衛生教育授業の結果が出ました
ジェンでは衛生教育事業の一環として今年パルワン県サイード・ヘル地区とサラン地区の学校42校で生徒に6カ月間にわたる衛生教育授業を実施してきました。
授業を開始する前に、支援対象の全学校に実施した衛生に関するKAP(知識・態度・実践)調査しました。対象校は、これまで教育局や他の援助機関からも衛生教育を一度も受けたことがない学校です。
ニーズの聞き取り調査をして村を回った際に、その学校の教員や生徒が通う村の首長や親から、「子どもたちに衛生教育を実施してほしい」と強い要請がありました。
調査の結果で、約75%の子どもは衛生知識・習慣がないと判明しました。ほとんどの子どもたちが、正しい手洗いや爪きり、歯みがきなどの知識がなく、また日常的に実践する習慣がありませんでした。村の子どもの深刻な健康問題であった下痢やコレラはそのような不衛生な生活に一部の要因がありました。そのような子供たちの衛生状況を改善するために、ジェンは支援を実施しました。
本事業の支援対象は、学校の子どもたちだけではありません。学校の教員とパルワン県職員も支援の対象です。今年の3月までの間、教育局の衛生教育専門家が県職員14名を衛生教育専門家として育成し、その専門家が、同期間中に学校42校の全教員約720名に3日間の衛生教育研修を実施したのです。
正しい衛生知識を得た教員は、5月中旬より冬の試験期間が始まる11月半ばまで、ジェンのカリキュラムに沿って生徒に衛生教育を実施していきました。
5月から6月にかけては、石けんや歯ブラシなどの衛生キットを全学校の約22,000人の生徒に提供しました。配布した衛生キットは、衛生的な生活をおくるための最低限必要な用品で、子どもたちはそれらを学校と家庭で実用しながら、衛生教育授業を受けました。
6月から10月の各月末、パルワン県教育局の職員と、ジェンが設立した学校運営委員会、そしてジェンのスタッフで、子どもたちの衛生知識習得・実践状況をモニターして確認、その結果を学校側と話し合ってきました。継続的に衛生状況の確認と指導改善を行ってきた結果、徐々に子どもたちは正しい衛生習慣を習得していきました。
そして今月(11月)中旬、支援対象学校の全42校の子どもたちに対して、再びKAP調査を実施しました。授業実施後の現在は、衛生習慣・知識のない子どもは0%となり、約85%の子どもたちが十分な知識を確実に習得・実践、残りの約15%の子どもたちも基礎的な知識を習得・実践するようになったという結果になりました。
12月はこの結果を踏まえ、今後も学校側がこの状況を継続し、より良い方向へ発展させていくように学校運営委員会と教育局の職員と話し合いをもちます。
===== ご報告 =============
平成23年度 外務大臣表彰受賞しました。
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