2017年7月 7日 (金)

10歳の少女、カティラの願い

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 JENは、パルワン県チャリカ地区で、学校修復や水と衛生環境の整備を通した教育支援を行っています。そのうちのひとつ、女子学校の3年生のクラスで学ぶ10歳のカティラ(写真上)は、2015年、家族とともに避難先だったイランから9年ぶりに故郷に戻りました。イランでは学校に通えず、父親から勉強を教えてもらっていました。
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 「学校に通いはじめるまで、私の生活は家で家事を手伝うことが中心でした。兄弟や両親から『新しい学校ができるんだよ』と言われても、何が楽しいのか、想像がつきませんでした。ところが学校生活は、まるで新しい世界との出会いです。将来の夢や、たくさんの希望ができました。今では、このあたりでいちばんきれいな私の学校が自慢です。先生は、私たちに災害や防災、健康についてを教えてくれます」。
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(写真:一生懸命勉強するカティラ)
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(写真:先生が言ったことを暗唱するカティラ。彼女は学級委員に選ばれました)
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 「昨日の夕方、お母さんから『日なたの水を使ってもいいかしら?』と聞かれた私は、『ふたをしていた水であれば、安全です』と答えました。
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 JENが修復している校舎には、教室が6部屋できると聞いています。もっとたくさんの教室があれば、もっと多くの児童が学べると思います。新しい校舎が完成したら、きれいな花をたくさん植えたいです。わたしがそうだったように、世界中のたくさんの子どもたちが学校に通えるようになりますように」。
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(写真:JENが建てている校舎の前で。カティラは週に1~2回、ここに来て、校舎の完成を楽しみにしています)

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7月 7, 2017 学校修復・建設教育支援文化、生活、習慣衛生教育防災教育 |

2017年6月 1日 (木)

アボ バカール セディク男子校での植林活動

ナシール・アフマッドさんはアボ バカール セディク男子校の教師です。


「学校に木を植えることの重要性について聞いたとき、これはひいては私たちの惑星を守ることにもつながるのではないかと感じました。木は土壌から有害化学物質を取り除くだけでなく、地球温暖化をもたらす炭酸ガスを減らします。植樹は環境改善に役立つことでしょう。」
と彼は言います。


木は光合成により二酸化炭素を吸収し、酸素を供給することに加え、水の汚染を抑えます。環境と景観の向上のため、学校は木の苗を購入することにしました。このような変化をもたらすにはこれまで木が少なすぎたのでした。


「車や工場の排ガスをはじめ人間のあらゆる活動が環境を汚染しています。植林によって地球温暖化を防ぎましょう。環境問題への小さな貢献として、学校の敷地に木を植えました。成長するまで水やりをしなければいけません。しばらくすれば学校の景観を変えてくれるでしょう。学校のみならず、教師が家でも植樹することを望んでいます。」
とナシール先生は付け加えました。

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【アボ バカール セディック男子校にて、新たに植えた木とナシール先生】

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6月 1, 2017 学校修復・建設 |

2017年4月13日 (木)

「生徒たちの将来がとにかく楽しみ!」:ホフヤン・シャリフ女子学校校長のインタビュー

ホフヤン・シャリフ女子学校クジャ・アガー校長へのインタビューです。
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【クジャ・アガー校長(右)】

ホフヤン・シャリフ女子学校は、JENが支援をはじめるまで校舎がありませんでした。当初、生徒たちは借家で勉強をしていましたが、生徒の増加と共に教室数・水・トイレの不足、不衛生な環境などの問題が顕著になってきました。そのため、徐々に生徒たちは登校して来なくなり、学校にはもう行きたくないと家族に言うようにまでなりました。

この問題に加えて、女子高校は村の中心部から遠かったため、どうすれば女子が学業を続けることができるか、村で会合を開きました。そして、男子校の校舎と女子校が使用している借家を入れ替える提案によって、男子生徒は村から少し距離のある借家へ、女子生徒は村の中心にある校舎へ通学することになりました。

さかのぼること3年、2014年にJENの職員が事前調査のために村を訪問した時、男・女両校共に土地がない状態でした。教育環境を整えるために、村では一丸となって新しい土地を探しました。やがて、無償で学校用に使用できる場所をみつけました。さらに幸運なことに、JENの職員が村を再度訪問することになったのです。その時、資金不足の教育局の代わりに校舎とトイレ・水飲み場を建設することを提案してくれました。

2年後の2016年から、JENによる教室6部屋、トイレ6基、井戸、貯水槽、外周壁の建設と衛生教育、防災・減災教育がはじまりました。私たちはJENのサポートが決まったので、一部屋ではなく5つの教室が増設さることになったことを、とても感謝しています。

日本の皆様のおかげで、トイレや給水施設もできました。今、生徒たちは外周壁に囲まれた安全な学校で、清潔な水を使っています。教室では衛生や防災・減災について学んでいます。生徒たちの未来を想像すると、期待が膨らむばかりです。

このような日本とアフガニスタンの友好の歴史がいつまでも続きますように。

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【5つの教室の増設は着々と進んでいます】

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4月 13, 2017 学校修復・建設 |

2016年7月28日 (木)

整備支援中の学校の生徒、ムーサルさんの声

 私はホフヤン・シャリフ女子高校の6年生、12歳です。

 入学したとき、学校は3つの部屋と6つのテントを借りている状態で、賃貸料は地元の人々が支払ってくれていました。私たちの教室となっている場所は椅子も机もないテントで、プラスチックのマットに座って授業を受けていました。

 この学校に1つしかないトイレは衛生的でなく、水はドラム缶に貯められていました。これではトイレの後、十分に手を洗うことができません。そのため、両親は私に学校をやめ、自宅で勉強するように言いました。でも、私は友だちと一緒に勉強をしたいと思っていました。

 問題を解決するため、学校側は教育局に学校を建設するよう提案しました。しかし、教育局は少しよい場所を新たに借りただけで、相変わらずトイレは1つしかなく、手洗いなどのための水も不十分なままでした。

 今もこの学校で勉強していますが、ありがたいことに、2015年にJENがここに調査に来てくださり、トイレや水の問題が改善されるのではないかと喜びました。

 毎日、登校するたびに新しい学校の建設地を見て嬉しくなり、いつか新しい美しい校舎で勉強できることを夢見ています。私だけではなく、友だちも地域の人々もみんなが、子どもたちの未来に希望を持つことができ、嬉しく感じています。

【インタビューを受けるムーサルさん】
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【教室にいるムーサルさん】
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 インタビューの最後に、彼女は笑って「新しい教室、井戸、トイレ、手洗い場と外壁がもうすぐできるんです」と言っていました。また、学校に通うことができない子どもたちが、これを機に通うようになることも望んでいるそうです。学校施設を建設してくれて、本当に感謝している、ということでした。

JEN アフガニスタン
シニア・エンジニア
ナジブッラー・カリルザイ

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7月 28, 2016 学校修復・建設 |

2016年7月14日 (木)

カラチャ・ソクタ村の女子高校建設

 カラチャ・ソクタ村はチャリカ地区にあります。

 2015年にJENがニーズ調査と2016年の水衛生事業に向けた技術調査を行った際、この村にあるカラチャ女子高校の校長ベビ・アメナさんという方から話を聞き、さまざまな問題が明らかになりました。

 女子生徒たちは男子高校の施設を借りており、教室が足りないため、6クラスの生徒が古いテントやベランダ、木の陰で勉強していました。また、境界壁や衛生的なトイレがない、飲み水が安全でない、といった問題もありました。

 私が彼女に、この分野で地域の人々とどのように連携できるかと尋ねたところ、「もしJENが女子生徒のために学校を建設してくれるなら、建設のための土地を提供します」と答えてくれました。

 学校の建設が決まり、私が建設地のレイアウトのために現地に行くと、彼女は急いで私の方へ来て、歓迎してくれました。学校を建設することを伝えると、彼女は「皆の夢が叶った」ととても喜び、「私と学校管理委員会、それに村の人々は、太陽や汚水、風、雨、汚染などから教師や生徒を守るため、最大限協力します」と言ってくれました。

 建設開始のセレモニーのとき、ベビ・アメナさんは学校管理委員会の人々、生徒たちとともに礎石を置きました。「新しい建物のおかげで、来年はもっと多くの生徒を受け入れることができる」と話しました。

 建設が始まると、彼女は毎日様子を見に来ました。「この地域の生徒たちのために活動してくれてありがとう」と何度も何度も感謝してくれました。

【カラチャ女子高校の生徒は木やテントのもとで勉強していました】
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【 学校を建設する場所の視察をするベビ・アメナさん】
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【 ベビ・アメナさん(左)が他の教師と一緒に礎石を置いている様子】
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【女子高校の生徒と学校管理委員会のメンバーによる礎石の設置】
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7月 14, 2016 学校修復・建設 |

2016年3月24日 (木)

事業実施で心がけたこと

 JENは、パルワン県のチャリカ地区とシンワリ地区で事業を行いました。活動を実施しながら学ぶことも多く、スタッフにとってもよい経験となりました。

 最初は、教育局や財務局といった行政当局と連携して学校施設の整備についてのニーズ調査を行いました。そして行政当局から事業の許可を得た後、現地に出かけ、学校やコミュニティのリーダーたちと長時間協議しました。協議では事業の目的などについて伝えました。

 事業を開始してからは、モニタリングや関係者との協議などを行いながら進めていきました。
 事業地には反政府組織が活動している場所が含まれますので、関係者との協力はこの点でも不可欠でした。また、事業実施中は建設の進捗などの情報共有を心がけました。
 事業終了後は現地の人たちが自分たちで活動を続けていくことが大切です。学校責任者やコミュニティ、教育局と話し合い、学校運営委員会を作りました。

 このような活動に対して、事業に参加した人から感謝の言葉を聞くことができました。特に建設した施設に満足している、とのことでした。
 苦労もいろいろありましたが、役に立てたものとうれしく思っています。

【学校運営委員会と教育局代表者との活動内容共有のための協議(シンワリ地区)】
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【学校建設の現場】
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【完成間近の学校】
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【完成したチャリカ地区の学校】
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 JENアフガニスタン事務所
 チーフエンジニア シル・アリ




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3月 24, 2016 学校修復・建設 |

2016年3月10日 (木)

2015年 JENの活動を振り返って

 JENは以前からアフガニスタンの支援を続けており、現在はパルワン県にて活動しています。

 パルワン県の2地区において水衛生施設と学校施設を3校で建設、これにより2,354人の生徒と72人の教師が、設置された施設を利用することができるようになりました。

 このほか、生徒たちの衛生習慣を改善することを目的に、チャリカ地区の20校に在籍する31,952人の生徒、1,046人の教師、118人のムッラーと呼ばれる地域の指導者を対象に、衛生に関する授業や衛生教育研修を行いました。ムッラーを通じて、礼拝のためにモスクを訪れる人々に衛生知識が普及していくことが期待されています。

 また、衛生知識の自発的な普及を目的に、21校において学校管理委員会を設立し、研修を行いました。同時に、低学年の子どもたちを中心に、モバイルシネマという映像を用いて、より分かりやすく効果的な衛生教育活動を行いました。

【生徒がモバイルシネマを見た後、質問に答えている様子】
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 衛生支援のほか、ゆめポッケ事業を通じて、文房具やおもちゃなどをアフガニスタンの子どもたちに配布しました。今年度はチャリカ地区の17校中5,090人に配布を行いました。これを通じて、生徒の学習意欲を刺激し、教育の質を向上させることが期待されています。

【ゆめポッケを受け取った生徒たち】
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 ほかに、昨年起きた大地震の被災者への越冬物資の配布も行いました。厳しい冬を乗り越えるため、バダフシャン県キシュム地区にて625被災世帯に、バグラーン県にて235被災世帯に、物資を配布しました。

【配布された越冬物資】
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【物資配布後の避難民への聞き取り調査の様子】
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3月 10, 2016 学校修復・建設支援物資配布衛生教育 |

2015年10月22日 (木)

教育改革の必要性

 アフガニスタンの教育は、質が高く経験を積んだ教員が不足していることの影響を多大に受けてきました。

 多くの教員は初等教育しか受けておらず、担当教科の知識が不十分で、現代に見合った方法での教育を行っていません。これはアフガニスタンが何年もの間戦乱に見舞われ続けていることが原因となっています。

 教育は国を造る基盤であり、明るい未来への道筋となります。教育なしではどんな国も発展することはできません。そのような中、JENはこの5年間でアフガニスタンの生徒の教育レベルを向上させるために、多くの活動を行ってきました。

 そして、JENは2016年度の支援活動に向けて、パルワン県のチャリカ地区とシンワリ地区でニーズ調査を行いました。チャリカ地区63校、シンワリ地区43校の合計106校を訪問して調査を行った結果わかったのは、質の高い教員がいないことに加え、水衛生設備が不足しており、校舎の状態も悪く、学校の外周壁もなく、何よりも安全な飲料水がないということでした。

 アフガニスタンの生徒たちが、良質な教育を受けられる基本的な権利を持ち、生活水準を向上させ、経済的な課題を解決できるようになることが必要です。JENはできる限りこれらの学校の設備を改善し、教員たちに経験を積んでもらうよう活動しています。社会の各分野からの貢献が、今後のアフガニスタンの教育改革を実現するために協力し合うことが求められているのです。

【チャリカ地区の学校】
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【シンワリ地区の学校】
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 経理アシスタント
 サマール


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10月 22, 2015 学校修復・建設教育支援 |

2015年10月 8日 (木)

アフガニスタンの教育と環境改善

 今回はアフガニスタンの教育を取り巻く環境についてお伝えしようと思います。

 アフガニスタンでは、15歳以上の人の識字率が、男子は45.4%で、女子は17.0%と報告されています※。日本では男女ともにほぼ100%に近いので、とても大きな差があるのがわかります。

 そして、教育に関わる学校設備のほうも十分な状況とは言えません。約半数の学校は校舎がなく、野外で授業を行っています。70%の学校は外周壁がなく、30%の学校は飲料に適した水がなく、60%の学校はトイレなどの衛生施設がありません※。

 そのような状況が、子どもたちが学校に通うことの妨げになり、就学率の低下につながります。そして、先ほど述べたような、識字率低下の原因になっています。

 そうしたアフガニスタンで、JENは支援者の皆さまおよび特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームの協力により、今年の3月から3つの学校の学校環境整備事業を行ってきました。そして9月に、2校の教室、トイレ、校舎外周壁、給水施設の建設工事がやっと完了しました! 子どもたちが安心、安全に授業が受けられる環境へ一歩前進することができたのです。

【教室】
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【トイレ】
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【給水施設】
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【校舎の外周癖】
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 このような私たちの活動が進むとともに、アフガニスタンの子どもたちが安心して学校に通い、教育にふれる機会ができるだけ多くなるよう願うばかりです。

 ※ Afghanistan National Education for All Review Report, 2015


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10月 8, 2015 学校修復・建設 |

2014年4月 3日 (木)

女子教育の大切さ

 教育は、性別にかかわらずとても重要なことですが、アフガニスタンでは特に女子教育の促進がとても困難な課題となっています。

 この国では、文化の壁が女子の教育の発展を制限してしまっています。たとえば、親が自分の娘が男の子と同じクラスに通うことを拒んだり、家族から若年での結婚を促されたり、ときには、女子がこころない暴力の対象となってしまうこともあります。また、貧困や校舎・施設の不足、治安の悪化による学校への襲撃や女性教師の不足なども、女子教育を阻む要因となっています。

 女子がもっと安心、安全に学校に通えるようになるためには、「学校へ行ってよかった」と思えるひと工夫が必要です。たとえば、安全な教育環境を整えると、入学者数を増やすことにつながります。

 女子教育には、次世代の教育レベルの向上、乳幼児死亡率の低下や児童婚の減少、コミュニティの活性化など、いくつもの社会への良いインパクトがあります。そこで、JENでは常に女子教育の優先度を高くし、意識しながら支援活動を行っています。

 今までJENは、パルワン県でいくつもの学校施設の建設と修復を実施しました。去年は5つの女子校を含め、全14校を建設しました。そのうちハズラット・ゼイナブ女子校では、女子生徒たちのより安全な環境とプライバシーを確保するため、外周壁を建てました。

【境界壁が建てられた学校】
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 今年はスルヒ・パルサとシーハリ地区の3つの女子校を含む全5校で建設を行う予定です。また、アフガニスタンの教育環境をより良くするために、JENでは学校の建設・修復以外に生徒たちの衛生知識・習慣を改善するための活動も実施しています。このプログラムは女子生徒に限定したものではありませんが、多くの女子校を対象としており、女子教育の環境改善に役立つことを願っています。

【6つの新しい教室が建築された学校】
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【石鹸を使った手洗いの方法を習う女子生徒たち】
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※この活動は、支援者の皆さまおよび、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームの協力により実施しています。

ジェン・イスラマバード事務所
シニア・プログラム・アシスタント
ハニフ・カーン

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4月 3, 2014 学校修復・建設教育支援文化、生活、習慣 |

2014年2月 6日 (木)

学校施設整備事業が無事完了しました

 2013年にジェンがパルワン県スルヒ・パルサ地区、ゴルバンド地区で実施した、JPF助成による学校衛生環境整備及び衛生教育事業は、同年12月に無事完了しました。この事業からジェン職員は多くの経験と学びを得ました。以下にその一端をご紹介します。
まず事業形成段階では、パルワン県教育局や行政関係者との会議を行い、その後、コミュニティのニーズを把握するために住民への調査を実施し、事業案を作成しました。

 事業開始後、ジェンのエンジニアとフィールド・オフィサーは教育局と打ち合わせを行い、各学校の建設事業地へ視察に行き、各学校関係者・コミュニティリーダーと長時間にわたる会議を行いました。会議では、コミュニティが事業へ参加・連帯するよう促し、ジェンの方針・使命、事業内容・目的を説明し、ジェンが契約する建設会社の紹介や、建設工事工程や研修の詳細な打ち合わせを行いました。この会議をもって、学校の校長先生、教員やコミュニティリーダーは学校管理委員会のメンバーとなり、事業の覚書を結びました。

【ゴルバンド地区Kana Khil中学校の学校運営委員会・教育局職員】 
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【工事前の学校管理委員会メンバーとの話し合い】
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 事業実施中、ジェンエンジニアチームは毎日学校の建設工事現場へ監督に行き、毎週建設会社と工事進捗会議を開き、進捗、工事の質の確認、教育省基準の適合、問題解決、治安状況対策について討議し、密な調整を行いました。

 事業地周辺では、反政府軍と政府軍の衝突が起こり、不安定な治安状況が続いていました。安全確保のためのコミュニティや教育局、各関係行政との強い連帯関係があったからこそ、事業を無事に進めて行くことが可能となりました。

 予定していた通りに活動が進まないことも多々ありましたが、職員一人一人が責任を持ち、計画通りに進めていくよう全力で取り組みました。また、常に事業の透明性を保つよう心掛け、コミュニティや学校の関係者から、ジェンの建設工事事業の質の高さに対して一定の評価をいただきました。

 ジェン・アフガニスタンプログラムは、アフガニスタン現場チーム(エンジニアチーム、衛生教育チーム、庶務・会計チーム、治安対策チーム)、イスラマバード遠隔管理チーム、東京本部チームが一つの大きなチームとなって活動しています。支援を必要としている人々が将来に希望を持てるよう、チーム全員が一体となって協力・サポートし合い活動を進めました。

 治安状況が不安定な地域において、学校施設整備事業を成功裡に終えることができたのは、ここに記したように、ジェン内外において事業にかかわる機関やスタッフとの連携、協力があったからこそです。関係機関およびスタッフの協力に感謝します。

【学校建設が完了したKana Khil中学校】
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JENアフガニスタン・チャリカ事務所 チーフエンジニア
シル・アリ


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2月 6, 2014 学校修復・建設衛生教育 |

2014年1月23日 (木)

支援活動の持続可能性

 人道支援において「持続可能性」とは、何かが維持されること、または維持すること自体が継続されること、として定義することができると思います。
 
 ジェンは支援活動を行うにあたり、その持続可能性に特に気をつけています。支援プロジェクトを立案するとき、ジェンは主に二つの点に着目し、持続可能性を検討します。

 一つ目は、ジェンが引き上げたあとも活動が続いていくかどうか。このためには、支援対象となったコミュニティが責任を持って活動を続けていく必要があります。二つ目は、その持続可能な活動が、天然資源に悪影響を及ぼすようなことがないかどうか、という点です。

 理想的な「持続可能な活動」の例として、現在ジェンが行っているプロジェクトでは、学校における学校管理委員会(SMC)の形成が挙げられます。
ジェンのスタッフは、まず対象地域のコミュニティで、学校環境を改善するためにどのような支援を行うのがよいか、ということについて考えてもらいます。また、彼らが支援活動において主体的にかかわっていくことが大事であるということを伝えます。コミュニティは、長期的に活動を率先し責任をもって継続していかなければならないのです。

 これまでのジェンの支援実施後、現在のところすべての学校管理委員会が適切な管理機能(資金調達や管理など)を維持しているのは、非常に心強いことです。それに加え、ジェンが形成をサポートした学校委員会は、定期的にミーティングも開いています。
モニタリングに訪れたジェンの現地スタッフによると、昨年プロジェクトを実施した学校に設置された学校管理委員会は、今でも学校の環境改善において重要な役割を果たしているとのことでした。すべての委員会が、それぞれの学校において、将来的にも環境改善活動を行っていくことを約束してくれているのです。

 例えば、ジェンが2012年に教室、トイレ、貯水槽を設置したバグラム地区のカライ・ナスロ高校では、ジェンの活動終了後、学校管理委員会が自らの努力で外周壁を建設しました。彼らはまた、学校を通って村の農地へ水を送るため、コンクリートの水路も設置しました。さらに、同行では学校環境を美しくするため、学校に花や木を植えたという報告も受けています。学校管理委員会はこれらを実施するため、コミュニティ全体に寄付を呼びかけました。寄付を出せない貧しい人々は作業で貢献しました。
 これらの活動は、学校管理委員会やコミュニティの自信となり、彼らは今後もジェンによって始められた環境改善のための活動を維持していくと話してくれています。
 
 また、パルワン県教育局も、これらの活動には非常に精力的です。学校管理委員会が長期にわたり活動を維持していくことができたら、それは教育局を経済的に支えるだけでなく、県全体の教育の質向上にもつながっていくのです。

【学校管理委員会の建設した外周壁】
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【コンクリートの水路】
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イスラマバード・ジェン事務所 
シニア・プログラム・アシスタント
ハニフ・カーン

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1月 23, 2014 学校修復・建設水衛生環境改善 |

2013年9月12日 (木)

エワズ先生の喜び

 昨年、JENはパルワン県のスルヒ・パルサ地区にあるピロキ村で、2013年の支援活動に向けてのニーズ調査と技術調査を実施しました。
 

 私が調査チームの一員としてある学校を訪問した時、沢山の問題があることに気がつきました。そこで働くムハマッド・エワズ先生と話をする機会がありました。

 エワズ先生は生徒、教員、そして学校の問題について説明をしてくれました。教員として自分が向かいあっている状況を詳しく語ってくれました。

 私はエワズ先生に、もしこの村に支援機関が来て、学校の問題を解決するためのサポートをすることになったら、先生とこの村の人たちはどのようにその活動に協力し、貢献できるかを尋ねました。エワズ先生は満面の笑みを浮かべ、自分も村人も、学校施設の建設作業にも協力できるし、学校の他の問題の解決にも全力でサポートをすると答えました。
 
 

 そして今年、支援者の皆さまとジャパン・プラットフォームのご支援により、この学校を支援することになり、私は建築作業のため同校を訪れました。エワズ先生との再会です。彼は私を抱き締め、子ども達の教育と未来のために実施されているJENの学校建設に関しての喜びを語ってくれました。

「またお会いしたいと願っていました。JENの支援は、まさに自分の夢が叶ったようです。私と村の人たちは今とても幸せです」

【先生とともに設計のプランを立てました】
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【建設中の学校】
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 先週、事業のおよそ88%が完了した地点で、またエワズ先生に会う機会がありました。彼は再びJENのスタッフを快く迎え入れてくれました。そして、少し待っていてくれと言ってその場から立ち去りました。少し経って、エワズ先生は妻が用意してくれたミルク、ヨーグルト、バター、サラダとパンの食事を持って戻ってきました。これはアフガニスタンで感謝や喜びを表すための伝統的な習慣です。
 
 

 私たちJENの現地スタッフは、地元の人々が日本からの支援を届けるJENを好意的に受け入れてくれることを、誇りに感じています。それは、JENのスタッフとして、とても嬉しいことです。

ジェン スルヒ・パルサ事務所 チーフエンジニア シル・アリ



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9月 12, 2013 学校修復・建設 |

2013年8月15日 (木)

教育環境改善におけるコミュニティの役割とは

 教育の水準や質の改善には、コミュニティが深くかかわっており、中心的な役割を果たします。ジェンはその役割の重要性を理解し、アフガニスタンにおいて持続可能な教育システムを構築する過程で、コミュニティの参加を促し、携わってもらうようにしています。

 教育環境整備に貢献しうるコミュニティの働きには、以下のようなものが挙げられると思います。
・学校のための資金集め
・学校施設の整備、修理と改良
・労働力、資材、土地、資金の提供
・学校関係者の士気押し上げ
・学校施設の建設場所やスケジュールについての決定
・学校運営のための学校管理委員会形成
・学校での会議に出席し、子どもたちの学習の進捗や教室での態度について理解すること
・より多くの資源を集め、問題を解決すること
・適切な住まいを用意することで、教員へ安全を提供すること
・教育上の問題につながる要因を特定すること

 ジェンは支援対象となるそれぞれの学校でコミュニティのメンバーを含む学校管理委員会を形成し、そのメンバーへトレーニングを実施しています。その主な目的は、彼らを自身の問題解決や、その意思決定過程に巻き込んでいくためです。

 学校管理委員会は村の年長者、教頭、コミュニティの有力者、コミュニティ開発議会のメンバーやムッラー(イスラム教聖職者)などのメンバーで構成されています。この委員会は、学校給水・衛生施設の修繕のための資金を集める役割も担います。

 アフガニスタンの学校には戦争で破壊されてしまったり、老朽化によってほとんど使用ができない状態の給水・衛生施設が多くあります。これまでジェンがそのような設備を整備し、学校管理委員会の活動を推奨・サポートしてきた学校では、委員会のメンバーが、ジェンによる支援終了後も自分たちで資金を集め、施設の修繕をするようになってきています。

【Dhano女子小学校の学校管理委員会メンバーのミーティング】 
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【学校管理委員会設立のコミュニティミーティング】
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コミュニティが参加することによって、さまざまな形で教育環境に貢献していくことができるのです。

イスラマバード事務所プログラムアシスタント ハニフ・カーン


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8月 15, 2013 学校修復・建設衛生教育 |

2013年8月 1日 (木)

アフガニスタン中部・北部の中間テストや夏休み

 アフガニスタンは山の多い国で、地域によって気候が異なります。国の中部や北部では、通常、学校は3月に始まって11月に終わります。

 3月から8月の終わりにかけては、日に日に温度が上がります。1年生から3年生の低学年の子どもたちにとっては、暑い気候はつらいものです。

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 子どもたちは、上の学年に進級するには難しい試験を受けなければなりません。そして、その試験は気候が厳しい時期に行われるのです。

 今年、その試験はラマダンが始まる頃に行われます。多くの子どもたちは断食をしていますが、試験を受けるために遠くから徒歩やバスで学校に通ってきます。子どもたちにとって、ラマダンの時期の試験はとても厳しく大変なものですが、イスラム教徒にとっては誇らしい時なのです。

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 試験が終わると、15日間の夏休みが始まります。先生たちも夏休みに入ります。夏休み中に、先生たちは答案用紙を全て採点しなければなりません。更に、採点が終わった後、先生たちは一人一人の生徒の成績を付けなければなりません。夏休みが終わると、子どもたちは皆、学校に戻ります。そして先生たちは生徒たちにテストの結果を通知します。

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 紛争によって、多くの学校は傷んだり、完全に破壊されたりしており、学習環境が整っていない学校が現在も多くあります。今もなお、テスト期間中も屋根の無い地べたで勉強している子どもたちもいるのです。

 JEN カブール事務所 総務会計マネージャー 
 アフマド・ファヒム




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8月 1, 2013 学校修復・建設文化、生活、習慣 |

2013年4月11日 (木)

スルヒ・パルサ地区でのミーティング

 先日、ジェンの現地エンジニアチームは、今年の支援対象地域の一つであるスルヒ・パルサ地区を訪問し、同地区の地区長及び教育局担当官と工事内容を共有しました。

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 教育局担当官たちは温かく私たちのチームを迎えてくれ、衛生教育に加えて学校施設の整備の支援を受けられることを大変喜んでいました。彼らは何か協力が必要なときは遠慮なくいつでも教えてほしい、と今回の工事に対して全面的に協力することを約束してくれました。

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 今回の訪問では、事業活動に関する三者協定を、教育局と活動対象校の学校管理委員会と結びました。その際、私たちはジェンのビジョンとミッション、そして目指すゴールについて説明し、長時間にわたり学校管理委員会のメンバーと事業について話し合い、情報共有を行いました。委員会のメンバーは、これまでの学校施設建設に関し多くの問題があったことや、そのような問題をJENの支援によって解決してほしいといったことを私たちに話してくれました。

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また、支援対象校周辺のコミュニティは貧しく収入減も乏しいことから、学校管理委員会のメンバーは、「今回の学校工事において地域住民を労働者として雇用してほしい」と話しました。ジェンは既に工事業者との間で、コミュニティの能力強化と事業への貢献のため、地域住民を雇用することを話し合っていたので、そのことを伝えました。

 ミーティング中ジェンは、コミュニティが学校施設建設用に提供した土地に関しては土地所有権に関する問題があってはならないことや、工事が終了して施設が教育局に引き渡された後の維持管理は学校管理委員会の責任になる、ということを強調しました。管理委員会のメンバーは皆ジェンによる衛生教育と、学校建設支援に関し感謝の言葉を述べ、支援活動に全面的に協力することを約束してくれました。

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ジェン アフガニスタン事務所 エンジニア シル・アリ

※尚、本事業はジャパン・プラットフォームの助成をいただき実施しております。

4月 11, 2013 学校修復・建設衛生教育 |

2012年12月27日 (木)

コミュニティによる学校への貢献活動

 今年4月に開始したアフガニスタンのパルワン県バグラム地区とジャブルサラジ地区の学校23校を対象とした学校施設の整備では、11月中に全81ヶ所の工事が完了しました。

 対象校の一つであるバグラム地区カライ・ナスロ校では、支援実施前は校舎もトイレもありませんでした。その為、子どもたちは近くのモスク(イスラム教礼拝堂)を教室の代わりに使い、トイレや井戸もモスクのものを使用していました。机や椅子も無く、子どもたちは地べたで授業を受けなければいけませんでした。また、同校は生徒数が610人、教員数が10人でモスクの施設だけでは足りず、屋外で授業受ける子どもたちもいました。


【建設開始直後の様子】
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 上述のような状況を受け、ジェンは、カライ・ナスロ校の敷地内に新しい校舎6教室、トイレ4基、そして手洗い場付き貯水タンクを設置しました。各教室には新しい黒板、机、椅子も設置しています。

【完成した施設】

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 建設が完了した後は、同校の学校運営委員会に施設の維持管理を担当してもらいます。この学校運営委員会は、ジェンによる校舎などの建設に加え、委員会自身からも学校環境をより良くする為に行動を起こしてくれました。なんと、地域の人たちに協力を呼びかけ、子どもたちを外部から守る手作りの外周壁、周辺地域と学校を繋ぐ水路、そして色とりどりの花木を自分たちの力で校内に設置したのです。

【村の人たちがつくった外周壁】
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【水路と花木】121227_6

 このような地域コミュニティによる自主的な貢献活動は、コミュニティの人びとの学校や子どもたちを大切にしようという気持ちを強くします。このような活動により、ジェンが支援した施設の継続的な維持管理や、更なる学校環境改善への取り組みなどが期待できそうです。

12月 27, 2012 学校修復・建設 |

2012年8月 9日 (木)

2013年へ向けてのニーズ調査

 JENは6月下旬に、2013年に実施する学校環境整備と衛生教育事業のためのニーズ調査を開始しました。

 対象地域はパルワン県の最も西に位置する2地区、シーハリ地区とスルヒ・パルサ地区です。ジェンの宿舎が所在するチャリカ地区と同2地区の間は、反政府武装勢力が活動する別の2地区に隔てられているため、調査を行う前に最新の治安情勢を分析し、安全対策に配慮しています。

 現在までにシーハリ地区の31校とスルヒ・パルサ地区の39校において、各学校の先生や地域住民、そして保護者を対象にした聞き取り調査を完了しました。同2地区の学校の様子をご紹介します。

「カチャ」と呼ばれるこのような土作りの建物は、アフガニスタンを始め、パキスタンやインドなどの地方で多く見られます。自然災害に非常に弱いため、子どもたちは危険にさらされます。
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 コンクリート製の校舎ですが、教室内が荒れ果てており、机もない状態の学校もありました。
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 教室の数が足りていない、もしくは教室すらない学校も多くあります。そのため子どもたちは屋外で、暑い日差しの中での勉強を強いられます。
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 こちらはある学校のトイレです。この対象地域では、このような衛生的ではないトイレが目立ちました。
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水道や井戸、手洗い場がない学校の子どもたちは、近くの川などの水を手洗いや飲み水として使用しています。
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 今後は本調査結果を踏まえ、ニーズがある学校に対してエンジニアによる技術調査を実施し、学校施設の具体的な整備内容を計画していきます。

8月 9, 2012 学校修復・建設衛生教育 |

2012年4月26日 (木)

フィールドトリップ第一回目

 今回は、フィールドへの移動についてお話しします。

 今年の事業が2月に開始したばかりですが、6月から2013年度事業の事前調査を開始します。
 事業地はジェンのフィールド事務所がある県都チャリカから西へ約85キロ離れた2つの地区です。チャリカとこれらの地区の間には、別の2つの地区が挟まれています。
 この挟まれた2地区では、政府の政策に反対する反政府武装勢力が活動しています。

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(反政府勢力が燃やした車両がそのまま残っていました)

 移動の際は、政府のチェックポイントでジェンの車両がスムーズに通行できるよう事前に政府から紹介を受け、また周辺地域の安全情報を得るために同地区で活動する他団体と連絡をとります。同国では詳細な地図が入手できないため、目的地へ移動する初回は特に警察や政府、他の援助団体との事前連携が大切です。

 3月の初回現地訪問では、6つのチェックポイントを全て無事に通過しました。職員は県知事からの紹介状に加え、ジェンの車両に職員以外の同乗は出来ないと記されたレターを持参しています。日本ではないことですが、同国では様々な人が同乗を依頼してくることがあるため、レターの持参は職員の安全のためにも必要です。
 無事に85キロ先の目的地に到着するまで3時間かかりました。職員はチェックポイントを通過した際、滞在場所の共有、現地出発や主要人物に会う前等の安否報告に携帯電話のショートメッセージを利用しました。

 職員は車の走行距離計を使用して、目的地に着くまでに目印となる市場や橋、チェックポイントまでの距離を書き留め、簡潔な地図を製作し、連絡網も作成しました。来年の事業に向け、今後も訪問を繰り返しながら準備を進めて行きます。

4月 26, 2012 学校修復・建設衛生教育 |

2012年4月12日 (木)

学校施設の工事を開始しました

 現在パルワン県で複数の支援事業を実施中です。

 最も規模の大きな事業は「学校環境整備及び衛生教育事業」です。約一年の事業期間で、学校施設等の建設工事と、以前ご紹介した教員と生徒への衛生教育支援を、並行して実施します。

 4月2日から一斉に学校での建設作業を開始しました。

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 今年の学校施設等の建設工事においては、同県バグラム地区とジャブルサラジ地区(上記地図を参照)の支援ニーズのある23校に対して、水・衛生施設の整備を中心に、校舎や教室などの建設・修復なども実施していきます。上記23校で77の建設・修復工事を実施予定です。

 上記2地区には、普通教育を施す学校として教育省から認可されている学校が78校あります。建設工事は最も支援ニーズが高い23校のみで実施ですが、衛生教育支援は全校が対象です。

 支援事業を実施する際には、教育局と村の地域住民との協力は欠かせないため、個別に協定を結びます。地域住民とは学校単位で、今年は78校で設立した学校運営委員会と協定を結びました。

 更に今年は、建設工事をする23校の地域住民と教育局、ジェンとで三者間協定を締結し、建設作業のより円滑な遂行・管理を目指しています。

4月 12, 2012 学校修復・建設衛生教育 |

2012年3月29日 (木)

教室用テント支援

 ジェンはアフガニスタンで、前回ご紹介した学校での衛生教育・学校環境整備事業以外にも支援活動を実施しています。そのうちの一つが、教室用テントの支援です。

 学校環境整備事業では、水・衛生施設を中心に建設・修復を行いますが、必要に応じて校舎や教室の建設・修復も実施しています。校舎・教室の修復を行う学校の子どもたちは、修復期間中は戸外で勉強することになります。そこでジェンは、外部の影響からこれらの子どもたちを守るために教室用テントの調達・貸し出し支援の実施を決定しました。

①教室用テント

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 こちらが実際に使用する予定のテントです。強い日差しや雨風、雪から守る教室用テントを野外に設置することで、子どもたちはその中で安心して授業を受けることができます。


②1張40平方メートルの窓付きテント。定員数は約40名。

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 4月より開始する学校環境整備事業では、バグラム地区の2校で校舎修復をします。ジェンは、その際に必要となる教室用テント計10張を調達し、校舎の修復が完了するまでの間各校の校庭に設置して、子どもたちが安全な環境の中で学習できるようにします。

③イスラマバードの業者にて検品するプログラムオフィサー(左)と事務所長(右)。

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 上記建設の終了後はこれらのテントを回収し、必要に応じて再利用していきます。

3月 29, 2012 学校修復・建設教育支援 |

2012年1月 5日 (木)

工事が完成するまで

 昨年も無事に、予定されていた全ての工事を終了することができました。

 ジェンが昨年サラン地区・サイードヘル地区で実施した学校施設の修復・建設工事は、対象校数14校、工事数は45件にのぼります。

(写真:外周壁)

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(写真:トイレ)

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(写真:手洗い場)

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 アフガニスタンでは治安上の理由から、事業を監督する国際スタッフが国内に駐在することができない状況が続いています。そのため、国際スタッフはこれら工事の進捗も、すべてパキスタンのイスラマバードで管理しているのです。

 工事そのものは現地業者へ委託しますが、工事現場へは毎日アフガニスタン人の現地ジェンスタッフが足を運び、工事の進捗をレポートにして国際スタッフへ提出します。

 更に、現地スタッフが現場で撮影した写真をイスラマバード事務所と共有し、国際スタッフも現場の状況を目で見て把握できるようにしています。

 写真は、工事の進捗が明確にわかるよう、毎回同じ角度から撮影します。

 例えば、こちらはチェナキー男子学校の教室建設の様子です。

 土台を作って(1週目)、
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 レンガを積み上げ(2~3週目)、

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 屋根ができ(4週目)、
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 窓枠もついて(5週目)、
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 塗装を施し、完成(6週目)。
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 昨年はこのような取り組みを45件分全ての工事で実施しました。

 予定通りに工事を終了して、子どもたちに快適な学習環境を提供できるよう、現地スタッフと国際スタッフの双方が協力し合いながら事業を進めています。

 今年も引き続き、ひとりでも多くの子どもたちに支援が届けられるよう、活動を続けていきます。

1月 5, 2012 学校修復・建設 |

2011年11月17日 (木)

サラン地区の開校式

 10月31日、ジェンが校舎建設を行っていたサラン地区のアハンガラン中学校とサラン・ダルル・ヒファズ男子学校で、完成した校舎の開校式が行われました。

 開校式はパルワン県の教育局が主催したもので、教育局の職員はもちろん、ジェンのスタッフも出席しました。

 アハンガラン中学校では、3つの教室と外周壁の建設、及び小川~貯水槽を結ぶパイプラインの敷設を実施しました。

 完成した教室
 (アハンガラン中学校)
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 これまで、安全とは言い難い環境で学習する子どもたちを見てきた学校関係者たちは、工事が完了し、子どもたちの学習環境が改善したことをとても喜んでいます。

 笑顔でテープカットを行う教育局職員
 (アハンガラン中学校)
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 一方、サラン・ダルル・ヒファズ男子学校では、6つの教室、6基のトイレ、外周壁と、パイプラインおよび貯水槽の建設を実施しました。

 完成した校舎
 (サラン・ダルル・ヒファズ男子学校)
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 開校式でスピーチをするジェンのプロジェクトマネージャー
 (サラン・ダルル・ヒファズ男子学校)
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 同校には約200人の児童・生徒が通っていますが、前述のアハンガラン中学校と同様に、これまで教室の数が足りず、またトイレの個数も不足していました。

 今回建設された施設によって、少しでも子どもたちが安心して快適に学習できるようになることを願うばかりです。

 ===== ご報告 =============

 平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。

 これまで、JENの活動を温かくご支援くださいました、

 支援者の皆様に、深く感謝申し上げます。

 詳しくは、こちら

11月 17, 2011 学校修復・建設 |

2011年10月 6日 (木)

パルワン州の学校で追加工事が始まりました

 ジェンの支援対象地域の一つである、パルワン州サラン地区は、山間部が多い地域です。冬になると山に雪が積もり、雨季には山の谷間の川が増水します。

このような山間部に位置する学校は、雪崩や土砂崩れなどの自然災害による危機と隣り合わせです。ジェンが衛生教育や学校施設の整備を実施している学校のいくつかも、このような環境に位置します。

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 現在、水・衛生施設と学校設備の整備が進む、ダルル・ヒファズ学校。

 このような地域では、学校や村を雪崩や土砂災害から守る擁壁(ようへき)が必要です。
 そこでジェンは村人との話し合いを持ち、さらにその実施可能性を考慮して教育局や農村復興開発局との調整を行い、6校の学校施設の追加工事することになりました。
 追加工事の中には、教室の増築や外周壁の設置、校舎の屋根の修復、そして擁壁の建設があります。

 その中で、山間部に位置するダルル・ヒファズ学校とエンジニア・モハメド・グル・イ・シャヒード中学校での擁壁建設の様子をご紹介します。

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ダルル・ヒファズ学校。

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冬には、この地域を囲む山に大量の雪が積もります。雪崩から地域を守るために、擁壁の建設が始まりました。

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エンジニア・モハメド・グル・イ・シャヒード中学校。

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雪崩や土砂災害などから学校や村を守るため、また子どもたちが安全な環境で安心して学習できるよう、建設作業を進めて参ります。

===== ご報告 =============
平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。
これまで、JENの活動を温かくご支援くださいました、
支援者の皆様に、深く感謝申し上げます。
詳しくは、こちら
========================

10月 6, 2011 学校修復・建設 |

2011年9月22日 (木)

学校の整備が進んでいます

 現在、パルワン州サラン地区とサイードヘル地区の14校に対して、トイレや井戸、水道などの給水施設の整備、また教室や外周壁などの学校施設の整備を行っています。

 これらの学校の子どもたちは、外周壁やトイレ、水道などが設置されていなかったり使用できなかったりと、とてもひどい環境で学習をせざるを得ませんでした。

 学校の施設は整備されることなく、ずっと放置されていました。

 ジェンはそれらの学校に2011年5月より、新しい施設を設置するために建設工事を開始しています。それから4ヵ月、新しい安全な環境に近づいた様子をご紹介します。

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 アハンガラン中学校

 教室増築工事の真っただ中。3つの教室を増築することで、より多くの生徒が快適に学習できるようになります。

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 チェナキー男子高等学校 

 外周壁が設置され、外部から守られた安全な学習環境へと生まれ変わりました。

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 ハジャン中学校 

 給水施設が設置され、いつでも綺麗な水で手が洗えるようになりました。

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 ハイバット・ヘル女子高等学校 

 トイレと井戸が無事設置されました。
 衛生環境が改善され、快適な学校で安心して学習できるようになりました。

 引き続き、学校や村、政府関係者などと調整しながら、早く子どもたちが安全な環境で学習できるよう、建設工事を進めていきます。

====== ご報告 =============

平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。

これまで、JENの活動を温かくご支援くださいました、
支援者の皆様に、深く感謝申し上げます。
詳しくは、こちら

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9月 22, 2011 学校修復・建設 |

2011年8月25日 (木)

チャリカ女子学校支援

 アフガニスタンのパルワン県チャリカ市にあるババ・ヒル女子学校の外周壁とトイレの浄化槽の建設を、先日めでたく完成することがきました。本事業は、千曲国際交流協会様からのご支援により実現できました。どうもありがとうございます。

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 建設前のババ・ヒル女子学校では、村の共同体が、子どもたちや学校の設備を守るために、自力で背丈ほどの泥の外周壁を作っていました。しかし、一時的に作られたものなので、非常にもろく、雨に弱い泥壁でした。

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 また、当校のトイレには浄化槽が設置されていなかったので、衛生環境上好ましくありませんでした。

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そこでJENは、地方教育局との調整を経て、チャリカ市のババ・ヒル女子学校にコンクリート製の頑丈な外周壁を建設しました。

 これにより、子どもたちは外部環境に守られ、安全な環境で安心して学習できるようになりました。さらに、保護者も安心して子どもを学校に送り出すことができるので、女子の就学率向上も見込まれます。

 また、学校のトイレに浄化槽を設置できたことで、子どもたちの水衛生環境と近隣地域の環境状態も改善されました。トイレの横に垂れ流されていた汚水はなくなり、嫌な思いをすることのない環境へと変わりました。

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 これからも、ご支援をいただいております皆さまとともに、より多くのアフガニスタンの人たちをサポートしていきたいと思っております。

====== ご報告 =============

平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。

これまで、JENの活動を温かくご支援くださいました、
支援者の皆様に、深く感謝申し上げます。
詳しくは、こちらへ

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8月 25, 2011 学校修復・建設 |

2011年6月30日 (木)

学校修復はこんな風に進んでいます

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労働者たちが、サラン地区にあるHajan Middle School の貯水タンクの周壁部の石工事を行っている様子です。石に塗るためのモルタルを混ぜています。

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つぎに、熟練労働者が、1.4メートルの高さまで設計図通りにれんがを積み上げていきます。

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こちらは、Hajan Middle Schoolで、衛生施設であるトイレの建設をしている様子です。石で作られた周壁部の高さを均等に揃えます。

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JENのエンジニアのアジュマル・パクティアワル。Engineer Mummad Shaheed Middle Schoolで、生コンクリートのスランプ試験を行っている様子です。工事に最適な生コンクリートであることを確認しました。

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先ほどの生コンクリートは、Engineer Mummad Shaheed Middle Schoolに増築する教室に使用します。労働者がコンクリートの締固め作業を行っている様子。コンクリートに含まれた気泡を取りのぞくために振動をあたえ、丈夫で十分な硬さにします。

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コンクリートの養生という作業です。この過程を経て、コンクリートの強度や、耐久性、また形が確保されます。
アフガニスタンの子どもたちが、より安全で快適な学校環境を確保することを目指し、JENはこの様な建設作業を日々行っております。

6月 30, 2011 学校修復・建設 |

2010年11月25日 (木)

2011年へ向けて

 2010年も残すところあと1ヶ月ほどになりました。

 これまで、パルワン県サラン地区24校でゆめぽっけの配布を終了しました。また同県チャリカ地区では、孤児院の厨房の修復が完成しました。

 昨年12月に開始した、チャリカ地区7校での給水施設の設置・衛生施設の改善・衛生教育事業も、予定通り進んでいます。

101125_pcc_completion_4   8月で、全ての給水施設と衛生施設の設置と修復工事は終了しています。そして、現在は、対象校の一つである女子校で外周壁(学校の周囲を囲む壁)の修復工事をしていますが、それも今週中には完成予定です。

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 衛生教育授業は、5月から各学校で実施してきました。そのモニタリングもあと半月で終了します。これで、本年度の事業は全て終了します。

 昨年よりも更に治安が悪化しているアフガニスタンでの事業運営でしたが、大きな問題に阻まれることなく、無事に終了しようとしています。

 2011年からは支援事業の規模が大幅に拡大し、国際スタッフと現地スタッフも増員され、パワーアップします。学校に安全な飲み水が飲める給水施設と清潔なトイレを設置し、子どもたちに衛生教育を実施します。また極寒の冬のテントの中や夏の炎天下の屋外で勉強をしなくてすむように教室の増築をするなど、学校の環境全般を整備・改善する支援を継続して行きます。

 みなさま、引き続きご支援いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

11月 25, 2010 学校修復・建設教育支援衛生教育 |

2009年11月19日 (木)

学校を建てるということ

091119_mraarahimi_and_mr_feda_muham  今年の4月に建設を開始したパルワン県チャリカ地区のヘマヤトル・アスラム高等学校は、12月半ばの完成を予定しています。95%以上が完成し、もうすぐ建物の上塗り作業と電気の配線工事が始まります。

 10月に撮った写真左は、このマヤトル校の建設工事を請けて下さっているアフガンアメリカンカンパニーのラヒミ社長、右はエンジニアのフェダ・ムハマド氏です。ラヒミ社長はこう話します。

091119_h_installation_of_isogam_is_  「アフガニスタンの70%以上の人は読み書きが出来ません。きちんとした教育なしには、この国の発展はありません。

 私自身は奨学金を受けて米国カリフォルニア大学でエンジニアリングを勉強し、英国オックスフォードで都市デザインの修士号を取りました。アフガニスタンが共産国だった時代には、サウジアラビアの大学で助教授として教鞭をとっていたこともあります。

H_isogam_on_the_roof_is_completed_2  その後、国の復興のためにアフガニスタンに戻り、今の会社を設立しました。これまで省庁官舎や病院の他、学校や一般住宅などを建てました。これからも多くの学校を建設し、国へ貢献するつもりです。

 建設作業は、雇用も生みます。今、この国で何よりも大切なことです。」

11月 19, 2009 学校修復・建設教育支援文化、生活、習慣 |

2009年8月13日 (木)

ネットワーク構築

  JENのアフガニスタン事業では、4月から着工された学校再建事業が順調に進んでいます。その一方、次期事業に向けて建設業者の選定も並行して行っています。

  2001年からJENはアフガニスタンでの事業を行なっていますが、2009年の現在に至るまで、建設業者の選定は、国際スタッフにとって重要かつ最も調整の難しい仕事の一つです。それは、2007年秋よりパキスタンのイスラマバードからの遠隔管理体制に移り、現在の国際スタッフがイスラマバードに赴任した時には完全な遠隔管理体制になっていたため、さらに労力を要する業務となっています。こうした事情により、アフガニスタンで業者とのネットワークを維持することは至難の業です。

  アフガニスタンでは、縁故関係者の採用依頼を受けることは少なくなく、こちらの条件に見合う業者を探すのにも一苦労です。今回は、複数の国連関連のカブール事務所から、地元建設業者をいくつか紹介していただきました。現在、その業者とお互いの要求を伝え合いながら関係構築の最中です。

  遠隔管理体制においては、自分から仕事の方法を工夫して積極的に行動しなければ、変化を起こすことはできません。これからも引き続きイスラマバードから地元業者、政府、現地の国際機関とのネットワーク作りに力を注いでいきたいと思います。

8月 13, 2009 学校修復・建設教育支援 |

2009年4月 9日 (木)

子どもたちが安心して勉強できる環境を整えるために

090409_picture8_001_low  パルワン州トグベルディ村で実施した衛生教育ワークショップが終了しました。合計で2520名の参加者が、紙芝居で使われる絵などを教材にしたワークショップに参加しました。今後は、同じ村のヘマヤトル・アスラム校の学校校舎再建を開始します。
 
(左:屋根のない校舎、直射日光があたる)

 アフガニスタンでは長く続いた内戦のため、学校校舎が圧倒的に不足しています。特に激戦区であったパルワン州では、大部分の校舎が破壊されました。ヘマヤトル・アスラム校は、現在、校舎そのものがありません。テントや民家を借りて、または屋外で、夏は猛暑の中、冬は厳寒の中、子どもたちは勉強しています。090409_picture8_008_low

 快適な教育環境を整えることにより、子どもたちが自らの未来に夢を持ち、そして夢をかなえられるよう、ジェンは支える支援を続けていきます。(右:テントで勉強する子どもたち)

4月 9, 2009 学校修復・建設 |

2008年12月25日 (木)

ラグマニ女子学校建設、間もなく完成!

外務省や皆さまのご支援のもと、パルワン州チャリカ地区にて再建中のラグマニ女子学校がまもなく完成します。

当建設は2008年5月に始まりましたが、教育省建設局の突然の規定変更、遠隔管理体制の中での実施、急激な治安の悪化等々、様々な困難に遭遇しながらも、ようやく完成の時を迎えようとしています。前回の事業(ハジジャタル・コブラ女子学校、チュバシ・ラバット校再建事業)の時と比べると、現地スタッフの成長、遠隔管理体制での管理システムの改善などもあり、今回はプロジェクト管理においては、特に大きな問題もなく、事業が無事終わりそうです。
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建設中は、近くの男子校の一部を借りて勉強に励んでいる女子生徒たちも、完成はいつになるのかと楽しみでならないようです。
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着工前は戦車の残骸、塹壕、弾痕などがいたるところに残っており、不発弾が地中から発見されるなど、戦争の深い傷跡が残っていた場所でした。しかし、今、女子生徒が笑顔でそんな場所を横切る姿を見ると、この学校が未来に向かって一生懸命生きていくための希望を彼女たちに与えているのを実感します。



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12月 25, 2008 学校修復・建設教育支援 |

2008年10月30日 (木)

純白のトイレ

今年の5月に開始した学校再建事業では、パルワン州チャリカ市から車で20分ほど南に行ったところに位置するラグマニ女子学校でのトイレ建設も行っています。
アフガニスタンでは女子が教育を受けることに対して意識が低く、学校の衛生設備も整っていないため、両親が子どもを学校へ通わせることにあまり前向きでない状態です。

ラグマニ校では10室のトイレを建設中です。
現在のところは8割近く完成していて、白のペンキで覆われています(ペンキは全部で3回塗る予定で、色は後にクリーミィな青色に変わります)。
アフガニスタンでは下水施設が充実していないため、トイレは汲み取り式ですが、JENは女の子たちも安心して学校に通えるように、衛生環境を整えることを心がけています。
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10月 30, 2008 学校修復・建設教育支援文化、生活、習慣 |

2008年9月18日 (木)

学校完成式典

080918_low_5  パキスタンからの遠隔管理体制に移ってから、すでに11か月がたちました。

 先月のことになりますが、2校の学校の完成式典が行われました。学校管理委員会の面々や当該校の教員・生徒に加え、地元の有力者など、大勢の人びとが集まりました。

 式典では、地元出身の国会議員など、有力者のスピーチに始まり、生徒代表の歌や生徒代表のスピーチ、ご支援頂いている日本大使館からのスピーチ等々、大変盛大な会になりました。特に生徒代表の歌は、パステルカラーのチャドリ(スカーフ)で揃えた女子生徒たちによるもので、歌も素晴らしく、見た目も華やかな出し物でした。080918_low_6

 このような式典でいつも感心することは、アフガニスタンの人たちのスピーチの巧さ(長さ?)です。みな、情熱を込めて、教育の重要性を語るとともに、日本からの貢献に対して感謝の気持ちを朗々と語ってくださいました。

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9月 18, 2008 学校修復・建設 |

2008年9月 4日 (木)

孤児院のトイレ完成!

080904_low  千曲国際交流協会様ほか、皆様からのご支援のもと、パルワン州チャリカ地区の孤児院に4室のトイレを建設しました。

 この孤児院では、長い戦乱で両親や親族を失った130人の子どもたちが暮らし、勉強に励んでいます。しかしながら、孤児院の衛生環境は劣悪で、トイレは崩れかけたものが1室しかなく、庭や外で仕方なく用を足していました。

 孤児院で暮らす子ども達には、政府からのサポートが十分ではありません。衛生環境を整えるなどで彼らを応援している人々がいると伝えることが大切です。080904_low_2

 孤児院に住んでいるシャー・マハメッドくん(14歳)は

「JENがトイレを建てる前はトイレが1室しかなくてとても汚かったけど、新しいトイレができてきれいになった」と喜んでいました。

080904_low_3  JENはこれからも皆様のご支援を受けながら、孤児院の教育環境、衛生環境の改善のための活動を続けていきたいと願っています。

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9月 4, 2008 学校修復・建設 |

2008年8月 7日 (木)

ついに完成

 外務省、千曲国際交流協会ほか、支援者の皆さまのご支援のもと、パルワン州チャリカとバグラムにて再建中のハジジャタル・コブラ女子学校、チュバシ・ラバト校の2校がついに完成しました。

080805_4  7月末にパルワン州教育局、教育省建設局の技術検査を無事に終えて、教育省から学校譲渡書を受け取りました。これからは主役であるパルワン州教育局と、そこに住む人々によって校舎が維持管理されていきます。


 当事業は約1年かかり、様々な人たちの協力の下に、無事完了しました。特に、技術面をサポートしてくださった(株)飛島建設様、(株)大日本土木様には多大なご協力を頂きました。また、学校運営委員会を通じて、学校の先生方、校長先生、住民、パルワン州教育局の方々にも、様々な問題の解決にあたりご協力を賜わりました。新しく教育環境で学ぶことができる子どもたちに代わって、心よりお礼を申し上げます。 (写真:コブラ校正面)


 JENはこれから、パルワン州ラグマニ村で現在進めている女子学校建設事業を含め、少しでも多くの子どもたちに、より良い教育環境を提供するために、活動を続けていきます。皆さまのご協力をお願いします。(写真:ラバト校 教室内部)080805_3

8月 7, 2008 学校修復・建設 |

2008年7月24日 (木)

ともに育つ

080724__low  パキスタンからの遠隔管理体制に移ってから、すでに9か月が経過しました。現在、3校の学校建設を同時並行で行っています。また、孤児院のトイレの建設と文房具の配布事業も開始しました。

 遠隔管理体制では、一つ一つの作業にも時間がかかってしまいます。このように複数の事業を同時並行で行うことができるのは、祖国をより良くするために日々汗を流すアフガニスタンスタッフの努力のたまものです。

 現在、イスラマバードに常駐する国際スタッフは、月に1度のペースでアフガニスタンに出張しています。その度に、前よりもはるかに成長している現地スタッフと再会することが、とても嬉しい瞬間です。080724__low_2

 自分たちの住む国や地域をより良くしたいという同じ気持ちを持って、彼らと共に働くことができることを嬉しく、また誇りに思います。

(写真上:イスラマバード→カブール間、上空からの眺め土漠の大地に点在する家々)

(写真下:再建された学校のオープニングセレモニーでは、多くの女子生徒が集まった。生徒たちだけではなく、コミュニティ全体の期待の高さをあらわしている)

7月 24, 2008 学校修復・建設事務所・スタッフ |

2008年7月10日 (木)

ハジジャタル・コブラ女子学校、チュバシ・ラバット校、間もなく完成!

日本政府や各企業そして団体、個人支援者の皆さまのご支援のもと、パルワン州チャリカ地区とバグラム地区にて再建中の2校、ハジジャタル・コブラ女子学校とチュバシ・ラバト校がまもなく完成します。
この2校の建設は2007年8月に始まりました。
しかし、この間には治安の悪化等に伴うパキスタンからの遠隔管理体制への移行、冬の大寒波、元ムジャヒディーンの指揮官が起こした土地問題等々、様々な困難に遭遇しながらも、ようやく完成の時を迎えようとしています。

時折、建設現場に近づいてくる子どもたちも、長きにわたった建設を見守りながら、完成が楽しみでならない様子です。

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完成を間近に控えた校舎と彼らの笑顔を見ると、復興は物理的なものに加え、子どもたちの心にも行き届いてきたと感じます。

7月 10, 2008 学校修復・建設教育支援 |

2008年6月26日 (木)

未来への希望をつなぐ

080624_low_2  パキスタンからの遠隔管理体制に移ってから、すでに8か月が経過しました。

 遠隔管理体制での事業運営は、手間もコストも倍以上かかります。それでもJENが支援を続ける理由。それは、アフガニスタンの人々と共に、途切れることなく明日への希望を繋いでいきたいと考えているからです。

 現地の治安状況は、悪化の一途を辿っています。頻発する自爆テロや誘拐のほか、最近では学校も標的になることがでてきました。


 JENが建設事業を行っている学校の生徒たちは、殆どが屋外や民家などでの学習を余儀なくされています。夏は40℃を超え、冬はマイナス20℃を下回る厳しい気候。加えて文化的な配慮などの影響を受けるのは女子生徒です。校舎がない学校には親が娘を送ることをやめてしまうというケースがあるからです。そのような環境下で、現地の人びとは日々の生活を続け、子ども達はすくすくと成長していきます。

 子どもたちは、一度教育を受ける機会を断たれてしまったら、再び受けられるようになることが困難になることがあります。だからこそ、途切れることなく支援を続けることが重要と考えています。

6月 26, 2008 学校修復・建設教育支援 |

2008年6月12日 (木)

新たな学校建設がスタート

Photo  2008年5月より、現在パルワン州で行っているコブラ校、チュバシ・ラバット校の再建事業と並行して、あらたに女子学校の再建事業を同州南部に位置するラグマニで開始しました。

 ラグマニ女子学校はタリバン侵攻時代に、敵対する北部同盟軍とタリバン軍との間で激戦地になり、甚大な被害を受けました。校庭には塹壕や戦車の残骸、校舎はほぼ全壊状態で壁の至る所に弾痕が見られ、それらはこの国の子どもたちの心の傷跡のようにも見えます。

Photo_2  長い戦争で疲弊したアフガニスタンには、至る所にこのような学校があります。しかし、子どもたちは厳しい環境にも負けず、未来に向かって勉強しています。JENは、一人でも多くの子どもたちに学習の場を提供し、彼らに未来への希望を与えることによって、心の傷を癒すことを心がけています。

6月 12, 2008 学校修復・建設教育支援 |

2008年4月 3日 (木)

安全な水を届けます

 JENは外務省や皆様からのご支援により、学校建設の一環で、生徒たちに安全な水を供給するための貯水槽の建設と公共水道管と繋ぐ水道管の設置を進めています。

 アフガニスタンでは、ほとんどの学校の衛生環境は劣悪です。JENが事業を行っているコブラ校の生徒たちは、今でも学校のすぐ横に流れる茶色がかかった水路の水を飲料水に使っている状態です。水路には町から流れる汚水も流されているので、生徒たちの健康を守る安全な水はそこにはないのです。080401_k7

 長い冬が終わり、貯水槽の工事が再開し、土台のための石を置く前のところまで工事は進みました。一刻も早く生徒たちが安全に勉強できる衛生環境を整えるため事業を進めています。

(写真: 完成した貯水槽の土台)

4月 3, 2008 学校修復・建設 |

2008年3月 6日 (木)

春になりました

 JENの事業地、パルワン州では12月下旬から2月中旬まで凍てつくような寒さに襲われ、白銀の世界となっていました。

 今年の冬は、特に寒さが厳しく、アフガニスタン全土で数百人の死者が記録され、パルワン州の事業現場では気温が氷点下22度まで下がりました。1月には、教育省建設局から寒さのため学校建設の一時中止命令が出され、JENもやむを得ず2月24日まで工事を中断していました。

080306_brick_masonry_at_kobar  2月の最後の週には、今までの寒さがうそのように一転、気温が一気に15度まで上昇し、ようやく待ちに待った工事の再開です。長い冬の終わりとともに、事業現場に春の活気が戻ってきました。

3月 6, 2008 学校修復・建設 |

2008年2月 7日 (木)

何故に壁を壊すのか。

080205part_of_wall_destroyed_rabat  昨年12月、村でコマンダーと呼ばれる一人が、突然、学校の土地の一部は自分のものだと言い、建設途中の壁の一部を破壊し始めました。(写真:壊された壁)

 JENは事業当初から、村の代表者、教員、学校長、教育局の職員といった、バランスを考慮したメンバーで構成された学校管理委員会を設立しています。その中で、情報共有や土地問題などのあらゆる問題の予防や解決に努めています。

 にもかかわらず、事業の真只中に小さな村でこのようなことが起きてしまうのはなぜでしょうか?

 一つは、雇用問題。失業率が100%に近い辺境の村では学校建設のようなイベントは、雇用が生まれるまたとないチャンスです。なので、このような機会を逃した人が問題を起こす場合があります。もう一つはコマンダーと呼ばれる冷戦と内戦時代に活躍した武装集団の人が問題を起こします。

 今回の場合は両方のようで、彼らは武器を保有しているため、村の長老たちですら説得が難しいようでしたが、コマンダーは学校管理委員会に説得され、何とかその場は収まりました。

 なかなか平和なひと時は訪れないようです。

2月 7, 2008 学校修復・建設 |

2007年9月 3日 (月)

学校建設工事、着工!

Kobra_school_construction_assessmen 8月に入り、すぐにコブラ校とチュバシ・ラバト校の建設を着工しました。また、チュバシ・ラバト校では、基礎工事開始と同時に着工式を行いました。

着工式には地元政府関係者、パルワン州のテレビ局や学校関係者、さらに村人(ほぼ全員?)が参加し、大混雑の中、式がとり行われました。

学校とはいうものの、2006年の設立当初から校舎がありません。かわりに半壊した土作りの民家を1軒賃貸し、500人にも及ぶ生徒が学習しています。子どもたちは、すし詰め状態の上、夏ばは灼熱の太陽の下で勉強に集中しなければなりません。

そのため、学校の建設は村にとっての一大行事です。村人や子どもたちの喜びと期待はすごいものだなと改めて感じました。K_building_wall

この日出会った子どもたちの笑顔は、JENスタッフと学校管理委員会のやる気と絆をさらに深めたように思えます。

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9月 3, 2007 学校修復・建設 |

2007年7月 5日 (木)

2007年の学校再建事業

Dsc02750_1 6月に赴任したプログラム・オフィサーの山形です。 日本政府と個人や団体支援者の皆さまからのご支援を受け、2007年の学校再建事業が始まりました。  

チャリカ郊外の学校、コブラとチュバシラバットでは20年以上続いた戦渦によって校舎が著しく破壊され、子どもたちはテントもしくは半壊した校舎での勉強を余儀なくされています。

まずはプロジェクト開始前の準備として、地方政府や住民との調整、事業計画の構築などをおこないます。同時に、地域住民や学校関係者、教育省の関係者で構成される学校運営委員会を設立しました。学校運営委員会の会議では、今回の学校再建事業の目的と計画を共有し、工事の着工に向けて一丸となって準備を進めています。  

Smc_meeting_kobra_8

アフガニスタンに着いてまだ3週間ですが、長い戦闘の影響による破壊が、建物だけでなく人びとの心まで深く浸透しているようにも感じています。

この国の厳しい生活環境や異なる文化、そして事業参加者である住民からのリクエストなど、まだ新しい環境に慣れることで一生懸命ですが、戦争の記憶しかない子どもたちの無邪気な笑顔が力を与えてくれます。

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7月 5, 2007 学校修復・建設教育支援 |

2006年7月 6日 (木)

校長先生の想い-ウーラン校完成!-

Dsc087611  外務省から資金援助によるパルワン州帰還民総合支援事業の一環として、昨年8月から建設していましたウーラン校がこの程無事完成し、6月15日に、パルワン州知事、教育局長、日本大使館の書記官を招いて開校式が行われました。

 この学校の校長、アブドラ・サブール氏は非常に教育に熱心な方で、数年前からアフガン行政や複数の支援団体に学校建設の陳情を行っており、JEN事務所にも訪問してきました。当時は建設資金確保の目処がたっていなかったので、とりあえず学校用テントを5張り供与したのですが、風の強い谷に位置しているためにテントは1年でボロボロになり、子どもたちは暗くてところどころ破れたテント内での勉強を強いられていました。Dsc086711

 この度、この校長の子どもたちを想う気持ちがようやく叶い、男子324人、女子305人の生徒たちが午前と午後に分かれて新しい校舎で勉強できるようになりました。

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7月 6, 2006 学校修復・建設教育支援 |

2006年4月13日 (木)

山間の村に女子校が完成!

1_5  昨年8月からパルワン州の山あいの村で実施していましたシワ女子校建設が、3月末にアフガニスタンの新学期に合わせて無事に完成しました。2_4

 この学校の建設地は丘の上であったため、まず丘を削って平地にすることから作業を始めました。次に建設地までの道を作ったのですが、重い建設資材を運んでくるトラックが途中で立ち往生し、小型トラックへの荷卸荷積みを行って搬入した事もあります。更に、建設作業に使用する水を確保するために、丘の下に貯水槽を作って村の農水路から水を引き、そこから水中ポンプを使って水を汲み上げたのですが、水中ポンプやジェネレーターが頻繁に壊れ、何度も業務の中断を余儀なくされました。

 こうした様々な苦労はありましたが、開校式で女子生徒が見せてくれた満面の笑顔に接すると、校舎が完成した喜びと、子どもたちの幸せな将来を願う気持ちが湧いてきました。

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4月 13, 2006 学校修復・建設教育支援 |

2006年1月 5日 (木)

学校建設大詰め

1  パルワン州で建設している2校の学校建設は最も重要かつ困難な作業のひとつ、天井のコンクリ-ト打ちを行っています。コンクリートは寒さに弱い為、セメントの中に凍結を緩和する薬品を混ぜたり、コンクリートを設置した跡に藁をまいて保護するなどの工夫をこらしながら、建設を進めています。

small  それでも毎日が時間との勝負。特に、標高2,500メートルに位置するサラン地区のウーラン校では、雪が降らないことをJEN職員、下請け業者、地元の人々全員で祈りながらの作業となっています。その甲斐あってか、例年のこの時期では考えられないくらい晴天が続き、コンクリート打ちの作業を完了することができました。

 完成にむけてもうひと踏ん張りです。

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1月 5, 2006 学校修復・建設教育支援 | | コメント (0)

2005年12月 8日 (木)

雪だるまが見守る学校建設作業

3  パルワン州のJENが学校建設事業を行っている地域では、10月から雪が降り始め現在の気温は-6から7度で、雪25cmも積もっています。そんな厳しい環境の中、現地の人たちと共にウーラン校とシワ校の2校の建設作業を進めています。5

 積雪のため工事が遅れ、また工事前に行う雪下ろしが余分な作業になっています。工事遅れの原因となるやっかいな雪ですが、現地スタッフは昼休みに雪だるまを作り、雪を楽しんでいます(ちなみにこの雪だるまはアフガニスタン事務所の女性経理スタッフ(若野綾子)のために作ったもので、写真ではわかりませんが、若野がいつも身につけているスカーフあり、スカートのひだもちゃんとあります)。

 来年の春には新しい学校が完成する予定です。

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12月 8, 2005 学校修復・建設教育支援 | | コメント (0)

2005年9月29日 (木)

アフガニスタン写真展

1  JENのアフガニスタン教育支援事業をご支援くださっている「アフガンとちぎスクール」の報告写真展が、9月10~25日まで宇都宮市内で開催されました。会場では、世界遺産「バンデ・ア・ミール湖」の写真も展示され、数多くの方々が写真展に訪れて下さいました。

 この写真展では募金箱が置かれ、別の機会に集まった支援金と合わせて180,000円がJENに寄付されました。この資金は、アフガンの学校で女子トイレの建設に使われます。

  アフガンとちぎスクールの皆さま、写真展にご来場下さった皆さま、寄付をして下さった皆さま、本当にありがとうございます。

眠っている本が、学校に! BOOK MAGIC(ブック・マジック)

9月 29, 2005 学校修復・建設教育支援 | | コメント (0)

2004年11月18日 (木)

美しい校舎

01  JENの支援グループである「アフガニスタンとちぎファンド」のご支援により、パルワン州のホカム女子校の修復が完成しました。 校長先生(Mr.Hakims Hashimi)からのメッセージです。

 「女子校修復のためにご支援していただい皆さま、本当にありがとうございました。今までは教室数が足りなかったので、夏の酷暑や砂嵐の中でも屋外や小さなテントの中で授業を行わなければなりませんでした。 従って、自分の子ども、特に娘を学校に通わせる親は少なかったのです。でも、このような美しい校舎できたことによって、親御さんたちも安心して娘を学校に通わせることが出来るでしょう。現在女子生徒の数は130人程度ですが、この校舎の完成によって来年の新学期には300人にくらいになると予想しています。 男子生徒同様、3シフト制にして授業を行うこと事を考えています。 

 このカラザイ村はタリバンと北部同盟の激戦地であったため大きな被害を受け、今なお復興もままならず村人は厳しい生活を強いられています。未だにカブールやパキスタンに避難している住民も多数います。 このような状況の中で、この女子教室の完成は村にとって非常に明るい話題です。このニュースがきっかけとなって、村に戻ってきてくれる人が増えることを期待しています。 

 ご支援して下さった皆さまに村人一同、感謝申し上げます。」

11月 18, 2004 学校修復・建設教育支援 | | コメント (0)

2004年7月29日 (木)

テントが教室

023  現在JENは、カブールから約50キロ北にあるパルワン州の学校の修復事業を行っています。修復中の学校では、工事の間、テントの仮設教室で570人の生徒たちが学んでいます。
テント教室の中では、立てかけた黒板が風ですぐに倒れてきてしまうことも少なくありません。

 13年間教師を続けているラザハーン先生に聞きました。
012  『毎日起こる砂嵐のために、午後の授業は実施できない日が続いています。教室に加えて、やはり飲み水とトイレに困っています。このようなへき地にあり、希望を持てない環境にあった私たちに、日本の皆さんからのご支援は大きな励ましです。
心からの感謝を申し上げます。7月はもっと暑くなるので、できるだけ早くこの修復が完了することを願っています。』

 この学校の修復工事は、JENのスタッフが中心となって、地域の人たちと一緒に進めています。
 学校のほとりの小川が枯れてしまったために、今は工事のための水を毎日3~4キロ離れた場所から車で運んでいます。単純作業ですが、ときには1日に何往復もする必要があり、燃料や人件費などが積み重なっています。

 『石をつなげるためにコンクリートを使っているので、水を確保するのに苦労しています。嬉しいことは、建物が少しずつ出来ていくにつれて、この素晴らしい校舎のできばえに、村の人たちがみんなやる気を出してがんばっていることです。』(現地スタッフ・ハルーン)

 この夏には修復事業が終了し、子どもたちは新しい校舎で勉強することができる予定です。

7月 29, 2004 学校修復・建設教育支援 | | コメント (0)

2004年2月12日 (木)

図書館と本棚

1  JENが修復を行ったパルワン州・チャリカ郡にあるミル・アリ・アハメッド・イ・シャヒード(以下MAAS)校の図書室に、山梨日立建機株式会社様と山梨県立吉田高校様から、本棚の製作費をご寄付いただきました。

 MAAS校では2003年6月に校舎の修復作業自体は終わっていましたが、その後11月から図書室の増築を行っていました。アフガニスタンの学校に図書室があることは極めて珍しく、州知事の方が建設作業の視察にいらっしゃるなど、地元の期待も高い中、先月の終わりにようやく図書室が完成し、本棚を13個設置することができました。

 長年の戦争の影響もあり人々が支援に頼りがちなアフガニスタンで、この学校では図書室用の備品購入費のために生徒たちが自ら地元で募金活動を行い、その結果約200ドルが集まりました。その用途について、学校長、先生、パルワン州の教育局長、地元住民などが参加するスクールマネージメント委員会で話合いが行われ、教室のカーテンなどを購入することも決まっています。

 このようにMAAS校は、子どもたちや学校の職員の方はもとより、地域の人たちにとって『自分たちの学校』という意識が非常に強く、積極的により良い学校にしようと頑張っているため、今回の本棚の設置をとても喜んでいます。

 山梨日立建機株式会社の皆様、吉田高校の皆さん、本当にありがとうございました。

2月 12, 2004 学校修復・建設教育支援 | | コメント (0)

2003年2月13日 (木)

3校目の学校がよみがえりました

 「パンジャッド・ファミリー・ハイ・スクール」、「第16小学校」とJENの学校修復事業3校のうち、現在まで2校の完了報告をお届けしてまいりましたが、3校目の「ラビア・ハイ・スクール」の修復工事が2002年12月9日に完了しました。その完了報告をお届けします。

【事業完了報告】
 この事業は昨年8月11日の着工から12月9日の完了まで、カブール市内第4地区で約4ヶ月間に渡って行われました。生徒数は2002年12月現在で、4,467人(女生徒:2,778人、男子生徒:1,689)です。また、 事業実施地区にはおよそ12,000家族が住み、その多くは過去20年に渡る戦争の間、アフガニスタン国内の特に北部の各地から避難し、現在はこの地区に定住している人々です。またパキスタンやイランからの帰還民の家族も少数います。(但し、生徒数、住民数とも流動的です。)ここに住む人々の多くには仕事がありません。今までもお伝えしている通り、この修復事業は子どもたちが少しでも良い環境の中で安心して学ぶことができることと共に、国連開発計画(UNDP)との協力により、「UNDPアフガニスタン復興・雇用プログラム〔REAP=Recovery and Employment Afghanistan Programme〕」の一環として、戦争で職を失ったこの地区の人々に、一時的ではあっても、仕事に就く機会を持ってもらうことを目的としています(今回の事業では111人)。

 どの国のどの事業でもある困難が、この約4ヶ月間の工期の間にもありました。校長先生が変わったことによって最初の契約以上の修復を依頼されたり、現場に行ってみると作業をするべき人がまばらだったり、お給料日には本人ではない”別人”が現れたりといったことです。不安定な社会状況の中で人々が生きていくのは大変なことです。また、生活習慣や文化などの違いの中で、現地の人々とともに事業をして行くことは、「日本流」を押し付けない支援をする上でも簡単ではありません。こうした困難を、現地スタッフと日本からのスタッフが協力し、教育省や地域の代表など関係する人たちと何度も根気よく話し合いを行って解決し、何とか決められた期間内で完了するよう事業を進めてきました。

 今回の事業では、新しいドアと窓のついた16の新しい教室を建て、古い校舎のドアや窓、廊下、教室も修理しました。古い校舎の天井は、新しい梁を入れ、塗り固めました。 また、新旧両方の校舎とも、きれいに塗装し、水道設備の設置や校庭も整備しました。 さらに、いくつかの教室には電気設備を設置し、2つの校門も完成しました。

*REAP(=Recovery and Employment Afghanistan Program)プロジェクト:アフガニスタンの失業者のための雇用促進事業

2月 13, 2003 学校修復・建設教育支援 | | コメント (0)

2002年10月17日 (木)

11,456人のための新しい学校

2202  「第16小学校」に引き続き、JENの学校修復第一弾として始まった「パンジャサッド・ファミリー・ハイ・スクール」でも、去る9月3日(水)に修復工事が完了しました。その完了報告をお届けします。

【修復事業の背景】
 1979年に建てられたこの学校には、56の教室、1つの会議室、演習室と子供用の教室、そのほか校庭などの施設があり、過去10年間、修復や整備は行われて来ませんでした。また長年にわたる厳しい情勢の中、国内避難民の家族が住み着いていたことも、校舎の荒廃の一因となっていました。現在この学校では11,456人(男子5,010人、女子6,446人)の生徒たちが、242人の先生(男性46人、女性196人)のもとで、1日3交代で勉強をしています。この学校の修復事業は、約3ヶ月半前に始まったのですが、その開始当時から今までに生徒数はすでに2,000人も増加しています。また、難民のカブールへの帰還数の増大に伴って、生徒の数は今なお増え続けています。2203

【事業の内容】
 この学校の修復事業では、壁の塗り替え、壊れた屋根の撤去と修復、梁の調整、塗装、ドアと窓の修復、校庭の整備などが行われました。アフガニスタンはこれから寒い季節を迎えることになりますが、修復工事が完了した今、この1万人以上の生徒達は以前よりもずっと良い環境で学ぶことが出来るようになりました。これと同時に、約1万人の人々がUNDP(国連開発計画)との協力による「REAP(=Recovery and Employment Afghanistan Program)プロジェクト*」の一環として、短期間ではありますが、仕事に就くことが出来ました。長年の内戦で破壊された学校や、タリバン政権下で学校へ行くことが出来なかった女の子たちをはじめとする大勢のアフガンの子供たちの、一人でも多くの明るい未来と笑顔のために、JENは支援活動を続けて行きます。

*REAPP(=Recovery and Employment Afghanistan Program)プロジェクト:アフガニスタンの失業者のための雇用促進事業

10月 17, 2002 学校修復・建設教育支援 | | コメント (0)

2002年9月 5日 (木)

子どもたちの夢をかなえる新しい教室

21_1s  「第16小学校」の後修復工事は着々と進み、8月1日に工事が完了しました。それでは、現地カブールから入った完了報告をお届けします。

【修復事業の背景】
 1998年に建てられたこの学校には、8つの教室、1つの集会室、2つの倉庫とトイレがあります。内戦の混乱と、国内避難民が住み着いていたことで、ひどく荒廃しており、学校の定員は1,200人と言うものの、現在は2,050人(男子1,386人、女子664人)の生徒たちが、39人の先生(男性23人、女性16人)のもとで、1日3交代で勉強をしています。また、避難民のカブールへの帰還数の増大に伴って、生徒の数も増え続けているのが現状です。21_2s

【事業の内容】
 このプロジェクトでは、学校に通う生徒たちがより良い学校施設で学ぶことが出来るようになることと、国連開発計画(UNDP)との協力による、「UNDPアフガニスタン復興・雇用プログラム(REAP=Recovery and EmploymentAfghanistan Programme)」の一環として、90人(20人の建設業経験者と70人の未経験者)の人に対して一時的ではあっても、仕事に就く機会を持ってもらうことが出来ました。修復工事は今年6月22日の着工式から始まり、8月1日に完了しました。
 1つの教室と守衛室、トイレ、廊下、テラスが新しく建設され、8つの教室の天井と壁が塗り替えられ、そして、1つの集会室とキッチン、2つの倉庫とトイレ、また学校を取り囲むのべ111mの塀も修復されました。また、これらの修復に伴って、必要な窓と窓ガラス、ドアや鉄の校門も取り付けられ、電気設備や水道、また校庭も整備されました。

 生徒の1人の言葉、「いつかは自分たちがどこかの国を支援できるようになりたい」、子供たちが1人1人の夢に向かってこの新しい教室で勉強ができることを、JENはとても嬉しく思います。

9月 5, 2002 学校修復・建設教育支援 | | コメント (0)

2002年8月22日 (木)

学校修復着工式

 JENの学校修復事業は、国連開発計画(UNDP)との協力による、「UNDPアフガニスタン復興・雇用プログラム=REAP(Recovery and Employment Afghanistan Programme)」により、行われています。簡単に説明すると、カブール周辺の復興事業に現地の人を雇用して、職につく機会を少しでも多く持ってもらおうというものです。具体的には、道路、上下水道、教育・医療施設の修復及び建設等の公共事業を実施しています。 

日時:2002年8月11日(日) 
■場所:ラビア・ハイスクール(カブール市、第4地区)

【着工式の様子】
 今回のラビア・ハイスクールでの着工式は、アフガニスタン教育副大臣による挨拶に続き、代表の生徒によるコーランの読誦によって幕を開けました。日本政府代表、UNDP代表、JENカブール事務所長の青島あすか、ユニセフ、そしてラビア・ハイスクール代表と、それぞれがこの着工式への参加者を歓迎するとともに、この学校修復事業について協力し合い、事業の成功を祈りました。また、2つのチームの生徒達が、ダリ族とパシュトゥーン族の歌を披露し、また、民族音楽の演奏や、ダンスによるパフォーマンスで、会場は盛り上がり、修復工事終了後の学校で勉強することに夢をふくらませていました。
 この着工式の模様は、同日8月11日夕方、地元カブールのラジオ放送を始め、8月16日朝のテレビ番組では、その一部始終が放映されました!

8月 22, 2002 学校修復・建設教育支援 | | コメント (0)

2002年8月15日 (木)

3交代制の学校

 国連開発計画(UNDP)との協力のもと、アフガニスタンで進められているJENの学校修復事業第3弾、カブール市北部の第4地区に位置する、ラビアハイスクール(Rabia High School、生徒数:男子3,112人、女子2,469人、合計5,581人)での着工式が、8月11日(日)に予定通り行なわれました。この学校は14年前に建てられたのですが、長い間の戦闘によって受けた破壊は激しく、その修復は全く行われていない状態です。また、生徒数の多さから、今は3交代で授業を受けています。着工式の様子はカブールより連絡が入り次第、お届けします!

【修復の内容】
①ドア、窓、屋根の梁、壁の修復と塗装のほか、16の新しい教室の建設
②水道設備、校庭を平に均す、コンクリートの歩道、2つの新しい校門、教室の電気の配線、校舎を囲む壁と校庭の排水工事
③ユニセフとの協力により、仮設テントを設置

 これまで順調に進んできている学校修復により、少しでも多くのアフガンの子ども達が教育を受けられるように、JENもがんばってっています。

8月 15, 2002 学校修復・建設教育支援 | | コメント (0)

2002年6月27日 (木)

学校修復、第2弾

afgan161s  JENの学校修復プロジェクト第2弾、カブール市内第15地区(ハリハナ地区)の「第16小学校」で学校修復工事が始まりました!

 この学校は小中学校で、生徒数は2,200名(男子1,560名、女子640名)、教員数は39名(男性教師23名、女性教師16名)です。現在8つの教室で、毎日3交代で授業が行われています。過去の戦闘の間、多くの避難民がこの学校を占拠して一時的居住場所として使用していたため、学校施設としての機能を失った状態にあります。修復の内容としては校舎の屋根の修繕、校舎内の塗装、ドアや窓の修繕、教室内の塗装、1教室の新設、トイレ、校門の修繕などを行う予定です。6月22日(土)には、この学校で着工式が行われました。afgan162s

 午前9時半の開会の挨拶からJENのスピーチと続きました。今回は簡単なJENの紹介を私が行った後、JENカブール・越川芳枝のスピーチと続きました。壇上から乗り出てのアクティブなスピーチはとても印象深く、出席していた生徒、先生からは多くの拍手を浴びていました。とても感動ものです!その後、地域代表、学校長の挨拶とおよそ30分間続きました。

 とてもユニークで印象深いことは、来賓の挨拶が終了した後の、生徒による各種パフォーマンスでした。演劇では、出席者から多くの笑いを取るほどに生徒の演劇は面白かったです。年少生徒によるアフガン民謡披露では、彼の良く通る声に感動しました。さらには、飛び入り生徒によるダンス披露などもあり、とても見ごたえのある出し物ばかりでした。
 着工式ということは忘れて、まるでアフガニスタンで文化祭を楽しんでいるようでした。

 どんなに辛く厳しい状況に直面しながらも、活気を忘れない生徒の精神力に驚かされ、そして、笑い喜びを共有できる彼らの強さに感動しました

6月 27, 2002 学校修復・建設教育支援 | | コメント (0)

2002年6月20日 (木)

学校修復事業は順調です

2201  JENの学校修復事業第1弾、カブール市内のPanjasad Family High School(パンジャサッド・ファミリー・ハイ・スクール、生徒数:9,330人)では、先月5月22日の着工式より今日6月20~30日が経過しました。修復作業は着々と進められています。

 ユニセフから10梁のテントが提供され、この修復工事中に、20の教室を暫定的にテント内に設置、今まで教室として使用されていた20の外国貨物船用コンテナが取り除かれ、その跡地に10教室分の土台(基礎)が作られており、また教室の壁の塗り替え、校舎屋根の修復、教室に明かりを供給するための校舎内配線が進められ、今までに20の窓枠の修繕、48の窓枠の設置、6つの教室のドアが修繕されました。
現在この学校での修復事業は半ばを迎えているところです。

 引き続き、学校修復第2弾として、やはりカブール市内(ハリハナ地区)の第16小学校(小中学校、生徒数:2,200名、教員数:39名)での修復事業がまもなく始まる予定です。

6月 20, 2002 学校修復・建設教育支援 | | コメント (0)

2002年5月23日 (木)

荒れ果てた校舎

02s  アフガニスタンでは、長引く内戦や旱魃の被害を逃れるために、多くの国内避難民が学校に住みついていました。
そのため、校舎は荒れ果てていて、修復をしないと子どもたちは勉強ができません。
 JENはこのプロジェクトで、教室の屋根、窓枠や窓ガラス、トイレなどの修復を行い、勉強ができる環境を整えます。

 5月22日(水)、JENはアフガニスタン学校修復プロジェクト第一弾として、まずカブール市内のパンジャサッド・ファミリー高校(Panjasad Family High School )[ハリハナ地区] の修復に着工、着工式を行いました。
パンジャサッド・ファミリー高校には、現在223名の先生と9,330名の生徒がいて、その内、男子生徒が3,954名、女子生徒が5,376名です。03s

 この着工式の様子が、JENカブール駐在スタッフより届きました。

『着工式は本当に成功裏に終了しました。
300名ほどの女子学生が校庭に花道(?)を作ってくれ、私たちを迎えてくれました。
式はかなりの盛り上がりを見せたものと思います。
コンテナーで作られた教室とは対象的に、生徒、先生のお手製の飾りつけがされた会議室には、総勢200名ほどの関係者が集まり、アフガン教育省副大臣ザビオラさんの挨拶をはじめ、駒野大使、UNDP代表、またユニセフアフガニスタン代表もすばらしいスピーチをしてくれました。それに、学生代表で壇上に上がった女子高生は、彼女の言葉で、そして英語にてすばらしいスピーチをしました。』

5月 23, 2002 学校修復・建設教育支援 | | コメント (0)

2002年1月15日 (火)

子どもたちに文房具

11  JENは、カブール東部の元女子校である公立学校「ラミアンシャヒード」で、2,300人の全校生徒に対して、文房具の配布を開始しました。

 1月14日は、女子生徒1,700人への配布を行いました。これは、全生徒数の4分の3にあたります。これによって、過去5年間にわたり教育の機会を奪われていた女生徒たちの、勉強への復帰を支援することができます。

 タリバン政権下において、女子は公に通学することが許されませんでした。しかし、アフガニスタン暫定行政機構の樹立をきっかけに、来たる3月よりカブール州16地区の内、15校の女子高等学校が新生スタートする運びとなりました。これにともない、先月から「ラミアンシャヒード」校においても女子生徒が教室に復帰して授業が再開されています。
 JENの現地スタッフは、この日、アフガン国内で購入したノートとエンピツのセットを後日1日には、同校に通う600人の男子生徒に対しても配布する予定です。

 市民自身による復興への期待が高まる中、経済的に厳しい生活を強いられている生徒達はこの支援によって精神的にも支援されているということが実感できます。

1月 15, 2002 学校修復・建設教育支援 | | コメント (0)