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2014年5月29日 (木)

バダフシャン州地滑り被災者緊急支援

 2014年5月3日に、バダフシャン州は大規模な洪水と地すべりに見舞われました。

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 4月下旬から発生した洪水により、アフガニスタン北部の97地区が被災しました。UNOCHA(国連人道問題調整事務所)によると、洪水と地すべりによって、アフガニスタンでは現在確認されているだけでも675人が亡くなったとのことです。

 このうち、もっとも悲惨な災害に見舞われたのはバダフシャン州アルゴ地区で、1回の地すべりで少なくとも503人もの人が亡くなりました。その地滑りによる被災規模は甚大で、緊急の支援が必要でした。
JENは2001年からアフガニスタンで活動しています。今回の緊急事態を受け、支援者の皆様からのご支援により現場へ現地スタッフのチームを送りました。

 到着後、まずUNAMA(国連アフガニスタン支援ミッション)や他の機関と調整を行い、被災地域を訪ねて調査を行いました。現場調査とUNAMAからの情報から、被災者は食糧と食糧以外の物資についても緊急で必要としていることがわかりました。インフラも広範囲にわたりダメージを受けており、衛生状態の悪化も差し迫った問題でした。多くの援助機関が、シェルターの確保などに集中していたため、JENは必要な物資配布の対応を行うことに決めました。

 対象となったのは、地滑りが発生したアブ・バリク村の850世帯です。調査結果をもとに、JENは衛生キット、哺乳びん、粉ミルク、手洗い用せっけん、燃料缶などを調達し、5月14日に配布しました。

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 衛生キットは被災地においても衛生的な生活を確保できるよう配布されました。また、十分に行き届いていなかった哺乳びんと粉ミルクは、被災したコミュニティにとても喜ばれました。被災者の話によると、母を亡くした乳幼児がたくさんいるとのことで、今後が心配されます。

 JENは現在、引き続き洪水・地滑り被災者の支援を実施するため、2回目の調査を行っているところです。

ジェン イスラマバード事務所
アフガニスタン事業シニア・プログラム・アシスタント
ハニフ・カン



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5月 29, 2014 支援物資配布緊急支援 |

2014年5月15日 (木)

自然も生き生きとよみがえる春、子どもたちは学校へ

 春はアフガニスタン暦の最初の季節です。アフガニスタンでは、毎年、この時期に新年を祝います。

 昔からこの国では、新年の初日を祝日として祝っています。このほかカブールを含むいくつかの州の学校では、新年の2日目は「農業の日」と呼ばれています。この時期はアフガニスタンで最も良い季節で、緑の木々や様々な色の花、果樹の美しい姿をあちこちで目にすることができます。

【春の街並み】
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 この時期は学校が始まる時期でもあります。学校へ通う年齢になった大勢の7歳の子どもたちは、家族に伴われて学校へ向かいます。学校や先生のことを知らなかった子どもたちは、学校に通うようになると、新しいことをたくさん学びます。最初はわからないことだらけですが、子どもたちは家族に励まされながら、学校に通うのです。

 今年も大勢の男女児童が学校に通い始めました。その人数は全国で100万人を超えているかもしれません。

【学校に通う女子児童たち】
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 これらの子どもたちが、アフガニスタンの未来を創っていくのです。子どもたちの未来が明るいものになることを祈っています。

 ジェン カブール事務所 総務・調達マネージャー
 アフマド・ファヒム

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5月 15, 2014 文化、生活、習慣 |

2014年5月 1日 (木)

アフガニスタンの歴史的選挙

 今年、ついにアフガニスタンの人々が自らの投票によって大統領を選出する機会が訪れました。多くの人が今回の選挙を、アフガニスタンの歴史上で重大な出来事として注目しています。何十年にもわたり非常に厳しい状況に置かれてきた国が、平和と民主主義を重んじる国であることを示す時が来たのです。

 各ニュースによれば、投票率は有権者の約60%に上ったそうです。有権者数が約1200万人とすると、およそ700万人強の人々が投票をしたことになります。

 ジェンのアフガニスタンスタッフも投票に行きました。投票日直前や当日には、アフガニスタン国内では各地で爆発や銃撃などが発生し、治安上のリスクは高まりました。それでも、ジェンのアフガニスタンスタッフによると、アフガニスタンの人々は、自分の国のより良い未来のために、投票に行くことは国民の道徳的な義務だと考えているそうです。候補者の誰が当選したとしても、国民が大統領に期待することは、国民の基本的なニーズに対応してくれることだといいます。

 新しい大統領は、アフガニスタンという国が、またその国民が、自分たちの力で立ち上がれるのだということを世界へ示し、国を引っ張っていくことが期待されます。アフガニスタンの人々はなによりも平和を望んでいます。平和こそが、ほかの先進国のように、国の発展の礎になると信じているからです。

 投票結果の第1回目は4月26日、第2回目は5月14日に発表される予定となっています。

 イスラマバード事務所長 アズマット・アリ

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5月 1, 2014 文化、生活、習慣 |