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2013年7月18日 (木)

神聖な期間、ラマダン

「炎の熱」を意味するラマダン(ラマダーンともいう)は、イスラム暦の第9月(月の位置によって毎年少しずつ異なります)を指し、イスラム教徒の断食、あるいは日中飲食をしない期間となります。

 ラマダンは通常29日間~30日間続きます。ラマダン中の食事は2回です。1回目は早朝の祈り(ファジュル)を捧げる前、または日の出前です。2回目は、夕食として知られる、人々が集まって一緒に断食を中断する「イフタール」です。イフタールは、日没後すぐに始まります。伝統的に、イフタールは預言者ムハンマドが断食を中断した方法に倣い、最初にデーツ(ナツメヤシ)を3つ食べます。

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 ラマダンはイスラム教徒にとって、貧しく住処のない、満足な食事をとれない人々について考える機会となります。この経験により、イスラム教徒たちはより従順になり、欲深さを抑えるようになるのです。ラマダン中、イスラム教徒は、自らの犯した罪が許されることを求め、悪事に手を染めることのないように祈ります。

 イスラム教徒はラマダンが、神が人間の前に姿を現した月と信じています。というのは、この月が、コーランの第一節が預言者ムハンマドに示された月だからです。また、ラマダンの月はマリア(イエスの母)にイエスの受胎告知がなされた月でもあります。

 ラマダンは一般的に、イスラム教徒と多くの重要なつながりをもっています。まず、コーランの最初の部分「この世の全てを創造した神の名において、読みなさい」という言葉は、ラマダンの月に提示されたといいます。また、ラマダンの時期に、イスラム教徒の間で有名な「バドルの戦い」があったことも知られています。

 アッラーはイスラム教徒に、ラマダン中断食することを命じています。断食はイスラムの教えの大事な柱のひとつであり、これをしないことは大きな罪となります。この規律はファルドと呼ばれます。病気または旅行中の者は、他の日に断食することが許されます。

 アッラーは信者を苦しめようとしているのではなく、楽にしようとしています。断食する者は、日没まで飲食や性行為を避けることになります。うっかりこれらの行為を行ってしまうことは断食を破ることにはなりません。
 しかし、もし意図的にいつも通りに食物あるいは飲み物をとった場合は、断食を更に60日間行う必要があります。もしこの60日間の断食ができなければ、その人は貧しい人々60人の、一日分の食費を払わなければなりません。この罰はカファラとして知られています。

 これは旅行者や病人、妊婦には適用されません。病人はフィドヤと呼ばれる1.6kg分の小麦で支払うことになります。貧しいため支払いできない人は、すべての支払いが免除されます。
 うがい中に水を飲みこむことで断食が中断された場合は、カッダと呼ばれるラマダン後の断食を再度することになります。

 ラマダン中、アッラーは毎日地上に降り立ち、人々に「私を探し求めている人はいますか?私の助けを必要とする人はいますか?」と呼びかけます。この慈悲は昼夜通して発せられます。
ラマダンの最後の10日間はイスラム教徒たちにとって特に大切な期間で、預言者ムハンマドは昼夜朗読していたと言われており、信者たちは全能の神アッラーにすべての時間をささげるのです。

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7月 18, 2013 文化、生活、習慣 |

2013年7月 4日 (木)

産婦人科医療機器支援~患者の声~

 ジェンは今年5月に千曲国際交流協会の助成を受け、パルワン県チャリカ地区のチャリカ100床病院の産婦人科へ医療機器の提供を行いました。

 今日は医療機器提供後に、同病院の患者から聞いた声をご紹介します。

 サバザ・グルさんは下の写真の新生児の祖母で、パルワン県に隣接するカピサ県のニジュラブ地区から来ました。

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 サバザさんは2年前、義理の娘が妊娠8か月の時に体調を崩したため、彼女に付き添ってチャリカの県立病院に来たそうです。サバザさんの義理の娘はそこで出産しましたが、その病院には低体重児に対応できる設備がなく、赤ちゃんはカブールの病院に移動しなければならなかったそうです。残念ながら、カブールに到着する前に、赤ちゃんは亡くなってしまいました。

 今回、サバザさんの義理の娘は再び妊娠40週でチャリカ100床病院産婦人科に入院することになりました。サバザさんはこのように話してくれました。

「2年前の経験から、私はこれから生まれてくる赤ちゃんのことが心配で、病院のお医者さんに新生児のための設備が整っているかどうか、確認をしました。

 その際にお医者さんが、1か月前にジェンが産婦人科用の医療機器(保温器、パルス・オキシ・メーター、紫外線照射器)を提供したので、新生児のケア設備は整っていると教えてくれたんです。

 お医者さんは、保温器やその他機器を個室に設置したことで、ここの患者をカブールへ移送しなくてもよくなったと言っていました。

それを聞いて私はとても安心しましたし、日本の人々とジェンに感謝しています。

 1週間前、私の孫は帝王切開手術を経て生まれ、適切な新生児用の処置を受けることができました。今は義理の娘も孫も、とても元気です。」



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7月 4, 2013 医療支援 |