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2012年1月19日 (木)

衛生教育事業の波及効果

 以前ここでご紹介したとおり、昨年実施したサラン地区・サイードヘル地区の42校を対象とした衛生教育事業によって、子どもたちが衛生の知識・習慣を身につけました。

 そしてその後の調査により、子どもたちが以前よりも健康的な生活を送るようになったことが確認できました。

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2011年度の衛生教育の授業様子

 では、支援を受けた子どもたちの家族は、その効果を得ることができているのでしょうか?

 ジェンは、事業を通して子どもたちが習得した衛生に関するメッセージがその家族に伝えられているのか、またその内容が家庭内で実践されているのかを確認するために、戸別訪問調査を実施しました。
 今回はその調査の様子をご紹介します。

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 サラン地区のババ・ララ中学校に通う子どもを持つ、ヘシュマトゥラさん。
「私個人、そして家族の衛生に対する意識が変わりました。私の家族は家庭の生活環境を清潔に保つことを学びました」
と話してくれました。

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 サイードヘル地区の第2アマム・イ・アザム中学校に通う子どもを持つ、アブドゥル・カリルさん。
「石けんで手洗いをすることは重要だと思いますか?」
 というジェンのフィールドオフィサーからの問いに対し、
「はい、手を綺麗にすることで健康になります」と答えてくれました。
家庭には石けんを常備し、手洗いが習慣となっているようです。

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 サラン地区には山が多く、この時期は日中でも氷点下。
 アクセスするのも一苦労でした。

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 サラン地区のハジ・アブドゥル・ハキム中学校に通う子どもを持つ、アラー・ダッドさん。
「私たち家族の中でも、特に子どもたちが頻繁に手洗いをするようになりました。歯みがきも欠かしません。この様な衛生教育事業はとても有効ですね。私たちの家族だけではなく、地域にとっても同じだと思います」
 と話してくれました。

 上記のような戸別訪問を、42校3世帯ずつ、計126世帯を対象に実施したことで、衛生教育の家庭への波及効果を確認することができました。

「衛生に関する情報を誰が提供しましたか?」という問いに関しては、96%が「子ども」と回答しました。
 また、「昨日手洗いの際に何を使用しましたか?」という問いに対し、88%が石けんを使用したと回答しています。


 更に、「この2週間で、あなた自身・あなたの子どもは下痢をしましたか?」という問いに対しては、全員がしていないと回答しました。
 下痢に対する意識や、生活環境を清潔に保つ意識にも向上が見られました。

 これらの人々が衛生教育事業から得たメッセージを今後も継続的に実践し、地域の他の人たちにも伝わり、より多くの人が安心して生活していけるようになることを願うばかりです。

1月 19, 2012 衛生教育 |

2012年1月 5日 (木)

工事が完成するまで

 昨年も無事に、予定されていた全ての工事を終了することができました。

 ジェンが昨年サラン地区・サイードヘル地区で実施した学校施設の修復・建設工事は、対象校数14校、工事数は45件にのぼります。

(写真:外周壁)

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(写真:トイレ)

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(写真:手洗い場)

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 アフガニスタンでは治安上の理由から、事業を監督する国際スタッフが国内に駐在することができない状況が続いています。そのため、国際スタッフはこれら工事の進捗も、すべてパキスタンのイスラマバードで管理しているのです。

 工事そのものは現地業者へ委託しますが、工事現場へは毎日アフガニスタン人の現地ジェンスタッフが足を運び、工事の進捗をレポートにして国際スタッフへ提出します。

 更に、現地スタッフが現場で撮影した写真をイスラマバード事務所と共有し、国際スタッフも現場の状況を目で見て把握できるようにしています。

 写真は、工事の進捗が明確にわかるよう、毎回同じ角度から撮影します。

 例えば、こちらはチェナキー男子学校の教室建設の様子です。

 土台を作って(1週目)、
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 レンガを積み上げ(2~3週目)、

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 屋根ができ(4週目)、
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 窓枠もついて(5週目)、
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 塗装を施し、完成(6週目)。
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 昨年はこのような取り組みを45件分全ての工事で実施しました。

 予定通りに工事を終了して、子どもたちに快適な学習環境を提供できるよう、現地スタッフと国際スタッフの双方が協力し合いながら事業を進めています。

 今年も引き続き、ひとりでも多くの子どもたちに支援が届けられるよう、活動を続けていきます。

1月 5, 2012 学校修復・建設 |