地震は、日本ではとても身近な天災ですが、実は、アフガニスタンでもよく起こります。特に、国の東部と北部地域では多くの地震活動が観測されています。
しかしながら、貧困や地震のメカニズムを学ぶ機会がないため、アフガニスタンの建築物は耐震性などが考慮されておらず、人びとは災害が起こった時に大きな被害を被っているのが現状です。被害を更に大きくする要因は、災害が起こったときに何をすべきか、という知識が人びとに備わっていないことです。まずは、どのような備えが必要か、ということを知らなければなりません。
JENは支援者の皆様からのご寄付およびジャパン・プラットフォームの協力のもと、パルワン県の学校を対象に水・衛生環境を整える活動を行っています。2015年10月26日にアフガニスタンと隣国パキスタンを襲った大地震の後、新たに「防災・減災教育」活動を始めました。この活動では子どもたちが災害リスクについて学び、こうしたリスクや災害の影響を減少させることに貢献できれば、と願っています。
これは、パルワン県では初めての試みです。そのためJENは、アフガニスタンの国家災害対策本部に勤める防災専門家に、講師となるための研修を行いました。専門家はその後、パルワン県チャリカ地区の20校の職員453名に対し防災・減災教育を行い、彼らはそれぞれの学校の生徒計約2万人を対象に知識を広めています。防災・減災教育を受けた生徒たちが、日常生活の中で、その知識を家庭やコミュニティに伝えることを目標としています。
各学校で数か月にわたり防災・減災教育を行った後、JENは、職員や生徒たちが知識を実践へと移せるよう防災訓練を実施しました。訓練では、生徒たちは身を守る場所を探したり、正しい方法で避難したりするのみならず、JENが配布した応急処置セットを使って、けが人の応急処置の練習なども行いました。
Bayan Ulia女子高のスルタン・モハマッド校長は、JENに感謝の言葉を述べた上で「前に地震が起きた時は、生徒たちは地震に対して何の知識もなかったため、パニックに陥って叫んだり、我先にと校舎から走り出ていきました。その時に2人の生徒が軽いけがをしましたし、一人の生徒は混乱の中ショックで意識を失うという事態でした。今はもう、避難経路図もあるし、地震が起きたらどうしたらよいかの知識もある。準備万端です」と話してくれました。
【インタビューに答えるスルタン・モハマッド校長】
【防災訓練の様子1】
【防災訓練の様子2】
【学校職員がけがをした生徒に応急処置をする様子】
これまでの、地震教育について、