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2003年2月13日 (木)

3校目の学校がよみがえりました

 「パンジャッド・ファミリー・ハイ・スクール」、「第16小学校」とJENの学校修復事業3校のうち、現在まで2校の完了報告をお届けしてまいりましたが、3校目の「ラビア・ハイ・スクール」の修復工事が2002年12月9日に完了しました。その完了報告をお届けします。

【事業完了報告】
 この事業は昨年8月11日の着工から12月9日の完了まで、カブール市内第4地区で約4ヶ月間に渡って行われました。生徒数は2002年12月現在で、4,467人(女生徒:2,778人、男子生徒:1,689)です。また、 事業実施地区にはおよそ12,000家族が住み、その多くは過去20年に渡る戦争の間、アフガニスタン国内の特に北部の各地から避難し、現在はこの地区に定住している人々です。またパキスタンやイランからの帰還民の家族も少数います。(但し、生徒数、住民数とも流動的です。)ここに住む人々の多くには仕事がありません。今までもお伝えしている通り、この修復事業は子どもたちが少しでも良い環境の中で安心して学ぶことができることと共に、国連開発計画(UNDP)との協力により、「UNDPアフガニスタン復興・雇用プログラム〔REAP=Recovery and Employment Afghanistan Programme〕」の一環として、戦争で職を失ったこの地区の人々に、一時的ではあっても、仕事に就く機会を持ってもらうことを目的としています(今回の事業では111人)。

 どの国のどの事業でもある困難が、この約4ヶ月間の工期の間にもありました。校長先生が変わったことによって最初の契約以上の修復を依頼されたり、現場に行ってみると作業をするべき人がまばらだったり、お給料日には本人ではない”別人”が現れたりといったことです。不安定な社会状況の中で人々が生きていくのは大変なことです。また、生活習慣や文化などの違いの中で、現地の人々とともに事業をして行くことは、「日本流」を押し付けない支援をする上でも簡単ではありません。こうした困難を、現地スタッフと日本からのスタッフが協力し、教育省や地域の代表など関係する人たちと何度も根気よく話し合いを行って解決し、何とか決められた期間内で完了するよう事業を進めてきました。

 今回の事業では、新しいドアと窓のついた16の新しい教室を建て、古い校舎のドアや窓、廊下、教室も修理しました。古い校舎の天井は、新しい梁を入れ、塗り固めました。 また、新旧両方の校舎とも、きれいに塗装し、水道設備の設置や校庭も整備しました。 さらに、いくつかの教室には電気設備を設置し、2つの校門も完成しました。

*REAP(=Recovery and Employment Afghanistan Program)プロジェクト:アフガニスタンの失業者のための雇用促進事業

2月 13, 2003 学校修復・建設教育支援 |

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