困難にある人びとを支援するということ
アフガニスタンは2001年のタリバン政権崩壊後、政治・経済・社会サービス面の復興の途上ですが、いまだ長きにわたって紛争に苛まれています。現在も250万人の人びとが難民として国外に滞在しています。
中にはタリバン政権以前から長年、パキスタンやイランといった隣国に暮らしてきた人びともいます。しかし、これまで100万人以上の人びとが、土地や家を失い若い世代にとっては馴染みがない「故郷」に戻っています。何とか生活を立て直そうとしますが、中には紛争により国内の別の場所に避難せねばならなくなる人びともいます。
こうした人びとへのささやかな支援として、JENは1,000世帯の他国から帰還した人びとに水タンク・プラスチックシート・台所用品といった物資を提供しました。また、300世帯の帰還した人びと、国内で避難を余儀なくされた人びと、彼らを受け入れているコミュニティの人びとに衛生啓発を行い、約800世帯の人びとを対象に井戸を建設しています。
このような支援は大河の一滴かもしれません。しかし、誰もが取り残されたと感じたり、この世は地獄以外の何物でもないと悲観したりしてはなりません。人びとを取り巻く状況がたとえ彼らを押し流したり溺れさせようとしたりする大きな流れのようなものであろうと、私達が協力して大きく手を広げ、あたかも強靭な網のように彼らを迎え入れることができるはずです。
シニア・プログラム・オフィサー
中嶋 秀昭