水衛生事業が無事に完了しました
アフガニスタンのナンガルハル県で、8,000人以上の人びと(1,205世帯)に安全な水と衛生知識をお届けする事業が、8月5日に無事完了しました。今回は国内避難民の方々や、かつて難民だった帰還民の方々が暮らす居住区で、この事業を実施しました。この居住区では、2014年以降は治安の悪化等を理由に、ほとんどの支援団体が撤退してしまい、ニーズが高いにも関わらず、支援が届いていませんでした。
ここでは安全な水へのアクセスが乏しく、女性や子どもたちが毎日長時間かけて、必ずしも安全ではない水を汲みに行っていました。更には戸外排泄が一般的であったため、子どもたちを中心に、下痢などの症状も頻繁に見られました。事業開始時には、地域の方々の衛生知識はとても低かったのですが、衛生教育後にはお伝えした知識や習慣をしっかりと習得していただいたことが確認できました。この習慣を継続し、JENが建設した井戸と給水所をきちんと管理していただけるよう、事業の早い段階で地域の方々を中心に、井戸管理委員会を設立していただきました。自らの力でこの事業の効果を持続していけるよう、委員会の方々には、井戸管理のための知識や技術も身に着けていただきました。
先日、JENの水衛生事業の効果が、事業終了後にも継続していることが確認できる報告が、現地から届きました。2021年11月に同様の事業が完了した、同県パチルワアガム地区アオバキル村の状況です。同地区では、アフガニスタンの他の多くの地域と同じく、コレラが疑われる下痢症状がこの夏、蔓延しているそうです。しかし、私たちが衛生教育を実施したアオバキル村では、そのようなケースは確認されていないとのこと。これはおそらく、住民の方々が安全な水を手に入れられたこと、また衛生教育で身に付けた知識を、継続して実践されていることが功を奏していると考えられます。
JENが建設した深井戸と給水所も、井戸管理委員会の適切な管理により、問題なく稼働しています。周囲の村の井戸は、干ばつの影響で干上がってしまったため、アオバキル村の方々は、この深井戸の水を周囲の方々と分け合っているとのこと。
サポーターのみなさまのご支援により、JENの事業は確実に成果を上げています。ただ、現地のニーズはとても大きく、支援を必要とする人びとがまだ多くいらっしゃるのが現状です。一人でも多くの方に、効率的で効果的な事業をお届けできるよう、活動を継続していきます。