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2007年8月30日 (木)

レシートにみるお国事情

 外国で支援活動を行うとき、直接支援を受け取る人以外にも、幅広く多くの人が様々なかたちでプロジェクトにかかわります。それはたとえば、現地政府の省庁の人であったり、プロジェクトに必要な様々なものを仕入れる先の人です。そして、その国の個性が見える瞬間が、まさにこうした人びととの日々の小さなやりとりだったりします。

 アフガニスタンも例外なく、強烈な個性を放っています。

Afghanistan_receipt  たとえば、現地スタッフが持ってくるレシート1枚をとってみても(アフガニスタンは治安の問題があるので、自分で買い物に行きません)、かなり個性的で、奥深いものがあります。まず、ほぼ100パーセントが手書きで、現地の多くの人の母語であるダリ語で書かれています。そして、アフガニスタンには、西洋のカレンダーとは違う「アフガニスタン歴」があり、日付はその日付が書かれていることが多いため、いつのことなのかよくわかりません。そして、数字はアラビア語の数字によく似た数字で、私がなんとか自力で解読できるのはこの数字のみ。つまり、レシートの解読さえも、現地スタッフの翻訳に頼らざるをえません。つまり、1回の支出を処理することも、手間隙のかかる作業です。

 さらに、よくよくチェックしてみると、日付が入っていない、計算が間違っているなどの「大らかな」レシートにも頻繁に遭遇します。それも個性だよなーと思いつつ、きちんとしたレシートを取り直してきてもらわなければいけません。活動を支えてくださる方々へ適切な報告をするために、“ある程度の水準”のものを出してもらわなければ、報告の際に問題視されるからです。

 現地の習慣を尊重しながら、自分たちの筋を通す-そんな絶妙なバランス感覚を意識して身につけることが、支援する側にもっと必要だな、と思った今日この頃です。

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8月 30, 2007 文化、生活、習慣 |

2007年8月 9日 (木)

誇り高き人びと

この国に来て誰もが気づくのは、アフガニスタンの人たちは誇り高く、人前で恥を掻かせられることを極度に嫌うということです。
これらはJEN事務所で働くスタッフマネジメントにおいて最も気を配らなければならない点のひとつであり、同時に仕事の動機付けには欠かせない要素となっています。

JENで働くドライバーを対象としたセキュリティーワークショップを行なったとき、「武装集団に捕らわれたときは、抵抗しないであちら側の支持に従うように」と言うと、
「アフガニスタンの男にとってこれ以上の屈辱はない」と聞かされ、驚きました。

長い歴史の中で、アフガニスタンが外敵に屈したことはありません。
絶え間ない戦乱や貧困の中でも、個人や家族、国家としての尊厳は失われなかったように感じられます。
このドライバーの言葉には、ちょうど戦国時代を生き抜いた武士のような印象を受けました。

地政学上、重要な地域であるアフガニスタンは、常に大国の干渉を受け続けてきました。
約25年にわたって続いてきた内戦や、現在の状況も含めて、こうした外部的要因が民族、宗教、政治などの内部的な要素に火種をつけて起こったことは否定できません。

このアフガニスタンの人たちの誇り高き精神が民族、宗教間を越えて互いに協力していくことが、復興に欠かせない要素です。
地元の人たちから見れば「外から来た人」である私たちは、押し付けや干渉ではなく、復興を真に願い、ともに歩む姿勢を忘れてはならないと感じます。

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写真:JENアフガニスタン事務所で働く仲間たち

8月 9, 2007 事務所・スタッフ文化、生活、習慣 |