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2010年3月18日 (木)

再び金メダルを目指して

 イスラマバード事務所の近所にカブール出身の友人、ファヒマが住んでいます。彼女はハザラ人で、タリバン政権時代は両親と兄弟姉妹とともにパキスタンに亡命していましたが、終焉後カブールへ戻り、そこで高校までを過ごしました。ファヒマの父親はカブールでケータリングビジネスを営んでいます。

 見た目は華奢で容姿端麗なファヒマですが、実は柔道の黒帯保持者です。4年前に国際大会で金メダルを獲得した功績で、カルザイ大統領から「欲しいものを一つ叶えてあげる」、と願いを聞かれました。ファヒマは「柔道の練習をする道場を作ってください」と答え、4カ月内に叶えると約束してもらったそうです。、しかし、4年経った今も施設はありません。

 ファヒマとはイスラマバードで働く援助関係者が多く通っている「超筋トレ」クラスで会いました。治安の関係上外出しないため、体力維持を心がけて多くの女性が週に2、3回通っています。その中でファヒマは体力アップを図り、2009年から毎日のように仕事の後に通っています。定期的にラホールの道場へ通い、日本仕込みの柔道家から指導も受けます。近い将来、アフガニスタン代表としてまた柔道選手権へ出場し、そこで金メダルを獲ることを目標に、毎日トレーニングに励んでいます。

3月 18, 2010 文化、生活、習慣 |

2010年3月 4日 (木)

アフガニスタンにおける人道支援

100304  2010年1月19日からJENのアフガニスタン事業のためにチャリカ事務所で勤務することになりました、スルタン・ハムーシュです。

 30年もの戦争の間、アフガニスタンの人びとは、人道面、政治面、経済面、文化面など多方面にわたる問題で苦しんできました。

 タリバン政権崩壊から8年経ち、国際社会によって何十億ドルもの支援が提供されてきましたが、アフガニスタンはいまだに貧困と治安の問題が残ったままで、首都カブールやその他の地域でも女性や子どもが生きるために物乞いをしています。アフガニスタン政府は、人びとの生活を改善する明確な計画を打ち出すことができていないようです。

 人道支援はこのような問題に応えるためにあります。人びとが住む家を追われた時には、彼らの置かれた状況を調査し、支援や保護を提供します。たとえば、彼らが家に帰ることができるように、紛争を起こした当事者と話し合いを行ったりしています。

 しかし、アフガニスタンでは今のところ、避難民の発生という問題について十分に理解されているとは言えません。それは、現地の治安があまりに悪く、どれだけの人が避難民となり、すでに故郷に戻った人はどのくらいいるのかといった現場の情報が得られないからです。

 現在、都市部と地方の両方において、貧困にあえぐアフガニスタンの人びとのために、NGO、国際社会、アフガニスタン政府が連携した貧困削減と人道支援のためのプログラムが求められています。また、政府や国際社会からの支援のための資金が公正かつ効率的なルートで提供されるよう、NGOが目を配ることも必要です。政治的な意図を持たない資金、支援を受ける人のバックグラウンドに左右されない公平な支援が非常に大切となるのです。

 全てのアフガニスタン市民により良い未来が訪れることを私は願っています。困難な状況でもアフガニスタンの人びとを一生懸命支援する人道支援団体の努力が成果を上げ、人びとが自分たち自身の手で生活ができるよう、活動を続けてゆきます。

3月 4, 2010 文化、生活、習慣 |