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2015年2月26日 (木)

衛生教育の波及効果を調査しました

 以前から時々お伝えしている衛生教育支援に関し、今回は最新の調査で分かった成果を紹介したいと思います。

 JENは、衛生的な行動が習慣になるように、子どもたちに衛生の大切さを知ってもらうための支援をしています。子どもは特に、皮膚疾患、発疹、感染症、傷など、衛生状態に関係する疾患にかかりやすいのです。早い時期に、感染や病気を防ぐために必要ないくつかの予防策を教えます。

 JENが子どもたちを衛生教育支援の対象としているのは、子どもたちは社会の中で最も活発な存在で、自分自身の行動を変えるだけでなく、家族やコミュニティの人々にも衛生的な行動を奨励する役割を担っている、と考えているからです。

 昨年の支援活動が一通り完了した後、2015年1月に、子どもたちからどのくらいの波及効果が得られたのかを確認するための戸別調査を、スルヒ・パルサ地区とシーハリ地区で行いました。調査対象となったのは、衛生教育を受けた子どもの家族合計72名です。

【スルヒ・パルサ地区での調査】
150226_mohammad_nadir_khakriz_boy_2


【シーハリ地区での調査】
150226_shamsudin_amamemehdi_girls_h


 調査では、98.61%の回答者が、自分たちの子どもから衛生教育について話を聞いたと答えました。さらに、親たちに衛生教育の内容がよく伝わったことが分かりました。
 

 というのは、まず、回答者全員が安全ではない水が下痢を引き起こすことを理解していたからです。また、「食事の前やトイレの使用後には手を洗うべきだ」と答えたのも全員でした。このほか、全員が煮沸で水を消毒できることを理解しており、83.33%は消毒の方法として塩素消毒も有効であることを理解していました。

 食べ物の衛生管理に関しては、「食べ物に蓋をして保管している」と答えた人は100%でした。そのうち38.8%の人は、蓋をする理由として、「食べ物を安全に保つため」と答え、29.1%の人は「病原菌や虫から食べ物を守るため」と答えました。

 調査の際、複数の人たちから、「個人の衛生環境はコミュニティの健康や衛生状態にとても大きな影響を与えるので、今では自分の衛生環境にとても気を使っている」といった声を聞くことができました。

 これらの調査結果から、JENの衛生教育プログラムがコミュニティの人々へ少しずつ変化を起こしていることが確認できました。また、これにより、衛生教育の授業を直接受けた子どもたちが、衛生を保つことの大切さを十分に理解しただけでなく、それを家族にきちんと伝えている、ということも見て取れました。

 ジェンイスラマバード事務所 会計アシスタント
 サマル・ブット

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Afghanistan

2月 26, 2015 衛生教育 |