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2014年10月30日 (木)

着実に広がる衛生教育

 JENは2010年より、パルワン県の人々の健康状態を改善するために、特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームおよび支援者の皆様のご支援を受け、学校での水衛生施設と衛生教育を実施しています。

 毎年、JENは衛生教育プログラムの影響を測るために、学校でモニタリング調査を行います。今年は4回予定されているうちの3回分のモニタリング調査を完了しました。

【スルヒ・パルサ地区のSoghra Shaheed女子高校 
 衛生教育活動についての生徒へのモニタリング】
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 モニタリング調査の結果は、大いに勇気づけられるものでした。

 6月の時点で、「大変良く衛生的な行動ができている」と評価された生徒は45.67%で、8月にはその数値が62.10%に上昇し、更に10月には64.97%となりました。

 また、6月の時点では、きちんと衛生的な行動がとれていない生徒の割合が18.79%でしたが、8月には5.70%に下がり、10月にはさらに4.29%にまで下がりました。

 これはとても大きな変化だといえます。回を追うごとに改善がみられることから、次のモニタリングではさらに良い結果が期待されます。これまでで最大の成果は、高学年生徒の中にはすでに、衛生的な行動が取れていない生徒が1人もいないということです。
 

 このようなJEN独自のモニタリング結果に加え、対象地域における下痢患者の割合が大幅に減っていることも、現地政府機関である公衆衛生局の統計データで確認されています。

 同データでは、毎月・毎年の下痢患者減少率が、JENの活動対象の地域では、対象外の地域よりも顕著であることを示しています。2009年当初と比較すると、下痢患者の割合は、JENの活動対象外の地域では5.3%の減少率にとどまっているのに対し、対象地域では53.5%減少しています。

 このように下痢患者の割合が継続的に減少していることから、学校やモスクでの衛生教育が地域に浸透し、今後も減少傾向が続いていくことが期待されます。活動の成果が広がり、持続されるよう、今後も工夫を重ねながら活動を継続していきます。

【教師たちに研修が行われました。教師たちはさらに、生徒たちに衛生知識を学校で生徒たちに教えました。
Khakriz 男子高校】
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【2014年6月、Amam-e-Mehdi女子高校で巡回映画が上映されました】
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イスラマバード事務所 シニアプログラムアシスタント
ハニフ・カーン



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10月 30, 2014 衛生教育 |

2014年10月16日 (木)

手を洗うこと

 手洗いは人々の衛生にとって大変大切な習慣の一つです。感染症を防ぐ最も効果的な方法なので、手洗いは予防接種の一種と言っても過言ではないでしょう。

 一般に手洗いとは手を洗う行為で、泥やほこりや細菌を取り除くために、水や石けんやアルコール性殺菌剤等を使います。
人は何気なく他の人に触れることによって細菌を移してしまう可能性があります。また汚染された物に触ったあと自分の顔や口、目や鼻や体の他の部分に触れることで、細菌に感染することもあります。

 手洗いは時間もかからず、大きな努力も必要としませんが、病気の予防に大変役に立ちます。この小さな習慣を身に付けることは、私たちの健康を守るのにとても重要なのです。

 日常の手洗い、特に食事前やトイレの後などある種の行動の前後に行う手洗いは、細菌を取り除いたり、病気を予防したり、細菌を他の人に移すのを防いだりするための一番良い方法です。

 手洗いには通常5つのステップがあります。濡らす、石けんをつける、ゴシゴシと洗う、水で洗い流す、そして乾かす、です。手や腕にアクセサリーを付けていたら、手を洗う前に外した方がいいでしょう。

 料理をする前後、食べ物を食べる前後、病人の介護をする前後、傷やケガの手当の前後、トイレを使った後や子どもの世話をするとき、鼻をかんだり、くしゃみをしたり、動物やゴミに触ったりした後は、必ず手を洗わなければなりません。

 石けんや水が使えない場合は、アルコール性殺菌剤またはある種の細菌を除菌できる灰や泥を使います。灰は、アフガニスタンでは細菌を取り除く他の手段がない時によく使われます。

 ジェン・アフガニスタンは、教師に対する衛生教育のトレーニング、そしてその教師を通じての生徒に対する衛生教育を行うことで、生徒からその家族やコミュニティーに対して衛生教育が波及することをねらいとしたプロジェクトを実施してきました。
 
 その結果、生徒や教師やその家族たちの衛生に対する意識に大きな変化が見られるようになりました。つまり、健康でいるためには清潔な状態を保つことがとても重要だという意識が芽生え始めたのです。

【世界手洗いデーのセレモニーで、石けんで手を洗う子どもたち】
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【ジェンのHEモニタリングの際、石けんで手を洗う子どもたち】
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【フォローアップが実施された際、石けんで手を洗う子どもたち】
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 ジェンの20周年記念として、ジェンの各国事務所に「手を洗おう」という言葉をそれぞれの国の言語で描いたポスターが共有されました。アフガニスタン事務所スタッフも、自分たちが伝えている手洗いの大切さを忘れないよう、ポスターを事務所に掲げて活動を続けています。

【ジェン・アフガニスタンのスタッフたち】
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【ジェン20周年のポスターを持つ筆者】
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ジェン アフガニスタン事務所
シニア・フィールド・オフィサー
ハミードゥラ・ハミッド



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10月 16, 2014 事務所・スタッフ衛生教育 |

2014年10月 2日 (木)

ゆめポッケを配布しました

ジェンは先日立正佼成会のご支援により、「ゆめポッケ」の配布を実施しました。
ゆめポッケの配布は、長年紛争が続くアフガニスタンで傷付いた子どもの心を癒すため、2005年以降毎年実施されています。

今年は4770個のゆめポッケをパルワン県のバグラム地区、シーハリ地区、スルヒ・パルサ地区の低学年児童へ配布しました。

手作りのきんちゃく袋でできたゆめポッケには、日本の子どもたちが用意した文房具やおもちゃ、手紙などが詰まっています。アフガニスタンの子どもたちには、紛争で家族を亡くしたり、家族が病気やけがでつらい思いをしていたり、生まれ故郷から避難しなければならなかったり、貧困に苦しんだりと、幼いながらも過酷な経験をしている子たちがまだまだ沢山います。ゆめポッケにはそういった子どもたちへの思いやりや励まし、平和への祈りが詰まっているので、ジェンのスタッフは届いたポッケをとても大切に扱います。ポッケを配布した時の子どもたちの笑顔を見るのは本当にうれしいもので、貧しい暮らしをしている家庭に、幸せと喜びをもたらすものだと思います。

私が強調したいのは、幸せはみんなで分かち合うものだということです。自分の幸せは、自分とつながるほかの人たちの幸せによってもたらされ、自分の幸せは周りの人にも伝わっていくのです。この幸せの波及は、3人先の知り合い(たとえば友達の友達の友達)までつながっていくといわれています。幸せを求めることは自己中心的に何かを求めることではなく、実際は周りにいる人のために何かをすることなのだと思います。ゆめポッケを子どもたちへ渡すことによって得られる自分の中の幸せな気持ちは、ほかのことでは得られないものです。

最後に、受け取った子どもたちからの声もご紹介します。

「先生から、ある団体が僕たちにプレゼントを届けに来ると聞いていたので、皆本当に楽しみに待っていました。僕は待ちきれないぐらい楽しみにしていました。ゆめポッケを受け取って、僕の夢はかないました。本当に素敵な贈り物です。これから毎日学校に通って、勉強を頑張ろうと思います。素晴らしい贈り物をありがとうございました!」
(ナジブラ君、12歳)

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「本当に夢のような贈り物です。ゆめポッケには、人形やポケットティッシュ、ノート、ペン、鉛筆、ボール、消しゴム、鉛筆削りなどが入っていました。これから人形で遊んで、文房具は学校で使おうと思います。本当にうれしいです。ありがとうございます!」
(ズバイダさん、8歳)

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ジェンイスラマバード事務所 会計アシスタント サマル・シャキル・ブット




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10月 2, 2014 支援物資配布 |