再び金メダルを目指して
イスラマバード事務所の近所にカブール出身の友人、ファヒマが住んでいます。彼女はハザラ人で、タリバン政権時代は両親と兄弟姉妹とともにパキスタンに亡命していましたが、終焉後カブールへ戻り、そこで高校までを過ごしました。ファヒマの父親はカブールでケータリングビジネスを営んでいます。
見た目は華奢で容姿端麗なファヒマですが、実は柔道の黒帯保持者です。4年前に国際大会で金メダルを獲得した功績で、カルザイ大統領から「欲しいものを一つ叶えてあげる」、と願いを聞かれました。ファヒマは「柔道の練習をする道場を作ってください」と答え、4カ月内に叶えると約束してもらったそうです。、しかし、4年経った今も施設はありません。
ファヒマとはイスラマバードで働く援助関係者が多く通っている「超筋トレ」クラスで会いました。治安の関係上外出しないため、体力維持を心がけて多くの女性が週に2、3回通っています。その中でファヒマは体力アップを図り、2009年から毎日のように仕事の後に通っています。定期的にラホールの道場へ通い、日本仕込みの柔道家から指導も受けます。近い将来、アフガニスタン代表としてまた柔道選手権へ出場し、そこで金メダルを獲ることを目標に、毎日トレーニングに励んでいます。