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2014年3月 6日 (木)

イスラームとタイガーマスク

「笠地蔵」という昔話がありまして、おじいさんが正月の餅を買うために街まで笠を売りに行きました。帰りに雪を被ったお地蔵さんに売れ残った笠を乗っけてあげたら、お地蔵さんが多大なお礼の品々を自宅まで配達してくれたという非常に良いお話です。

 さて、イスラームには5つの義務が課せられています。その中に喜捨(ザカート)という義務があり、旅人や貧しい人、孤児等にお金や食べ物を分け与える行為です。

 イスラームの聖典「コーラン」の中にも頻繁に出ており、具体的に喜捨するべき額の目安なども提示されています。現世で間違いを犯す、他の義務を履行できない等の場合、代わりに喜捨をすることでそれらが帳消しになるとも説いてもいます。

 また、その善行は神様(アッラー)の御心にかない神様も見ておられるので、結局は現世での死後自分に返ってきます。「定めの喜捨をこころよく出すことは怠らぬよう。アッラーに対し奉り立派な貸し付けをしておくにかぎる。お前たち己が魂のために何か善いことをしておけば、必ずアッラーのみもとに(行った時)もっと善いものを見出すであろう」(コーラン73章より抜粋)

 当地イスラマバードでは、宗教行事の日や冠婚葬祭の時に食物やお金を貧しい人に分ける習慣が根付いています。富める人間はそれを当然のように行う文化にはいつも感心させられます。

 タイガーマスク運動(全国の児童養護施設等に対する匿名寄付運動)も見返りに関する概念がないものの、立派な喜捨行為です。日本には「情けは人の為ならず」という言葉があります。恩恵が神様を経由して返ってくるか、人間社会の摂理かという違いはあれども、この諺、傘地蔵、そしてイスラームの喜捨概念も同じ因果関係を示しており、遠く離れた地でも通じる考え方なのだと思いました。

 アフガニスタン・パキスタン事業担当
 二村 輔

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3月 6, 2014 文化、生活、習慣 |