アフガニスタンの水質検査
アフガニスタンは世界でも降雨量の少ない国のひとつで、地表の水分はあっという間に蒸発し、それが水不足につながっています。全国的にみて、アフガニスタンの多くの家庭では安全な飲み水へのアクセスがありません。微生物や物理的、化学的に汚染された水は、アフガニスタンにおいて大きな問題となっています。水源は大腸菌などの有害なバクテリアで汚染されており、それによって多くの人々、特に子どもたちや老人が病気になったり、時には亡くなってしまうこともあります。
パルワン県においても、ほとんどの人たちには安全な飲み水へのアクセスがなく、様々な汚染物質、とくに微生物で汚染された川の水を使っていて、住民、とくに子どもたちや老人の健康に悪い影響を与えています。
一方、アフガニスタンでは薬品を使用した水質検査を行える機関がまだ非常に限られています。また、検査用の水は採取後一定時間内に検査をしなければならないこともあり、現在も薬品を使用しない従来の水質検査に頼らざるを得ない場合が多くあります。そのため、支援団体は独自に検査ができる環境を整えるよう推奨されています。
ジェンも2011年以降環境整備に取り組み、時間を要しましたが、今年から薬品を使用した検査を実施できる環境が整いました。検査道具の準備だけでなく、正しく薬品が扱えるよう、2012年11月に特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームの助成による学校環境整備・衛生教育事業の一環として、ジェン現地職員が水質検査研修を受講しました。
ジェンは5月から6月にかけて、2011年と2012年に建設した給水施設をした学校を対象に、薬品を使用した水質検査を実施しました。
今回の検査は、WHOなど、いくつかの国際的な水質基準に基づいて行われました。 細菌試験の結果から、いくつかの学校の給水設備の水には、下痢の原因となりうる有害な微生物が含まれていることがわかりました。ジェンはこれらの学校に対し、塩素消毒を行った上で飲料水として使用するよう強く推奨しました。
これらの水質検査結果は、パルワン県の保健総局、農村復興開発局や、教育省保健局と共有する予定です。ジェンは今後も、学校や地域の当事者たち自身がこの水の問題に対応していけるよう、フォローを続けていきます。
ミルワイス・オメルゾイ
(アフガニスタン シニア・フィールドオフィサー)
【水質検査を行う筆者】
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