2024年10月29日 (火)

絶望と共に「帰還」した故郷で

今回は、パキスタンから帰還し、ジェンの生計向上事業に参加した女性のエピソードをご紹介します。彼女は度重なる苦難を乗り越え、ジェンの事業で自立へのきっかけを掴みました。

+++++++++++++++

私はアフガニスタン出身のファウジアです。住み慣れたパキスタンを離れることを余儀なくされ、最近アフガニスタンに帰還しました。現在はナンガルハル県ベスード地区に住んでいます。

以前は、パキスタンのペシャワールでとても幸せな生活を送っていました。夫は日雇いではありましたが、毎日仕事があり、上の2人の息子は学校に通い、将来のために一生懸命勉強していました。私はNGOが運営する裁縫センターで、服の仕立ての見習いとして働いていました。


しかし5年前、私の人生を変える悲劇が起こりました。夫がパキスタンの建設現場で作業中、ビルの3階から落ち、亡くなったのです。その日から私はたった一人で、3人の息子を育てていかなければなくなりました。

夫の訃報を受け取った時、絶望的な気持ちになりました。幸せだった日々は奪われ、私たちの生活は完全に変わってしまいました。毎日の食事など、必要最低限のものを確保するため、私はやむなく上の息子たちを退学させ、レンガ製造工場で働かせなければなりませんでした。私は、縫製の仕事をしていましたが、機材を借り受け、自宅で小さな仕立て屋を始めることができました。1年以上厳しい状況が続きましたが、苦労が報われ、私たちはなんとか自活できるようになりました。

パキスタン政府からアフガニスタンへの強制送還に関する通知を受け取ったとき、夫の訃報を受取った時のような衝撃を受けました。幾重もの努力のうえに築き上げた、私たちの希望は打ち砕かれ、軌道に乗り始めた仕立ての仕事も奪われ、私たちは悲しみに暮れながらアフガニスタンへの帰還を余儀なくされました。

夫の出身地には、家も、帰る場所もありませんでした。私が仕事を見つけられるか、少なくとも息子たちが働けるようにと願っていました。空きのある借家を見つけましたが、家賃を払う余裕がなく、途方に暮れていたところ、幸運なことに、私たちの境遇を知った近所の人が、半年分の家賃を払ってくれました。

Photo_20241029160101

ジェンの事業に参加できるとわかった時には、とても嬉しく、私の人生をいい方向に変えてくれると直感しました。縫製の技術がある帰還民の女性が自立できるように、ジェンがミシンやアイロンなどの道具を提供してくれたのです。合わせて開催してくれたビジネス研修では、色々なことを学びました。利益を計算して値付けをすることや、トレンドを調査しながら商品を提案することなどです。私は希望を取り戻し、前向きな気持ちで、自宅で仕立ての仕事を始めました。ジェンの研修で教わったことを全て実践しています。自分の仕事を始められたことで、息子たちにホテルの清掃の仕事を辞めさせ、学校に入学させることができました。

今では、家賃、食事、医療、学用品など、家族のニーズを満たすことができます。窮地に追い込まれた私たちに、タイムリーな支援をしてくれたジェンと日本の方々に心から感謝しています。私は、自分の仕事を増やし、子供たちが学校を卒業するまでサポートできるよう、一生懸命働くと決意しました。

現在の制限下では、人生は時に耐え難い困難を伴うことがあります。しかし、私は幸運にも、仕立ての仕事を始めるための手段と知識を得ました。おかげで前に進むことができ、安定した生活への希望を持てるようになりました。

+++++++++++++++

アフガニスタンで厳しい状況にある方々が、一日でも早く自立できるように、ジェンは継続して活動していきます。みなさまのあたたかいご支援を、お願いいたします。

いつも応援をありがとうございます。
ジェンは厳しい環境にいる人びとに寄り添い、
「自立した生活を取り戻すこと」と「心のケア」を中心に支援活動を行っています。
ジェンとともに「生きる力」を支えてください。

今回のみのご寄付はこちらから
JENサポーター(継続)のご登録はこちらから

10月 29, 2024 生計回復事業 |

2024年7月 3日 (水)

未来へ向けた「2度目のチャンス」:食糧を受け取ったマディさん一家

 先日ご紹介した、現在ナンガルハル県で実施しているフード・フォー・ワーク事業にて、対象の人びとへ2か月間の食糧配布を行いました。

「フード・フォー・ワーク(FFW)」事業は、作業の対価として食糧を配布する支援の方法です。しかし、もちろん中には女性や子ども、障がいのある人びとが世帯主の場合もあります。その場合、今回の用水路整備のような作業は難しくFFWの対象とはできません。そのため、現地暫定政権のルールで、FFWを行う場合、半数を「FFW」対象世帯、半数を「単純食糧配布」対象世帯とするよう求められています。

 

Ff_zumen

今回の事業のイメージ図。

   


食糧配布に加え、水や食べ物を媒介する病気などにかからないよう衛生教育を行っています。
本事業では、それとは別に井戸と数か所の給水所を設置予定です。

35歳の未亡人、マディさんは、3人の息子と3人の娘を一人で育てています。女性が外で働くことができないため、一家は、10歳の長男が物売りの仕事をして稼ぐ、150-60アフガニ(175円ほど)を頼りに生活していました。

安価で不安定な稼ぎでは当然最低限の食事さえ手に入らず、みんないつもお腹を空かせています。どうしても食事が手に入らないときは隣人や親戚に助けを求めましたが、毎回頼るわけにもいかず、生きるためにいくつもの家財道具を売り払うこともありました。
家で使う水を汲みに行くのは女の子の仕事ですが、それさえできなくなるほどの空腹に襲われることもありました。

そのような状況で、マディさん一家は、この事業の「単純配布」対象世帯となりました。

Af_20240703_02
食糧パッケージを受け取った10歳の長男(前)とマディさん(右)。(左後ろは他の支援対象の方)
ジェンが配布する食糧パッケージには、主食となる小麦粉や玄米、豆類の他、文化に合わせて緑茶も含んでいます。

食糧を受け取ったマディさんは、「暗闇だった毎日でしたが、2度目のチャンスをいただいた気がします」と言います。

配布後数週間後にご家族を訪問すると、ジェンが配布した食糧を使った食事の風景を見せてくれました。「食糧パッケージは、私たち家族のお腹を満たすだけではなく、より良い未来への希望を与えてくれました」マディさんはそう語ります。
実際に、毎日働いていた長男は、食事を得られたために働く時間を減らすことができ、その時間を使って神学校に通い始めたそうです。

Af_20240703_01
食糧配布後のマディさん(左)と子どもたち。長男は外出中でした。(右はジェンスタッフ)


この支援が、マディさんご家族にとって、小さいけれど大きな自立の一歩になることを願ってやみません。

 

いつも応援をありがとうございます。
ジェンは厳しい環境にいる人びとに寄り添い、
「自立した生活を取り戻すこと」と「心のケア」を中心に支援活動を行っています。
ジェンとともに「生きる力」を支えてください。

今回のみのご寄付はこちらから
JENサポーター(継続)のご登録はこちらから

7月 3, 2024 生計回復事業 |

2024年5月23日 (木)

生計支援で帰還民の人々に笑顔を!

ジェンは、「帰還民支援を開始します」でご紹介した通り、アフガニスタン・ナンガルハル県を中心に帰還民支援を開始しております。
今回はその1つである「生計支援事業」についてお届けします。

厳しい経済状況のアフガニスタンに戻ることを余儀なくされた帰還民は、パキスタンから家財や現金をほとんど持ち込めない状態で新たな生活を始めなくてはいけません。

Af_20240508_01

手持ちの道具でストリートフードを販売している様子(事業実施前)。


そこで本事業では、特に生活の厳しい帰還民が新たな地で生計を立てていくことができるように①道具類の提供と②ビジネス研修を行いました。

現在アフガニスタンでは、女性の就労機会が非常に制限されており*、母子家庭の生活はより一層困難なものとなっています。
*女性が自宅で就労することは認められています。

ジェンは、女性が世帯主の家庭に対して、自宅で仕立屋として働くことができるように、ミシンやアイロン、布などを提供しました。

 Af_20240508_02

引き渡し式の様子。現地の電気事情を鑑み、ガス式のアイロンを支給しました。

男性が世帯主の家庭に対しては、ストリートフードや野菜などの販売ができる手押し車や調理道具などを販売するものにあわせて提供しました。

Af_20240508_03

引き渡し式の様子① 右から4番目の男性は、「帰還民支援を開始します」内に掲載しているお写真の方です

 

Af_20240508_04
引き渡し式の様子②

 

事業実施前は、先行きが見えず表情の暗い方が多かったですが、引き渡し式では笑顔が戻りました!

さらに、今後も安定した収入を得ることができるように、事業準備や販売計画、コミュニケーション、会計管理などについてのビジネス研修を実施しました。

Af_20240508_05

ビジネス研修の様子①


Af_20240508_06

ビジネス研修の様子② 研修は男女別々の会場で実施されました。

  

支援を受けた方からは、「ラマダンの時期に商売ができて良かった」との声が上がっています。 

ラマダンとは、イスラム教徒の五行のひとつである「断食」を行う月のことです。断食と言っても1日中飲食が禁じられているわけではなく、日の入から日の出までの間は食事ができます。その間、人々は普段よりも豪華な食事をたくさん食べるため、食料消費量は通常よりも多くなる傾向があります。また、ラマダン明けはお祝いとしてごちそうを食べたりと、経済が最も活性化する時期です。服を新調する人も多いようです。

 

ジェンは引き続き、支援の対象者が、提供した道具を使用して順調に商売を営んでいくことができているかモニタリング、サポートをしていきます。

これからもアフガニスタンの方々に笑顔が戻るよう、活動を続けてまいります!

 

いつも応援をありがとうございます。
ジェンは厳しい環境にいる人びとに寄り添い、
「自立した生活を取り戻すこと」と「心のケア」を中心に支援活動を行っています。
ジェンとともに「生きる力」を支えてください。

今回のみのご寄付はこちらから
JENサポーター(継続)のご登録はこちらから

 

5月 23, 2024 生計回復事業 |

2024年5月 9日 (木)

フード・フォー・ワークによって食糧危機の緩和を目指します!

ジェンは、アフガニスタンで食糧配布事業を実施しており、その一環として、カレーズ*や水路の整備作業に参加頂いた方に食糧を配布する「フード・フォー・ワーク」を行っています。

*地下水脈を利用した水路で、灌漑にも活用される。洪水、地震等のため土砂で埋まり機能しなくなったところが多い。

現地の人々が知識や技術を習得し、灌漑用水路を整備することによって、必要な水が畑に行き渡るようになり、将来的に作物の収穫量が増えることが期待できます。さらに、自らの力で整備を行ったこともあり、事業終了後も継続的に水路を整備できるようにもなります。

20231月には、アフガニスタンのナンガルハル県ダラエヌール地区で同事業を実施し、合計35の灌漑用水路が整備されました。さらに、整備に携わった大半の方から、今後、自分たちで灌漑用水路を整備していけるとの声があがりました。

◆以前のブログは以下よりご覧ください。
「アフガニスタン フード・フォー・ワーク事業で嬉しい報告がありました!」  
             

新たに場所を移し、20238月から同県チャパルハル地区で、486世帯の方々へ食糧配布を開始し、うち243世帯に対しては、フード・フォー・ワークを実施しました。

整備前の水路は、洪水や地震によって土砂で埋まっていましたが、参加者によって整備された水路には水が流れるようになりました。

Af_20240418_01
灌漑用水路の整備前
    

Af_20240418_02
灌漑用水路の整備後

水門が整備されたことによって、村人たち自身で畑に必要な水の量を調整できるようになり、洪水のリスクにも備えられるようになりました。今後、同地区では、作物の生産量が増加し、食糧危機の状態の改善が期待されます。

Af_20240418_03
水門の整備前   

Af_20240418_04
水門の整備後

Af_20240418_05
水門の完成式典

 

現在、再び場所を移し、同県コギャニ地区においても同様の事業を実施しております。

ジェンは、引き続き人びとが自らの力で生計を立てられるよう支援をしていきますので、応援のほどよろしくお願いします!

 

いつも応援をありがとうございます。
ジェンは厳しい環境にいる人びとに寄り添い、
「自立した生活を取り戻すこと」と「心のケア」を中心に支援活動を行っています。
ジェンとともに「生きる力」を支えてください。

今回のみのご寄付はこちらから
JENサポーター(継続)のご登録はこちらから

5月 9, 2024 生計回復事業 |

2024年2月 8日 (木)

帰還民支援を開始します

 2023年の10月、パキスタン政府は国内滞在に必要な公的書類を持たない人びとに、10月中の国外退去を求めると発表し、11月になると退去していない人たちの取り締まりを行いました。このため、20241月までにアフガニスタンに戻った「帰還民」は40万人を超えました。この中にはパキスタンで生まれ、アフガニスタンで暮らしたことのない方も珍しくなく、40万人の内半数以上が子どもであることもわかっています。

 急に迫られた「帰還」で行き場がない方もあり、多くはアフガニスタンで暮らす親戚を頼り、何とか新しい生活を始めようとしています。この内の約3割の人々は国境を越えた先の「ナンガルハル県」に定住しようとしています。ジェンは長年「ナンガルハル県」で活動してきたので、活動の対象に帰還民の方々にも入っていただく予定です。

 まずは、帰還民の子どもたちへの就学キット・衛生キット等の配布、特に厳しい状況にある帰還民世帯への2か月分の食糧配布、生計を再建するための就業支援等から始めます。アフガニスタンに帰還した人びとが、またこの地で新たに明るく暮らしていけるよう、微力を尽くします。

 日本では報道の機会も少なく、残念ながらアフガニスタンの状況やパキスタンからの帰還民の情報を知る機会も限られていますが、これからも情報発信を続けますので、興味をもって追いかけていただけると幸いです。



Af_20210206_01

手持ちの道具でストリートフードを販売する帰還民の人びと。
このような人びとが充分な収入を得られるように支援を計画しています。

Af_20210206_02 

配布食糧には、主食となる小麦粉や米の他、豆類や、現地の文化に合わせ緑茶も含む予定です。
この写真は、過去に実施した別の食糧配布事業の様子となります。

 

いつも応援をありがとうございます。
ジェンは厳しい環境にいる人びとに寄り添い、
「自立した生活を取り戻すこと」と「心のケア」を中心に支援活動を行っています。
ジェンとともに「生きる力」を支えてください。

今回のみのご寄付はこちらから
JENサポーター(継続)のご登録はこちらから

2月 8, 2024 生計回復事業 |

2023年9月 7日 (木)

自らビジネスを立ち上げ、貧困を脱するサポートを

 人口の97%もの人びとが貧困ライン以下で生活しているともいわれるアフガニスタン。教育や職業訓練機会へのアクセスがないために安定的に働くことも難しく、貧困から抜け出すのがより困難な状況です。

 ジェンは様々な活動を行っているナンガルハル県で、生計支援事業も行っています。求職・職業研修参加希望者を対象に、事業実施地域で需要の高い、造花や造花用花瓶の製造技術を習得できる研修を実施しました。また、すでに別分野の製造技術を習得済みの方々にも参加いただき、事業立ち上げの知識を習得できるビジネス研修も行いました。

 全研修終了後には、習得した技術を活用した事業の開始に必要な道具をお渡ししました。それらの道具の選定には、専門家だけではなく研修参加者にも加わってもらいました。それにより、実用性はもちろん、参加者のニーズに沿ったものを選ぶことができ、参加者からも喜びの声を聞くことができました。

 現在はすべての研修が終了し、ほとんどの受講者が、習得した技術を用いて自らビジネスを立ち上げ始めました。その順調なすべり出しを、ジェンの専門スタッフが引き続きサポートしています。様々な理由で自らビジネスを立ち上げないことを決めた方々も、研修先の工場での就職が決まりました。

 技術や知識を身に付け、安定した収入を得ることは、貧困から脱するための大きな一歩です。生活を良くしたいと考える人びとに寄り添い、その方々が実際に前に進むサポートができることは、私たちにとっても喜ばしいことです。今を生きるアフガニスタンの人びと、またその次の世代のためにも、引き続き活動していきます。

  

Af_0831_03

 3か月間の製造技術研修。造花は来客のために部屋のインテリアとして、セレモニーでは車などへの盛大な飾りつけや、花嫁さんの飾りとしても使われます。(想像を超える盛大さです。ぜひ調べてみてください!)


Af_0831_02

 技術研修を終え、ビジネス研修に参加する様子。女性も別の回に参加しました。

Af_0831_01

 取得技術ごとに、それぞれ必要な道具を受講者と一緒に決定し、お渡ししました。

 

 

 

9月 7, 2023 生計回復事業 |

2023年7月 5日 (水)

アフガニスタン フード・フォー・ワーク事業で嬉しい報告がありました!

紛争、異常気象、新型コロナウイルス、そしてウクライナ危機に追い打ちをかけられた世界規模の食糧危機は、アフガニスタンで暮らす人々の生活にも影響を与えています。

 ジェンは、20231月末より、アフガニスタンのナンガルハル県ダラエヌール地区で、800世帯(約5,600名)の方々へ約2か月分の食糧を配布する事業を行っています。ナンガルハル県の失業者数は270万人(失業率85%)、借金のある世帯数は50万世帯と、いずれの数値も国内最悪であり、国内他地域と比べても、深刻な食糧危機下にある人びとが多くいらっしゃいます。

 この地域では農業で生計を立てる方が多く、「カレーズ(カナート)」という地下水脈を活用した、灌漑用水路を使い野菜等を栽培していました。しかしこのカレーズや水路は、度重なる洪水や地震によって土砂で埋まる等、十分に機能しなくなりました。雨水のみに頼らざるを得ないこの状況に干ばつが襲い、食糧の確保がより困難となっていました。

 そこでジェンでは、食糧を配布する800世帯のうち400世帯へは、カレーズや水路の整備作業に参加頂いて食糧を配布する「フード・フォー・ワーク」の形態をとることにしました。現在は整備作業がほぼ完了しており、約260万㎡の農地に水が引かれました。実際に、地域の人びとから野菜の生産量が増加したとの声が上がっているようです。

 

Rehabilitation-23052023-11

カレーズが機能するよう、装置を使って作業を行う人々

 

 アフガニスタンでジェンの様々な事業を統括しているスタッフは、実はこれだけではないんだよ、と嬉しそうに報告してくれました。自らの力で生活をより良くできるという気づきから、カレーズ整備のために使えそうな道具や材料を持ち寄ったり、整備対象となっていなかった貯水槽を整備したりと、コミュニティによる自発的な活動が進められているとのことです。加えて、遠くまで水を汲みに行っていた女性たちも、水路により負担が軽減されるためこれらの活動に興味を持ち、働く家族を作業現場で励ますこともあるそうです。

 

2_20230705122701

自宅近くの水路整備の様子を見に来ている女性

 

 今後もこの地域ではコミュニティ全体の生活環境の向上が期待できるため、報告を受けた私たち本部スタッフも嬉しく思うとともに、このような活動を他の地域でも実施できるよう、引き続き努めてまいります。

 

※本事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。

7月 5, 2023 支援物資配布生計回復事業 |

2016年12月22日 (木)

次の大きな課題:難民の帰還

過去30年の間、多くのアフガニスタンの人びとはパキスタン、イランや他の国々に難民として移り住み、紛争から逃れました。紛争により普通の暮らしができなくなったからです。

何十万人という人びとがパキスタンからアフガニスタンに帰還しており、大きな人道的危機となっています。彼らはさまざまな問題を抱えています。暴力が日常化している場所に戻ったこと、厳しい冬が帰還民にとって大きな課題となっています。

2016年の初頭以来、数百万人の人びとが自国に戻りました。その多くは何十年もの間、外国で生活をしていました。そのため、帰還後すぐに政府や人道支援団体からの支援が必要です。国際移住機関:International Organization for Migration(IOM)によると、今年12月3日時点で、239、724人の未登録の難民が帰還したと言われています。

国連難民高等弁務官事務所:Office of the United Nations High Commissioner for Refugees(UNHCR)やIOMによると、帰還民の大多数(80%)が、ナンガハール州に戻ることを希望しています。これは長年の難民生活で故郷とのつながりがとぎれがちになり、避難先のパキスタンに近接するナンガハール州の文化が似ているということによります。

未登録の帰還民のうち12%未満くらいの人びとは何らかの支援を受けており、大半が現金か食料、もしくはその両方を受け取ったということです。

JENアフガニスタンチームは、ケア・インターナショナル(国際支援団体)、国連人道問題調整事務所:United Nations Office for the Coordination of Humanitarian Affairs(UNOCHA)、パルワン州難民帰還局Department of Refugees and Repatriations, Parwan (DoRR Parwan) とともにいくつかの帰還民世帯に会いました。この目的は帰還民世帯の実情を把握することでした。多数の帰還民のための十分なインフラがないことは明らかで、厳しい寒さの到来が心配です。

20161222_af_
【帰還民から基本的な情報を収集しているところ】

20161222_af__2
【過酷な冬が帰還民の状況をますます悪化させています】

201612122_af_3
【帰還民のための十分なインフラがありません

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。

▼クレジットカードはこちらから

Afghanistan

▼郵便振替の場合は↓

口座番号:00170-2-538657 

口座名: JEN

*通信欄に「アフガニスタン」とご記入ください*

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△

12月 22, 2016 生計回復事業 |