家畜の園、パキスタンについて
アフガニスタンとパキスタンの活動を担当している二村です。アフガニスタンの活動地を訪問できない困難に直面する毎日ですが、今回は、アフガニスタン事業の拠点となっている隣の国、パキスタンについて、お話します。
10月16日~19日まで、”Eid ul-Adha(イード・アル・アドハ)”というイスラームの祝日がありました。世界中のムスリムがお祝いし、パキスタンでももちろん盛大な祝日となりました。
この時期、パキスタンではほとんどの人が帰省し、食用の家畜を買うのが一般的です。解体した肉はアッラーへの捧げもの、貧しい人への施し、近所や家族と共有するものとして皆でこの日を分かち合います。
このEid ul-Adha以外でも、ここではお祝いごとに家畜を買うのは良く見られる光景です。パキスタンは伝統的な肉料理のメニューが豊富で、焼・煮・蒸と手法も多岐に渡ります。
他方で、イスラームでは禁食の掟もあり、人びとは徹底して尊守しています。ムスリムの方々が豚肉を食さないのは有名ですが、コーランでは豚肉以外にも血・死肉も禁食の対象に該当しますし、全ての肉は神の御名によって処理を施した肉でなければなりません。
「死獣の肉、血、豚肉、それからアッラーならぬ邪神に捧げられたもの、絞め殺された動物、打ち殺された動物、墜死した動物、突き殺された動物、また他の猛獣の喰らったもの。ただし、汝らが手を下したものは別である。そして偶像の前で屠られたもの、これらはおまえたちに禁じられている。」(コーラン第5章4節より)
日本に生まれ育った私たちに馴染みの深いもので例えると、スッポン料理(スープ)、ソーセージ等が血を使っているので禁食の部類に入ります。
パキスタンでは以下の動物を見かけることがありますが、荷役用・食用と様々です。
1. 山羊
食用兼乳製品の生産
2. ロバ
イスラームでは禁食とされている。主に乗用と運搬に使われる。
3. 牛
食用兼乳製品の生産
4. ラクダ
食用兼乗用・運搬に使われる
5. 馬
緊急時を除いて、食さない。乗用・運搬に使われる。
6. 羊
食用・羊毛・乳製品の生産に使われる。
JEN イスラマバード事務所
アフガニスタン事業総務経理担当
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