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2021年4月30日 (金)

今までの人生で石鹸を使った覚えは無い。<参加者インタビュー>

サマルさん[43歳・男性]

場所:チャパルハル地域グルダラ村

「水衛生事業のスタッフから、初めて石鹸の話を聞いた時は、そんな物生きていて一度も使った事が無いと思いました。」

今回インタビューにてお話し頂いたのはサマルさん。2人の奥様、6人の息子さん、4人の娘さんという合計13人の家族を率い、ジェンの給水施設建設現場の隣にお住まいです。サマルさんは、2020年9月より開始された4のセッションに渡るジェンの衛生教育で知識を身に着けたいと意気込んでおられました。

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サマルさんのインタビューの様子。2021年3月24日

サマルさん「不衛生な水が衛生になるようにろ過する方法、手洗いが重要な日頃のタイミング、身の回りの衛生や環境を配慮した口腔と食品衛生について学びました。」

質問「石鹸など聞いたことがないとお聞きしましたが、本当ですか?」

サマルさん「いえ、石鹸の事は聞いたことがありましたが、貧困と衛生知識の欠陥により、人生で一度も使った事がありませんでした。ですが、今回の衛生教育のと衛生キットを受け取って以来、日頃から新たな習慣を付け、毎日石鹸を使うようにしています。」

質問「貧困状況の残る生活が続く中で、石鹸を優先して購入する事はやはり経済的に難しいと考えられますか?」

サマルさん「いえ、今はJENが供給してくれた衛生キット(石鹸5個、爪切り1個、歯磨き粉3個、歯ブラシ6個、トイレットペーパー3個、ティッシュ2箱、タオル2枚、生理用ナプキン1パック、21Lの水タンク)を使用しています。それに、使い終わった後も石鹸は買い足すつもりです。特に石鹸を使った手洗いの重要性と効果は、下痢や水が原因の病気の発症が減った事によって痛感し、従来起こっていた体への悪影響も不衛生な環境が原因である事を理解しました。」

サマルさんがお住まいの地域では石鹸を使った手洗いの習慣がなかったため、下痢や水を介して発症する病気になる方々が大変多く、特に子どもたちは学校に行く事が困難になるなど、生活への支障をきたしています。

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食器にかぶせられたネットは虫による病気の繁殖を防ぎます。

サマルさん「衛生教育、衛生キットの供給、さらにコンパウンドごとに繋がれた水道管の設備による安全な飲み水の確保をして頂き、日本の皆様には大変感謝しております。これにより、病気になる回数が減り、これまで費やしていた医療費の節約も出来るようになります。」

サマルさん「JENには私たちの村で人材育成を通して雇用を促す生活支援プログラムも実施して頂きたいです。迅速な対応をありがとうございました。」

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新たにサマルさんのお家の前に建設された給水所

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新たに建設されたトイレの様子

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サマルさん一家がお住まいの家

4月 30, 2021 水衛生環境改善 |