モバイルシネマの反響
前回は、衛生教育事業の一環である、モバイルシネマによる生徒たちの行動変容についてご紹介しました。今回は、そのモバイルシネマに対する生徒やコミュニティからの反響をお伝えします。
特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームの助成により実施中の同衛生教育事業では、低学年児童の衛生教育理解度の向上を目指し、6月、8月、9月にモバイルシネマ(衛生教育に関する映画上映)を、事業対象校とその周辺コミュニティに対して実施しました。その反響は大きく、上映の際には学校の児童生徒に加え、コミュニティからも子どもから大人までたくさんの方々が集まりました。
上映開始後のある学校では、次の回の上映のためにジェン現地スタッフが再び学校を訪れた際、次のような光景を目にしたそうです。
7歳の子どもが手を洗わないでリンゴを食べようとしていたところ、8歳の別の子どもが「リンゴを洗わないで食べたらだめだよ。ミナ(物語の主人公)が映画で言ったみたいに、フルーツを洗わないで食べると病気になっちゃうよ」と注意していたのです。このことから、モバイルシネマの効果が表れ始めていることがわかります。
また、ある64歳の男性は、3回の上映会に参加し、「食事をするときにいつもミナを思い出し、彼女が私に語りかけ、しっかり手を洗わなくてはならないことを思い出させてくれる」と話していました。映画による衛生教育のメッセージは、学校の子どもだけでなくコミュニティの方々にも届き、それが行動にも繋がりつつあるようです。
ジェンが活動している地域では娯楽の機会が少なく、映画を一度も観たことがない方々がほとんどです。そのような環境の中、モバイルシネマは学校の子どもたちやコミュニティの方々に映画という娯楽を通し、衛生教育のメッセージを効果的に伝えるツールとなっています。
今年のモバイルシネマ活動は終了しましたが、ジェンは来年も別の学校、コミュニティを対象にモバイルシネマの実施を計画しています。今後も引き続き、衛生教育のメッセージを生徒・コミュニティの方々へ伝え、対象地域の人々の健康の改善を促進し、サポートしていきます。
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