パキスタンの伝統衣装「シャルワールカミ」
JENの日本人スタッフがパキスタンの文化に慣れ親しんだ姿を見ると、私たちパキスタン人もとても嬉しいです。今回はパキスタンの民族衣装「シャルワールカミ」を紹介します。今まではこの服に特別な感情はありませんでしたが、JENで働く多国籍の人がこの服を着るととても素敵に見えます。
「シャルワールカミ」の歴史は12世紀、ムガル帝国の時代まで遡ります。
シャルワールカミそのものは、中央アジアの大草原で馬に乗る生活を送っていたイランの人々、「チュルク語族」の衣服が起源だと言われています。これらの部族の多くはイスラム教に改宗しました。
12世紀から、この地域には外部からの侵略が相次ぎ、やがてイスラム教のチュルク語族系イラン人による統治体制(デリー‐スルタン朝、のちのムガル帝国)が現在の北インド、パキスタン地域に確立されました。これに伴い、シャルワールは同地域で伝統衣装として着用されるようになりました。
現在ではイスラム教に関係なく、様々な宗教に属する人が、日常生活でも着るようになりました。
シャルワールカミは南アジア地域でたくさんの人が着ています。「シャルワール」はゆったりしたズボンで、「カミーズ」は長袖のシャツです。着心地が良く、日常生活でも冠婚葬祭でも着用します。特にインドとバングラデシュ、さらにアフガニスタンでも一般的です。ズボンの方はパジャマのように腰回りが広々として足首の部分が締まっているという形状です。
女性が着る場合は、「ドゥパッタ」と呼ばれる長いスカーフかショールを頭と首回りに巻きます。イスラム教徒の女性にとってはチャドルやブルカより身軽です。一方、ヒンドゥー教徒の女性にとっては、寺院内や年長者との面会など、頭を隠す必要がある場合にとても便利です。「ドゥパッタ」はシンプルでスタイリッシュでもあり、単純に肩にかけたり、胸から両肩を覆ったりします。
機会があれば、ぜひこの文化と親しんでもらえればと思います。
イスラマバード事務所
アフガニスタン事業総務/会計アシスタント
フメイラ・ワッハーブ