« 2014年2月 | トップページ | 2014年4月 »

2014年3月20日 (木)

アフガニスタンの首都、カブールの冬

 140320_dsc09279

 通常12月20日頃から3月20日頃まで続くカブールの冬は厳しく、時には3月以降もその寒さが続きます。カブールでは雨や大雪が降り、ここに住む人々は、ストーブに薪をくべて暖を取り、この厳しい冬を乗り越えます。

 毎年秋のはじめには、やがてやってくる冬に備え、人々は薪を買います。この時期の薪は比較的安価ですが、カブールでは終日使えるだけの電力やガスが町にないため、主に薪ストーブを使うしかなく、必然的に薪の値段は高騰していきます。

 また、冬に向けて暖かい服と靴も用意します。特に朝方は全ての道路が凍結するため、車は渋滞し、交通が乱れ、時間通りの移動は難しくなります。

140320_dsc09268

140320_dsc09271
 この季節が来る前に、学生は学校の最終試験を迎えます。冬の3か月間、すべての学校は休みに入り、生徒たちは家で過ごします。この時期は生徒にとって、授業の復習をし、今までの学習内容の理解を深める良い機会でもあります。

 また先生は、冬の間は週1回程度学校へ行きます。この時期は先生にとっても自由に過ごせる時間が増えるため、ある先生は仕事を進め、ある先生はスキルアップのために、政府やNGOにより主催されるワークショップに参加したりもします。

 最近は気候変動の影響で、アフガニスタンではいつにも増して雪が降る日が続いています。

140320_dsc09278

 ジェンカブール事務所 総務・経理マネージャー 
 アフマド・ファヒム


【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】

3月 20, 2014 文化、生活、習慣 |

2014年3月 6日 (木)

イスラームとタイガーマスク

「笠地蔵」という昔話がありまして、おじいさんが正月の餅を買うために街まで笠を売りに行きました。帰りに雪を被ったお地蔵さんに売れ残った笠を乗っけてあげたら、お地蔵さんが多大なお礼の品々を自宅まで配達してくれたという非常に良いお話です。

 

 さて、イスラームには5つの義務が課せられています。その中に喜捨(ザカート)という義務があり、旅人や貧しい人、孤児等にお金や食べ物を分け与える行為です。

 

 イスラームの聖典「コーラン」の中にも頻繁に出ており、具体的に喜捨するべき額の目安なども提示されています。現世で間違いを犯す、他の義務を履行できない等の場合、代わりに喜捨をすることでそれらが帳消しになるとも説いてもいます。

 

 また、その善行は神様(アッラー)の御心にかない神様も見ておられるので、結局は現世での死後自分に返ってきます。「定めの喜捨をこころよく出すことは怠らぬよう。アッラーに対し奉り立派な貸し付けをしておくにかぎる。お前たち己が魂のために何か善いことをしておけば、必ずアッラーのみもとに(行った時)もっと善いものを見出すであろう」(コーラン73章より抜粋)

 

 当地イスラマバードでは、宗教行事の日や冠婚葬祭の時に食物やお金を貧しい人に分ける習慣が根付いています。富める人間はそれを当然のように行う文化にはいつも感心させられます。

 

 タイガーマスク運動(全国の児童養護施設等に対する匿名寄付運動)も見返りに関する概念がないものの、立派な喜捨行為です。日本には「情けは人の為ならず」という言葉があります。恩恵が神様を経由して返ってくるか、人間社会の摂理かという違いはあれども、この諺、傘地蔵、そしてイスラームの喜捨概念も同じ因果関係を示しており、遠く離れた地でも通じる考え方なのだと思いました。

 

 アフガニスタン・パキスタン事業担当

 

【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】

3月 6, 2014 文化、生活、習慣 |