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2023年7月 5日 (水)

アフガニスタン フード・フォー・ワーク事業で嬉しい報告がありました!

紛争、異常気象、新型コロナウイルス、そしてウクライナ危機に追い打ちをかけられた世界規模の食糧危機は、アフガニスタンで暮らす人々の生活にも影響を与えています。

 ジェンは、20231月末より、アフガニスタンのナンガルハル県ダラエヌール地区で、800世帯(約5,600名)の方々へ約2か月分の食糧を配布する事業を行っています。ナンガルハル県の失業者数は270万人(失業率85%)、借金のある世帯数は50万世帯と、いずれの数値も国内最悪であり、国内他地域と比べても、深刻な食糧危機下にある人びとが多くいらっしゃいます。

 この地域では農業で生計を立てる方が多く、「カレーズ(カナート)」という地下水脈を活用した、灌漑用水路を使い野菜等を栽培していました。しかしこのカレーズや水路は、度重なる洪水や地震によって土砂で埋まる等、十分に機能しなくなりました。雨水のみに頼らざるを得ないこの状況に干ばつが襲い、食糧の確保がより困難となっていました。

 そこでジェンでは、食糧を配布する800世帯のうち400世帯へは、カレーズや水路の整備作業に参加頂いて食糧を配布する「フード・フォー・ワーク」の形態をとることにしました。現在は整備作業がほぼ完了しており、約260万㎡の農地に水が引かれました。実際に、地域の人びとから野菜の生産量が増加したとの声が上がっているようです。

 

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カレーズが機能するよう、装置を使って作業を行う人々

 

 アフガニスタンでジェンの様々な事業を統括しているスタッフは、実はこれだけではないんだよ、と嬉しそうに報告してくれました。自らの力で生活をより良くできるという気づきから、カレーズ整備のために使えそうな道具や材料を持ち寄ったり、整備対象となっていなかった貯水槽を整備したりと、コミュニティによる自発的な活動が進められているとのことです。加えて、遠くまで水を汲みに行っていた女性たちも、水路により負担が軽減されるためこれらの活動に興味を持ち、働く家族を作業現場で励ますこともあるそうです。

 

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自宅近くの水路整備の様子を見に来ている女性

 

 今後もこの地域ではコミュニティ全体の生活環境の向上が期待できるため、報告を受けた私たち本部スタッフも嬉しく思うとともに、このような活動を他の地域でも実施できるよう、引き続き努めてまいります。

 

※本事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成金やジェンへの寄付金により実施しています。

7月 5, 2023 支援物資配布生計回復事業 |