身近な生活に欲しいもの、②それを手にいれる方法、③手に入れる上での困難さ、④手に入れるために自分たちにできることを、紙に書きながら話し合いました。生徒たちは、文字を使って自分の気持ちを表現できるようになったと言います。

Consulting_each_other4  長く厳しい冬が続くアフガニスタンでは、3月末に新学期が始まります。JENは事業が終わった後も、公立学校や公の識字教室で学ぶ意欲のある生徒を継続して最後まで見届ける予定です。

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2月 8, 2007 女性自立支援 |

2006年10月26日 (木)

識字コンテスト、優秀賞受賞!

Teacher_and_project_assistant2_1  2006年2月より開始したカブール第3地区での識字事業も、10月に入り残り2ヶ月となりました。

 9月8日に定められた世界識字の日には、カブール市第5地区とJENが支援事業を行う第3地区にて、合同コンテストが識字局主催のもとに行われました。2つの地区から9名ずつ識字を学ぶ生徒が代表して、コンテストに参加しました。

 JENが支援する識字クラスからは3名の生徒が参加。コンテストでは識字力を測るクイズがあり、参加した生徒全員の中から3名の生徒が成績優秀者として賞を受賞しました。その3名は、JENの識字クラスの生徒でした。

 受賞した生徒は、14歳の女子生徒1名と15歳の女子生徒2名です。この3人は、識字教室が終了したら公立学校に編入することを希望しています。

 アフガニスタンの女子生徒の多くは、学校の制服として黒いジャケットとズボン、そして白いスカーフを被ります。受賞した彼女たちに、公立学校で着ることになるだろう制服用の黒い布を配布しました。そして、識字教室と併設している裁縫活動のクラスで、すでに自分の衣服を作ることができるようになった生徒は、配布された布を使って、自分たちの制服を作ります。

 9ヶ月間の識字クラスを卒業して、学校に通うことになる日も間近です。Finaltest3low

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10月 26, 2006 女性自立支援 |

2006年2月16日 (木)

識字教育支援が始まりました!

1  カブールの市内にはいくつもの小高い丘があり、その丘の急斜面にも土壁で作られた家々が密接に立ち並んでいます。

  その斜面に住む人々は井戸水を汲むため、またモスクで祈るため、1日に何往復も急斜面を上り下りしなければなりません。カブール市第3地区のCarte Sakhi(カルテ・サヒ)と呼ばれる地域は、この急斜面の丘の一角にあり、居住者の多くは、ハザラ系アフガニスタンの人々です。戦争中に避難生活を送り、この地区に戻ってきたために、教育の機会を奪われた人が多数います。

2_9  そこでJENは、1月からこの地区で識字教育事業を開始しました。2月13日に行われた開校式には総勢100名以上が参加し、中にははるばる丘の向こうからやって来たという人もいました。2教室に入りきらないほどの参加者から、識字クラスへの高い関心と生活を支える力をつけたいという意欲が感じられます。

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2月 16, 2006 女性自立支援 |

2004年9月23日 (木)

女性自立支援事業の『その後』

021  カブール今年2月に終了した女性自立支援事業。じゅうたん織りの技術を学び、自立のための第一歩を踏み出した彼女たちの、『その後』を、カブールからお伝えします。

 9月13日、JENの行ったじゅうたん織りの職業訓練に参加した女性たちの『その後』を見に、19軒のお宅を訪問してきました。家の門をくぐると、そこには外からは見えない生活の息吹がありました。

 職業訓練を受けた女性が教え、家の女性が総出でじゅうたんを織っていました。皆、じゅうたん織りに意欲的で、中には自ら機械をもう1台工面して2枚並行して織っている人々もいました。じゅうたん織りがJENの訓練を受けた人だけでなく、家族・親戚を含む沢山の人々に広がっていることが確認でき、感動を胸に各家庭を去りました。

 また、家事・育児をしながらの作業は大変ですが、家族に囲まれて仕事をしている彼女たちを、少しうらやましくも感じました。女性たちの頑張りを、これからも支援していきたいと思います。

 生活を支える収入を得るための技術だけでなく、彼女たちが希望を得て活き活きと生活している光景が目に浮かびますね。こうして、事業に参加した人々の将来が、アフガニスタンの将来にもつながっていくよう、これからも、応援よろしくお願いします!

9月 23, 2004 女性自立支援 | | コメント (0)

2004年5月13日 (木)

カーペットセンターの女性からのメッセージ

 昨年8月からカブールのカーペットセンターで実施してきた女性自立支援事業の参加者女性から届いた、喜びの声と日本の皆さんへのメッセージをご紹介します。彼女たちは、でじゅうたん織りの職業訓練と識字教育、マネジメント研修を終了し、4月下旬にはその成果の集大成としてバザールも開催しました。

 10代の女の子から家族を抱えたお母さんまで、じゅうたんセンターではたくさんの、熱意にあふれた女性たちが今日もがんばっています。技術を身につけ、読み書きもできるようになった彼女たちが、さらに明るい未来を歩んでいけるよう、これからも応援してください!   
 
014  
じゅうたん織りの学習者 アルゾさん(17歳)
 『この事業のおかげで、今はほとんど指導者がいなくても絨毯を織れるようになりました。またこの6ヶ月間で、私は字の読み書きができるようになりました。半年前に初めて識字クラスに参加した時は、私は何もわからなかったのです。これも全て日本の皆様のご支援のおかげです。』

025   じゅうたん織りの指導者 ラジアさん(15歳)
 『私はこの事業でじゅうたん織りの技術者を育てるだけではなく、そうする事によって収入を得ることもできました。また、私は技術を持ってはいても字の読み書きはできませんでした。しかしこの事業では、技術者の私にも識字教育の機会が与えられて、勉強する事ができました。
この日本の皆様のご支援を、本当にありがたいと思っています。』
 

032  マネジメント研修を受けた女性リーダー          ライラさん(25歳)
 『JEN、そして日本の皆さま、アフガニスタン女性の自立のためのご協力どうもありがとうございます。アフガニスタンの女性は他の国の女性たちと同様たくさんの才能をもっているのですが、私たちには今までそれを試す機会がありませんでした。しかしJENと日本の皆さまのおかげで、私たちもできるということを世界に証明することができたと思っています。この研修に参加できて、ビジネスやマネジメントについて勉強することができました。私たちが学んだ知識や技術は本当に役立つことばかりで、これからじゅうたんセンターや女性のために貢献することができます。』

5月 13, 2004 女性自立支援 | | コメント (0)

2004年4月28日 (水)

カーペットセンターでバザール開催!

2  2003年8月よりJENは現地NGOと協力し、社会的に弱い立場に置かれている女性を対象とした女性のための自立支援事業をカブールのカーペットセンターで実施してきましたが、受益者女性たちの成果の集大成として、4月24~30日までの一週間、この事業で制作された絨毯のバザールをこのカーペットセンターで開催しています。

 バザールでは事業のデモンストレーションとして、識字クラスや絨毯ができるまでの過程(糸つむぎ、色染めからシェイビングマシーンとシェイキングマシーンの使用)を披露し、絨毯のデザイン用紙や今まで織られた110枚のカーペットの展示会と販売を行っています。このバザールは当事業でマネージメントやビジネス・スキルを学んだ15名の女性リーダーが企画・準備をしたものです。

 初日には日本大使館から駒野大使と宮原公使がご来場くださり、事業の成果を視察され、ご満足いただけたご様子でした。また、バザールにご来場くださったアフガニスタン商業省副大臣の方がセンターの代表と共に、英国BBC放送から取材を受け、JENスタッフもNHKや雑誌「フォーチュン」の取材を受けるなど、メディアからの注目も集めており、バザールは大盛況です。

 JEN事業としての絨毯織りはこれで終了となりますが、この事業で得た技術と経験を活かしてアフガニスタンの女性たちが前向きに自立して行く姿が目に見えるようです。皆さん、これからも彼女たちを応援してください。

4月 28, 2004 女性自立支援 | | コメント (0)

2003年10月16日 (木)

オープニング・セレモニー開催

 現地の伝統産業である絨毯織りの職業訓練と識字教育で、アフガニスタン女性の自立を支援する事業の開始にともない、去る10月7日(火)、この事業が行われるカブール市・第6区のカライ・シャザダ地区にある絨毯センターでオープニング・セレモニーが行われました。このセンターは現地NGO、Community of Afghan Women Handicraft(以下CAWH)と協力して実施されます。

 セレモニーには、JENカブール事務所長の青島あすかのほか、宮原信孝駐アフガニスタン公使や、女性省副大臣などアフガニスタン政府要人、カライ・シャザダ地区の代表者、CAWH代表、国際機関関係者、各報道機関、地域住民など約500人が出席しました。

02  アフガン絨毯が敷かれ、数多くのソファーと椅子が用意された会場のカラフルで大きなテントの壁には、日本の国旗、JENのサイン、日本からのメッセージ(今年6月の『世界難民の日』のイベントで来場者の方々から集められたもの)が飾られ、さらに『JEN』と『From the People of Japan』のステッカーが貼られた各資機材(シェイキング・マシーンなど)や絨毯織り機も置かれました。

 センターの女性代表によるコーランの朗読で幕を開けたセレモニーは、民族衣装を着た地域の少女たちによるアフガニスタンの国家の斉唱、続いて日本大使館の宮原公使を始め、6名がスピーチを行い、日本政府の支援、当事業の説明、女性の社会的役割、アフガニスタンに対する期待などについて話されました。その後、シェイキング・マシーンの前でのリボンカットと、『From the People of Japan』のメッセージの入ったケーキカットへと続き、絨毯織り、シェイビング、シェイキングなどのデモンストレーションも交えたセンター内のツアーも行われました。この日は、メディアの関係者も多く来場され、このニュースは10月8日の共同通信のウェブ・ニュースでも配信されました。

10月 16, 2003 女性自立支援 | | コメント (0)

2003年8月25日 (月)

アフガニスタンの女性を応援します!

04s  JENが予てより準備を行ってきた、アフガン女性のための自立支援事業が、日本政府のサポートを受けて、この8月18日にスタートしました。

 長年に渡った戦争、旱魃被害、タリバン政権下での女学校閉鎖、女性の就労禁止など、公共の場から退かざるを得なかった女性たちは、長期に渡って、社会・政治・経済的に犠牲となってきました。タリバン政権崩壊後の暫定政権樹立以降、女性に対して強いられていた社会・政治・経済的制限はなくなりましたが、今まで教育や技術を受ける機会を奪われてきた女性たちにとって、社会復帰は極めて難かしい状況です。

 こうした中、JENは特に社会的に弱い立場に置かれている女性たちが、教育と技術訓練を受ける機会を得て、安定した収入を確保し、自助自立の道を築くことができるための支援を実施することにしました。具体的には、世界的にも有名なアフガニスタンの伝統工芸である手織り絨毯の制作技術を身に付けるための職業訓練と識字教育を行うことによって、アフガン女性たちの自助自立をサポートします。

 事業対象地域のカブール州第6地区(人口約54万人)は、カブール市の南西部に位置し、紛争によって最も破壊を受けた場所の1つで、もともとアフガニスタンの少数民族であるハザラ人が多く住んでいた地域です。2002年初期頃から、近隣諸国に避難していたこうした人々がこの地区に戻って来ていますが、戦争の後遺症の残るこの地域では、住む場所も職もなく、生活に困窮している状況です。02s

 帰還民、未亡人、女性家長、老人、身体障害者など、社会的に弱い立場に置かれており、絨毯織りの職業訓練と識字教育を希望している女性、絨毯織りの指導者で、識字教育を希望している女性を対象にします。
 
この事業は、「Community of Afghan Women Handicraft(CAWH)」という、アフガン女性のための手工芸技術訓練所を運営する現地NGOと協力して実施されます。
 カリキュラムは、週6日、1日8時間の絨毯織りの職業訓練と、1時間の識字教育です。また、職業訓練を受けるためには、この識字教育を受ける事が必要とされ、参加が義務付けられています。

 今後、この技術訓練所に通う女性たちが、絨毯制作、資金調達、販売などの情報交換、相談、助け合いや問題解決ができるよう、その機会と場をつくる「女性サポートグループ」を設立し、グループ運営方法のワークショップを行うことを通して、将来的に彼女たちが独自でこのグループや職業訓練・識字教育を運営し、活動を指揮できるような女性リーダーを育成することを目的としています。

8月 25, 2003 女性自立支援 | | コメント (0)