たくさんの女の子に学ぶ機会を ~vol.2:継続的な通学を目指して~
3回に分けてご紹介するジェンの女子教育支援事業。今回は女の子の継続的な就学につながる、子どもたち・先生への ②各種研修の実施 についてご紹介します。
まずは先生への研修です。アフガニスタンでは教師の58%が必要最低限の資格を持っていません。これには、教育分野での予算不足をはじめ複数の要因があります。政府が教員養成研修を実施する一方、交通費を賄えず、受講できない方も多いそうです。実際に、教育の質を心配する保護者も少なくありません。
そこで学校の夏休み期間中、対象学校の先生へ、授業の計画から評価方法までを含む「基礎教育法」、子どものモチベーション維持や心的ストレスへの対応方法を含む「心理カウンセリング研修」を実施、能力強化を行います。いずれもVol.1でご紹介した研修と同様、参加者自身に考えていただくことを重視しています。
夏休み明けには、子どもたちへ「爆発物回避研修」「衛生研修」を実施します。好奇心旺盛な子どもたちが、地雷・爆発物の被害に遭わないよう、不審物に手を触れない、見つけたらすぐに大人に知らせる等、適切な知識・対応を身につけてもらいます。
また多発する水因性の下痢を減らすため、個人・公共衛生についても学びます。あわせて石鹸や爪切り、タオルなどが入った衛生キットを配布し、研修で実践したことを日常にも浸透させてもらえるよう工夫しています。
実は、学校主体でこの二つの研修を継続実施できるよう、先生にも指導者向け研修を行っています。加えて、学校の様子が見えない家族とのコミュニケーションの一環として、学んだことを家庭でも伝え一緒に実践するよう子どもたちに呼びかけています。
これらにより、地域内で「学校では適切な教育が提供され、身を守る術も教えてくれる」「学校・学びは子どもにとって有益だ」という認識ができ、継続的な通学に繋げることができるのです。
いよいよ最後は ③学校施設整備+教育キット配布 についてご紹介します。イスラム文化ならではの取り組みもありますので、最終回Vol.3もぜひご覧ください!
体調不良の多発、通学の危険性、教育の質への不安を取り除くため、各種研修を行います。
世界手洗いの日(10/15)の記念イベントを行い、研修で学んだ石鹸での手洗いを実践してみせてくれている子どもたち
先生への爆発物回避教育の様子。爆発物への対処法だけでなく、万が一に備えた応急措置の方法も含めて学びます。