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2012年12月27日 (木)

コミュニティによる学校への貢献活動

 今年4月に開始したアフガニスタンのパルワン県バグラム地区とジャブルサラジ地区の学校23校を対象とした学校施設の整備では、11月中に全81ヶ所の工事が完了しました。

 対象校の一つであるバグラム地区カライ・ナスロ校では、支援実施前は校舎もトイレもありませんでした。その為、子どもたちは近くのモスク(イスラム教礼拝堂)を教室の代わりに使い、トイレや井戸もモスクのものを使用していました。机や椅子も無く、子どもたちは地べたで授業を受けなければいけませんでした。また、同校は生徒数が610人、教員数が10人でモスクの施設だけでは足りず、屋外で授業受ける子どもたちもいました。


【建設開始直後の様子】
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 上述のような状況を受け、ジェンは、カライ・ナスロ校の敷地内に新しい校舎6教室、トイレ4基、そして手洗い場付き貯水タンクを設置しました。各教室には新しい黒板、机、椅子も設置しています。

【完成した施設】

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 建設が完了した後は、同校の学校運営委員会に施設の維持管理を担当してもらいます。この学校運営委員会は、ジェンによる校舎などの建設に加え、委員会自身からも学校環境をより良くする為に行動を起こしてくれました。なんと、地域の人たちに協力を呼びかけ、子どもたちを外部から守る手作りの外周壁、周辺地域と学校を繋ぐ水路、そして色とりどりの花木を自分たちの力で校内に設置したのです。

【村の人たちがつくった外周壁】
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【水路と花木】121227_6

 このような地域コミュニティによる自主的な貢献活動は、コミュニティの人びとの学校や子どもたちを大切にしようという気持ちを強くします。このような活動により、ジェンが支援した施設の継続的な維持管理や、更なる学校環境改善への取り組みなどが期待できそうです。

12月 27, 2012 学校修復・建設 |

2012年12月13日 (木)

アフガニスタンのクリケット

 アフガニスタンのチャリカ事務所フィールドオフィサーのハミドゥラー・ハミドです。
今回はアフガニスタンの人気スポーツ、クリケット事情をご紹介します。

【クリケットファンの子ども】
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 1990年代、パキスタンのペシャワールで暮らしていたアフガニスタン難民の間でクリケットの人気が高まり始めたのが、アフガニスタンでのクリケット人気の始まりでした。

 1995年にアフガニスタンクリケット連盟が設立され、難民の人びとは2001年後半にアフガニスタンへ帰還した後もクリケットを続けました。同2001年中にはクリケットのナショナルチームが発足し、2010年には女子のナショナルチームも結成されました。

【アフガニスタン女性のナショナルチーム】
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 アフガニスタンチームは2008前半以降、世界クリケットリーグの中で急速に頭角を現し、ICC(国際クリケット協会)ワールドカップ2009、ICCリーグ部門2010に出場したほか、2010年のICC World Twenty20(世界選手権大会)では、インドや南アフリカと対戦しました。

 アフガニスタンのナショナルチームは、4日間マッチ(クリケットには、短時間で終わるものから数日に渡るものまで様々な試合形式があります)で一度も敗れたことがないという、世界記録を持っています。

 またアフガニスタンチームは、ACC(アジアクリケット協会)Twenty20 Cup 2007、2009、2011においても勝利をおさめ、2012年のIcc U-19 ワールドカップ、2012年ICC World Twenty20では、世界トップランクのインドやイングランドと対戦し、世界を驚かせました。自国の英雄たちが世界トップクラスの国と対戦するという、アフガニスタンの国にとって信じられないような夢物語が、現実となったのです。

【2012年WCCにて国家斉唱をするアフガニスタンチーム】
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 クリケットはアフガニスタンの国とアフガニスタンチームに平和や調和、尊厳、信頼、享楽、そして愛をもたらすと私は考えています。

【2012年WCCにて、ポリオ撲滅支援のためバットにサインをする選手】
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 アフガニスタン国内には、Ghazi Amanullah Khan国際クリケットスタジアム、カンダハール国際クリケットスタジアム、Ghazi国際スタジアム、カブール国立クリケットスタジアムといった大きなクリケット競技場があります。また、クリケットの中心として知られるジャララバード市の Shezaiクリケットスタジアムも現在建設中です。
 アフガニスタン政府とクリケット委員会は、今後5年間でアフガニスタン国内の34県全てにおいてクリケット競技場を建設する計画をたてています。

 ハミドゥラー・ハミド(フィールドオフィサー)

12月 13, 2012 文化、生活、習慣 |