支援活動の持続可能性
人道支援において「持続可能性」とは、何かが維持されること、または維持すること自体が継続されること、として定義することができると思います。
ジェンは支援活動を行うにあたり、その持続可能性に特に気をつけています。支援プロジェクトを立案するとき、ジェンは主に二つの点に着目し、持続可能性を検討します。
一つ目は、ジェンが引き上げたあとも活動が続いていくかどうか。このためには、支援対象となったコミュニティが責任を持って活動を続けていく必要があります。二つ目は、その持続可能な活動が、天然資源に悪影響を及ぼすようなことがないかどうか、という点です。
理想的な「持続可能な活動」の例として、現在ジェンが行っているプロジェクトでは、学校における学校管理委員会(SMC)の形成が挙げられます。
ジェンのスタッフは、まず対象地域のコミュニティで、学校環境を改善するためにどのような支援を行うのがよいか、ということについて考えてもらいます。また、彼らが支援活動において主体的にかかわっていくことが大事であるということを伝えます。コミュニティは、長期的に活動を率先し責任をもって継続していかなければならないのです。
これまでのジェンの支援実施後、現在のところすべての学校管理委員会が適切な管理機能(資金調達や管理など)を維持しているのは、非常に心強いことです。それに加え、ジェンが形成をサポートした学校委員会は、定期的にミーティングも開いています。
モニタリングに訪れたジェンの現地スタッフによると、昨年プロジェクトを実施した学校に設置された学校管理委員会は、今でも学校の環境改善において重要な役割を果たしているとのことでした。すべての委員会が、それぞれの学校において、将来的にも環境改善活動を行っていくことを約束してくれているのです。
例えば、ジェンが2012年に教室、トイレ、貯水槽を設置したバグラム地区のカライ・ナスロ高校では、ジェンの活動終了後、学校管理委員会が自らの努力で外周壁を建設しました。彼らはまた、学校を通って村の農地へ水を送るため、コンクリートの水路も設置しました。さらに、同行では学校環境を美しくするため、学校に花や木を植えたという報告も受けています。学校管理委員会はこれらを実施するため、コミュニティ全体に寄付を呼びかけました。寄付を出せない貧しい人々は作業で貢献しました。
これらの活動は、学校管理委員会やコミュニティの自信となり、彼らは今後もジェンによって始められた環境改善のための活動を維持していくと話してくれています。
また、パルワン県教育局も、これらの活動には非常に精力的です。学校管理委員会が長期にわたり活動を維持していくことができたら、それは教育局を経済的に支えるだけでなく、県全体の教育の質向上にもつながっていくのです。
【学校管理委員会の建設した外周壁】
【コンクリートの水路】
イスラマバード・ジェン事務所
シニア・プログラム・アシスタント
ハニフ・カーン
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