きれいな水を求めて
現在、ジェンのアフガニスタンチームが遂行する事業の一つに、パルワン県のチャリカ地区にある、最もニーズの高い7校で給水施設の設置・衛生施設の改善・衛生教育(通称「WASH(Water, Sanitation, and Hygiene)」)があります。まだ事業開始から4カ月ほどですが、来年度に実施する事業のための調査も開始しました。来年度は、パルワン県のチャリカ地区から他の地区の学校へ、このWASH事業を拡大していく予定です。この約1カ月でチャリカ地区の近隣地区22校で調査を終了、さらに約10校の調査をします。
この地区では、地表から60M程度の浅井戸では水が出ないので、運河の水を使用している学校が多数ありました。この運河には、生活排水も流れ込みます。運河の水をきれいな飲み水にする方法が、アフガニスタンには、まだありません。全国34県のうちの2県で、欧米系NGOの支援によって、各家庭(1世帯約8人)で使用する水が濾過できるフィルターが設置されました。しかし、学校でも使えるような大型のフィルター装置は、まだありません。100M以上の深さの井戸を採掘すれば、運河の水に代わって、きれいな水を使える可能性もありますが、その採掘機械と技術が、民間の建設会社には、まだ普及していません。
多くのアフガニスタンの人びとにとって、きれいな水を手に入れることは、とても難しいことです。アフガニスタンの現状を踏まえると、一つの団体ができる支援は限られています。時間と手間がかかりますが、さまざまな機関・団体・政府と調整しながら、アフガニスタンの人びとにとってベストな支援ができるよう、活動を続けていきたいと思います。