2023年9月 7日 (木)

自らビジネスを立ち上げ、貧困を脱するサポートを

 人口の97%もの人びとが貧困ライン以下で生活しているともいわれるアフガニスタン。教育や職業訓練機会へのアクセスがないために安定的に働くことも難しく、貧困から抜け出すのがより困難な状況です。

 ジェンは様々な活動を行っているナンガルハル県で、生計支援事業も行っています。求職・職業研修参加希望者を対象に、事業実施地域で需要の高い、造花や造花用花瓶の製造技術を習得できる研修を実施しました。また、すでに別分野の製造技術を習得済みの方々にも参加いただき、事業立ち上げの知識を習得できるビジネス研修も行いました。

 全研修終了後には、習得した技術を活用した事業の開始に必要な道具をお渡ししました。それらの道具の選定には、専門家だけではなく研修参加者にも加わってもらいました。それにより、実用性はもちろん、参加者のニーズに沿ったものを選ぶことができ、参加者からも喜びの声を聞くことができました。

 現在はすべての研修が終了し、ほとんどの受講者が、習得した技術を用いて自らビジネスを立ち上げ始めました。その順調なすべり出しを、ジェンの専門スタッフが引き続きサポートしています。様々な理由で自らビジネスを立ち上げないことを決めた方々も、研修先の工場での就職が決まりました。

 技術や知識を身に付け、安定した収入を得ることは、貧困から脱するための大きな一歩です。生活を良くしたいと考える人びとに寄り添い、その方々が実際に前に進むサポートができることは、私たちにとっても喜ばしいことです。今を生きるアフガニスタンの人びと、またその次の世代のためにも、引き続き活動していきます。

  

Af_0831_03

 3か月間の製造技術研修。造花は来客のために部屋のインテリアとして、セレモニーでは車などへの盛大な飾りつけや、花嫁さんの飾りとしても使われます。(想像を超える盛大さです。ぜひ調べてみてください!)


Af_0831_02

 技術研修を終え、ビジネス研修に参加する様子。女性も別の回に参加しました。

Af_0831_01

 取得技術ごとに、それぞれ必要な道具を受講者と一緒に決定し、お渡ししました。

 

 

 

9月 7, 2023 生計回復事業 |

2023年7月 5日 (水)

アフガニスタン フード・フォー・ワーク事業で嬉しい報告がありました!

紛争、異常気象、新型コロナウイルス、そしてウクライナ危機に追い打ちをかけられた世界規模の食糧危機は、アフガニスタンで暮らす人々の生活にも影響を与えています。

 ジェンは、20231月末より、アフガニスタンのナンガルハル県ダラエヌール地区で、800世帯(約5,600名)の方々へ約2か月分の食糧を配布する事業を行っています。ナンガルハル県の失業者数は270万人(失業率85%)、借金のある世帯数は50万世帯と、いずれの数値も国内最悪であり、国内他地域と比べても、深刻な食糧危機下にある人びとが多くいらっしゃいます。

 この地域では農業で生計を立てる方が多く、「カレーズ(カナート)」という地下水脈を活用した、灌漑用水路を使い野菜等を栽培していました。しかしこのカレーズや水路は、度重なる洪水や地震によって土砂で埋まる等、十分に機能しなくなりました。雨水のみに頼らざるを得ないこの状況に干ばつが襲い、食糧の確保がより困難となっていました。

 そこでジェンでは、食糧を配布する800世帯のうち400世帯へは、カレーズや水路の整備作業に参加頂いて食糧を配布する「フード・フォー・ワーク」の形態をとることにしました。現在は整備作業がほぼ完了しており、約260万㎡の農地に水が引かれました。実際に、地域の人びとから野菜の生産量が増加したとの声が上がっているようです。

 

Rehabilitation-23052023-11

カレーズが機能するよう、装置を使って作業を行う人々

 

 アフガニスタンでジェンの様々な事業を統括しているスタッフは、実はこれだけではないんだよ、と嬉しそうに報告してくれました。自らの力で生活をより良くできるという気づきから、カレーズ整備のために使えそうな道具や材料を持ち寄ったり、整備対象となっていなかった貯水槽を整備したりと、コミュニティによる自発的な活動が進められているとのことです。加えて、遠くまで水を汲みに行っていた女性たちも、水路により負担が軽減されるためこれらの活動に興味を持ち、働く家族を作業現場で励ますこともあるそうです。

 

2_20230705122701

自宅近くの水路整備の様子を見に来ている女性

 

 今後もこの地域ではコミュニティ全体の生活環境の向上が期待できるため、報告を受けた私たち本部スタッフも嬉しく思うとともに、このような活動を他の地域でも実施できるよう、引き続き努めてまいります。

 

※本事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。

7月 5, 2023 支援物資配布生計回復事業 |

2016年12月22日 (木)

次の大きな課題:難民の帰還

過去30年の間、多くのアフガニスタンの人びとはパキスタン、イランや他の国々に難民として移り住み、紛争から逃れました。紛争により普通の暮らしができなくなったからです。

何十万人という人びとがパキスタンからアフガニスタンに帰還しており、大きな人道的危機となっています。彼らはさまざまな問題を抱えています。暴力が日常化している場所に戻ったこと、厳しい冬が帰還民にとって大きな課題となっています。

2016年の初頭以来、数百万人の人びとが自国に戻りました。その多くは何十年もの間、外国で生活をしていました。そのため、帰還後すぐに政府や人道支援団体からの支援が必要です。国際移住機関:International Organization for Migration(IOM)によると、今年12月3日時点で、239、724人の未登録の難民が帰還したと言われています。

国連難民高等弁務官事務所:Office of the United Nations High Commissioner for Refugees(UNHCR)やIOMによると、帰還民の大多数(80%)が、ナンガハール州に戻ることを希望しています。これは長年の難民生活で故郷とのつながりがとぎれがちになり、避難先のパキスタンに近接するナンガハール州の文化が似ているということによります。

未登録の帰還民のうち12%未満くらいの人びとは何らかの支援を受けており、大半が現金か食料、もしくはその両方を受け取ったということです。

JENアフガニスタンチームは、ケア・インターナショナル(国際支援団体)、国連人道問題調整事務所:United Nations Office for the Coordination of Humanitarian Affairs(UNOCHA)、パルワン州難民帰還局Department of Refugees and Repatriations, Parwan (DoRR Parwan) とともにいくつかの帰還民世帯に会いました。この目的は帰還民世帯の実情を把握することでした。多数の帰還民のための十分なインフラがないことは明らかで、厳しい寒さの到来が心配です。

20161222_af_
【帰還民から基本的な情報を収集しているところ】

20161222_af__2
【過酷な冬が帰還民の状況をますます悪化させています】

201612122_af_3
【帰還民のための十分なインフラがありません

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。

▼クレジットカードはこちらから

Afghanistan

▼郵便振替の場合は↓

口座番号:00170-2-538657 

口座名: JEN

*通信欄に「アフガニスタン」とご記入ください*

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

12月 22, 2016 生計回復事業 |