イスラマバード長期出張から見えるイスラム文化
東京本部でアフガニスタン事業を担当している藤田めぐみです。 2012年の88月10日からパキスタンのイスラマバード事務所に長期出張にて来ております。到着してからまだ日が浅いのですが、パキスタンの首都であるイスラマバードや文化について感じたことを少しご紹介させていただきます。
イスラマバードは緑豊かで、自然あふれる都市であります。実際に出張前のイスラマバードに対する自分が持っていた印象とはだいぶ変わりました。いたるところに緑があり、鳥のさえずりが聞こえてきます。JENの事務所内でもキツツキを何度か見かけました。町中には緑の生い茂る大きな公園、丘もいくつかあり、人々が家族や友人と共に来ています。また、イスラマバードには南アジア最大のファイサル・モスクもあります。
【丘の上から見えるイスラマバード】
【丘の上のレストラン(MonalMonal)からのイスラマバードの夜景、アズマット・アリ撮影】
【ラマダン時期のファイサル・モスクの夜の風景、アズマット・アリ撮影】
自分が到着した時期はイスラム教のラマダンである断食月(7月20日~8月18日)にあたり、イスラム教の人々は日が出ているときは食事を一切とることが出来ません。日没後から夜明け前までは食事をとることができます。日中は欧米系のファーストフードの飲食店などを除いては、全ての飲食店は閉まっています。イスラム教ではラマダンで、食べられないことを体験することによって、食べ物へのありがたみを得るとも言われています。
また、イスラム教徒の人々は1日に5回お祈りをします。JENイスラマバード事務所の職員も事務所にてお祈りをしています。金曜日は、イスラムの祝日であり集団礼拝があり、お店などを閉めて、お祈りに行きます。 様々なお店が並んでいるマーケットのすぐ近くには必ずモスクがあります。生活の身近に宗教があり、生活と宗教が自然なかたちで一体となっているのを感じました。
イスラム・ヒンズーの伝統習慣である、「メンディ」を体験してみました。メンディはヘナ(Henna)という植物の葉をペーストして、皮膚などに模様を描きます。パキスタンではメンディは化粧としてだけではなく、結婚式のときには手の平や甲に模様を描きます。また、メンディは「幸せ」や「幸運」を表すシンボルとも言われています。
ペーストされたヘナは生クリームを出すような容器に入っており、絞りだしながら模様を描いていきます。ヘナが乾いたら、取り除き、模様が長持ちするように水と砂糖を混ぜたものをふりかけます。人によって違うのですが、模様は約1週間から2週間ぐらいは消えずに残ります。日本の美容院でもヘナで髪を染めたことのある方もいらっしゃるかと思いますが、ここでのメンディに使われるヘナとまさしく同じものです。
【メンディを描いているところ。描き手はJENイスラマバードの職員】
【メンディを乾かしています】
【メンディの出来上がり】
今後とも、長期出張中に、イスラム文化、生活や人々についても深く知り、さまざまな発見をしていきたいと思っております。日本ではなかなか伝えられないパキスタンの美しい文化、生活、人々などについてもお伝えしてきたいと思っております。