たくさんの女の子に学ぶ機会を ~vol.1:地域全体で教育への理解を深める~
アフガニスタンでは今も学校に通えない女の子たちが250万人※いると言われています。ジェンは、国内でも2番目に不就学児童の多い、ナンガルハル県の3地域で女子教育の支援事業を行っています。
特に女の子の就学率が低く、彼女たちが質の高い小学校教育を安心して受けられるよう、①女子教育の啓発活動②各種研修の実施 ③学校施設整備+教育キット配布 という一連の事業を実施中です。今回は①についてご紹介します。
女の子が学校に通えない理由は様々ですが、その一つが、女子教育の重要性が地域の人びとに理解されない文化的要因です。そのため、まずは地域全体に影響力のある宗教指導者や長老の他、保護者等を対象に、教育の重要性に関する研修を行いました。
実は、アフガニスタンの人びとになじみの深いイスラム教の聖典には、教育の重要性を説く節があります。決して「理解してください」と押し付けるのではなく、ジェンスタッフから該当する説を交えながら「皆さんはどう考えますか?」と問いかけ、参加者自ら考えてもらう時間としました。
そこで考えて頂いたことをもとに、宗教指導者には、モスクでの地域住民の礼拝後に女子教育の重要性を説き、理解の輪を広げるという重要な役割を担って頂きました。また長老等にも、地域住民のコミュニティ集会で教育に関する意見交換の機会を積極的に設け、地域内での理解を根付かせる活動を行って頂きました。
地道ではありますが、地域住民自らそして地域全体で考えるという経験が、ジェンが離れた後も子どもへの教育が守られ続ける土壌となります。
アフガニスタンの夏休み明けの先日、3地域の学校に新たに通い始めた子どもたちは、なんと私たちの予測よりも200名も多かった、と現場からとても嬉しい報告がありました。
地道な活動が確実に結果に繋がった手ごたえを感じながら、次回は、先生のスキルアップ、子どもや家族の健康・安全を守る②各種研修の実施 についてご紹介します。女子教育の普及とどのように繋がるのでしょうか?vol2をお楽しみに!
※UNESCO:Let girls and women in Afghanistan learn!
(https://www.unesco.org/en/articles/let-girls-and-women-afghanistan-learn)
今回は「家族やコミュニティの女子教育に対する理解の醸成」のアプローチをご紹介します。
研修中、宗教指導者や長老、保護者等の参加者がいくつかのグループに分かれ、女子教育について話し合いました。
礼拝後のモスク。研修を受けた指導者がたくさんの地域住民に女子教育の重要性を説いています。