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2013年11月 7日 (木)

行動の変化をもたらすために

 殆どの人道支援プロジェクトは、コミュニティの姿勢や行動に長期的な変化をもたらすことを目標にしています。そのため、JENアフガニスタン事業のマネージャーたちは、コミュニティの普段の行動に注目しながらプロジェクトの計画を練り作ります。

アフガニスタンでは、今も多くの人々が衛生にあまり関心を持っておらず、その無関心がさまざまな病気につながっている状況です。

 ジャパン・プラットフォームと皆様からのご支援によって実現している衛生教育プログラムは、教員やムッラーに衛生教育研修を行い、彼らからコミュニティに衛生知識が波及される仕組みになっています。

【先生たちの手洗い研修】
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 この仕組みを強化するため、JENは今年から学校での衛生教育に、モバイル・シネマというユニークな手法を導入しています。この活動では、子どもたちになじみのあるアニメや映画を使用した衛生に関するストーリーを上映します。これによって子どもたちが正しい衛生習慣に興味を持ち、毎日の生活で実践するようになることがねらいです。

【モバイル・シネマに見入る生徒たち】
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 学校での衛生教育は今年5月に開始しました。JENは生徒の行動の変化を確認するため、モニタリング調査を6月、8月、9月に実施しました。その結果は大きな変化を示していました。

 調査では、生徒の衛生知識・習慣の習得度を「大変良い」・「良い」・「悪い」の3段階に分けて測ります。6月には約35%の生徒が「大変良い」のスコアを取得しました。9月にはこの比率は約58%に上がり、逆に「悪い」のスコアの数は6月の12%から9月は7%に減りました。

 モバイル・シネマは、衛生教育の理解に特に時間がかかる低学年の生徒たちに集中的に行なったため、低学年の「大変良い」のスコアは、6月の約7%から9月には約29%に上がりました。この伸び率は、昨年の同時期の伸び率に比べると、大きく改善されています。

 また低学年では、「悪い」のスコアを取得した生徒は6月の約23%から9月には約15%に減りました。これらの結果から、モバイル・シネマが全生徒、特に低学年の生徒に良い影響をもたらしていると考えられます。

 私たちの願いは、このプログラムを続けることにより、子どもたちの行動・生活に持続的でポジティブな変化をもたらしていくことです。
 
 アフガニスタン事業プログラム・アシスタント ハニフ・ハーン



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ご寄付は、こちらから受け付けております】

11月 7, 2013 衛生教育 |