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2012年9月20日 (木)

ムッラーから衛生についての説教を聴いた村人

 以前の支援速報でご紹介した、モスク(イスラム教礼拝堂)のムッラー(イスラム教聖職者)を対象とした衛生教育研修の実施以降、ムッラーは金曜礼拝に訪れた村人たちへの説教の時間に、衛生についての説教を行いました。

 モスク周辺の説教を受けた村人は衛生に関する様々な意見を寄せてくれました。



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「金曜日にムッラーが私達に、衛生教育、衛生がもたらす恩恵、衛生と健康との関わりなどについて礼拝前の10分間で説教をして下さいました。お陰で、私たちは衛生に対して関心を持ち始めました。皆、ここで学んだメッセージを地域の他の人たちへ広めていくと言っています。」
バグラム地区グジャール・ヒル村 牧羊者 サマール・グルさん



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「私は、衛生の大切さについては認識していました。息子が学校で学んだ衛生についての知識を話してくれていたからです。先日は、礼拝に行った近所のモスクでムッラーが私に教えてくれました。衛生習慣を生活に取り込むことは、健康であるために重要なことだということを再認識しました。息子と二人で、家族全員に伝え習慣づけていきたいと思います。」
ジャブルサラジ地区メダン・ミナラ村 警備員 ハニフラさん



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「ムッラーがイスラム教の教えに沿って、健康や衛生に関するメッセージを説教して下さり、大変嬉しく思います。」
ジャブルサラジ地区カラ・ミル村 農家 アンザール・グルさん



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「先月、モスクで衛生に関する説教を受けました。ムッラーは『告げた言葉を実践し、家族にも共有することは、皆の健康にとってとても大切なことである』と教えてくれました。今では私は衛生に関する5つの事柄(水、食べ物、歯磨き、身体、環境)について知っています。」
ジャブルサラジ地区ラカール・グル・バハール村 店員 ハジ・ハリッドさん

 同じ地区で衛生教育研修を受けた学校教員に加え、同研修を受講したムッラ―が、モスクでさらに衛生の重要性と知識を広めてくれることは、地域住民への波及効果を大きくしてくれます。今後も子どもたち、そして地域の村人がより衛生的で健康的な生活を送ることができるような支援を継続していきます。

9月 20, 2012 衛生教育 |

2012年9月 6日 (木)

イスラマバード長期出張から見えるイスラム文化

 東京本部でアフガニスタン事業を担当している藤田めぐみです。 2012年の88月10日からパキスタンのイスラマバード事務所に長期出張にて来ております。到着してからまだ日が浅いのですが、パキスタンの首都であるイスラマバードや文化について感じたことを少しご紹介させていただきます。

 イスラマバードは緑豊かで、自然あふれる都市であります。実際に出張前のイスラマバードに対する自分が持っていた印象とはだいぶ変わりました。いたるところに緑があり、鳥のさえずりが聞こえてきます。JENの事務所内でもキツツキを何度か見かけました。町中には緑の生い茂る大きな公園、丘もいくつかあり、人々が家族や友人と共に来ています。また、イスラマバードには南アジア最大のファイサル・モスクもあります。

【丘の上から見えるイスラマバード】
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【丘の上のレストラン(MonalMonal)からのイスラマバードの夜景、アズマット・アリ撮影】
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【ラマダン時期のファイサル・モスクの夜の風景、アズマット・アリ撮影】
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 自分が到着した時期はイスラム教のラマダンである断食月(7月20日~8月18日)にあたり、イスラム教の人々は日が出ているときは食事を一切とることが出来ません。日没後から夜明け前までは食事をとることができます。日中は欧米系のファーストフードの飲食店などを除いては、全ての飲食店は閉まっています。イスラム教ではラマダンで、食べられないことを体験することによって、食べ物へのありがたみを得るとも言われています。

 また、イスラム教徒の人々は1日に5回お祈りをします。JENイスラマバード事務所の職員も事務所にてお祈りをしています。金曜日は、イスラムの祝日であり集団礼拝があり、お店などを閉めて、お祈りに行きます。 様々なお店が並んでいるマーケットのすぐ近くには必ずモスクがあります。生活の身近に宗教があり、生活と宗教が自然なかたちで一体となっているのを感じました。

 イスラム・ヒンズーの伝統習慣である、「メンディ」を体験してみました。メンディはヘナ(Henna)という植物の葉をペーストして、皮膚などに模様を描きます。パキスタンではメンディは化粧としてだけではなく、結婚式のときには手の平や甲に模様を描きます。また、メンディは「幸せ」や「幸運」を表すシンボルとも言われています。

 ペーストされたヘナは生クリームを出すような容器に入っており、絞りだしながら模様を描いていきます。ヘナが乾いたら、取り除き、模様が長持ちするように水と砂糖を混ぜたものをふりかけます。人によって違うのですが、模様は約1週間から2週間ぐらいは消えずに残ります。日本の美容院でもヘナで髪を染めたことのある方もいらっしゃるかと思いますが、ここでのメンディに使われるヘナとまさしく同じものです。

【メンディを描いているところ。描き手はJENイスラマバードの職員】
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【メンディを乾かしています】
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【メンディの出来上がり】
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 今後とも、長期出張中に、イスラム文化、生活や人々についても深く知り、さまざまな発見をしていきたいと思っております。日本ではなかなか伝えられないパキスタンの美しい文化、生活、人々などについてもお伝えしてきたいと思っております。

9月 6, 2012 事務所・スタッフ文化、生活、習慣 |