2018年6月14日 (木)

生活を潤す井戸水

JENがナンガハル県に建設した井戸から人々は1人1日あたり約100リットルの生活用水を得ています。何人かの家族が写真にあるような容器に1回あたり計200リットルほどの水を汲み、1日に何度か家と井戸の間を往復します。


災害などの緊急時の1人1日あたりの生活用水の量は7.5~15リットルとされていますが、これは最低限の飲用・衛生・炊事をまかなうものです。1人1日あたり約100リットルというのはこれをはるかに超えていますが、日本では1人が1日あたり使う水の量は平均約375リットルで、3倍以上となっています。


井戸ができたおかげで「水汲みを担っていた子どもたちが学校に行ったり遊んだりする時間ができた」・「生活用水を購入せずに済むようになったのでお金を節約できる」といった声が聞かれます。


ただ、残念なお知らせもあります。こうした地域も安全でなく、先日、何人かが政府と反政府勢力との戦闘に巻き込まれて亡くなりました。多くの人びとは長年、故郷を離れて暮らし、戻ってきても一から生活を建て直さねばなりません。JENの井戸建設はいくつもある彼らの生活再建のニーズの一つを支援するものでした。
亡くなった方々のご冥福をお祈りするとともに、残された人びとが何とか力強く生き続けることを願います。


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6月 14, 2018 井戸修復・建設 |

2018年5月24日 (木)

変化した衛生習慣

 JENはナンガハル県で、緊急支援として井戸を建設しています。急増する避難民と彼らを受け入れるコミュニティに十分な水が行き渡る必要があるからです。

 先日、避難民を対象に、衛生の啓発を目的にした勉強会を開催しました。大勢が一度にここへやって来たために、元々の住民と貴重な水資源を共有しなければならなくなり、衛生を保つことによって自分達や家族を守るための知識を得る必要がありました。

 勉強会では手洗い、食べ物の衛生(適切な保存など)、下痢とこれへの適切な対処などについて学んでもらいました。特に手洗いは実行が簡単で、これによって多くの病気を防ぐことができます。

【女性グループに対する勉強会】
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 勉強会の後、受講者が正しい知識をしっかりと得たか、それに基いて適切な習慣を身に着けたかを確認、アドバイスを行うためにJENは各家庭を訪問しました。

【戸別訪問】
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 その中で、4人の子どもをもつサイフォラさんがこう話してくれました。

 「石鹸で手を洗うと、ばい菌がとれて下痢などにかからなくなると学びました。でも、実はやらなかったんです。ある日、JENの人が来ました。そのとき私は燃料にするために家畜の糞を集めていました。私はさっと手を洗って彼女と握手しました。彼女は笑顔で『教えてもらったことを覚えてる?』と言いました。彼女は、私の娘を呼びました。そして、石鹸と水の入った容器をもってきて、私の手洗いを手伝うように言いました。そのとき、『毎日、家族みんなが石鹸を使って手を洗わなければいけないのよ』と言われました。以来、石鹸を使って手を洗うようになりました」。

【適切な手洗いを行うようになった様子】
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 私たちは、勉強会の後、参加者の多くが石鹸を使って手を洗うようになったことを確認しました。これは一見、小さな変化なのですが、いまだに多くの子どもたちが亡くなる原因である下痢などの水因性疾患を防ぐためには、とても有効な方法です。

5月 24, 2018 緊急支援, 衛生教育 |

2018年4月 5日 (木)

井戸の完成

 とうとう11基の井戸が完成しました。避難していた国からの帰還や、紛争による国内の別の場所からの避難によって急増した人びとが、安全な水を手に入れられるようになりました。

 子どもたちは井戸から出る水しぶきに歓声を上げ、大人たちは安定した水源が得られたことに安心しているようです。

 これからは人びとが責任をもって井戸を維持管理していきます。そのために井戸の構造・維持管理方法などを学び、計画を作りました。

 ささやかながら、人びとの生活を支えるための支援ができたことをうれしく思います。

【水しぶきに歓声を上げる子どもたち】
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【着工式典】
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【井戸維持管理の演習】
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4月 5, 2018 井戸修復・建設 |

2018年3月29日 (木)

2度の避難生活をのりこえて

「長年難民として暮らしていたパキスタンから、アフガニスタンの故郷に戻り、新しい生活を始めようとしていた矢先、紛争の影響で再度、別の場所に避難しなければならなくなりました。2度も家を追われること、きっと皆さんには想像もつかないことでしょう。本当につらい日々でした」
 とハズラット・グルさん(45歳)は言います。

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【グルさんと彼の家族の仮家屋であるテント】

「息子たちは学校に入ったばかりで、私たちは生活を立て直そうとしていましたが、また一からやり直しです」

 グルさんは近年、急増しているパキスタンなどの隣国からアフガニスタンに帰還した100万人以上の人びとの1人です。不安定な情勢の続くアフガニスタンでは、帰国した後も、彼のように再度、別の場所へと避難するケースも珍しくありません。さらに、避難先でも安全な水を手に入れること、健康に暮らすこと、子どもたちに安心して教育を受けさせることなどは容易なことではありません。

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【JENが建設中の井戸】

 そこで、JENはパキスタンと国境を接するナンガハル県に帰還した人びとを対象に、井戸の建設と衛生啓発を行っています。グルさんは完成した井戸の維持・管理を担うメンバーに選ばれました。

 彼は言います。「このような形で人びとの役に立てることが嬉しいです。また、妻は衛生啓発を通じて自分たちや子どもたちが身の回りを清潔にし、健康に過ごしていくための方法を学んでいます」

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【男性グループ向け衛生啓発】

3月 29, 2018 井戸修復・建設, 衛生教育 |

2018年3月15日 (木)

困難にある人びとを支援するということ

 アフガニスタンは2001年のタリバン政権崩壊後、政治・経済・社会サービス面の復興の途上ですが、いまだ長きにわたって紛争に苛まれています。現在も250万人の人びとが難民として国外に滞在しています。

 中にはタリバン政権以前から長年、パキスタンやイランといった隣国に暮らしてきた人びともいます。しかし、これまで100万人以上の人びとが、土地や家を失い若い世代にとっては馴染みがない「故郷」に戻っています。何とか生活を立て直そうとしますが、中には紛争により国内の別の場所に避難せねばならなくなる人びともいます。

 こうした人びとへのささやかな支援として、JENは1,000世帯の他国から帰還した人びとに水タンク・プラスチックシート・台所用品といった物資を提供しました。また、300世帯の帰還した人びと、国内で避難を余儀なくされた人びと、彼らを受け入れているコミュニティの人びとに衛生啓発を行い、約800世帯の人びとを対象に井戸を建設しています。

 このような支援は大河の一滴かもしれません。しかし、誰もが取り残されたと感じたり、この世は地獄以外の何物でもないと悲観したりしてはなりません。人びとを取り巻く状況がたとえ彼らを押し流したり溺れさせようとしたりする大きな流れのようなものであろうと、私達が協力して大きく手を広げ、あたかも強靭な網のように彼らを迎え入れることができるはずです。

 シニア・プログラム・オフィサー
 中嶋 秀昭

3月 15, 2018 井戸修復・建設, 支援物資配布, 衛生教育 |

2018年2月22日 (木)

ザビフラさんと井戸

 ザビフラさんが難民として隣国のパキスタンに移住したのは12歳の頃でした。
 それから2度、ヨーロッパ行きを試みました。彼は言います。「中学校まで行きましたが、家が貧しく、それ以上、学業を続けられませんでした。そこで日雇い労働を始めましたが、人生の目的が見出だせず、お金を借りて、よい生活を求めてヨーロッパに行こうとしました。でも失敗しました」。

 ザビフラさんは2016年にアフガニスタンの故郷に戻りましたが、農地に乏しかったために一家は仕事を求めて別の場所に移りました。
 その後の生活について、こんな話をしてくれました。

*******************

 アフガニスタンに戻った後、政府が帰国を支援してくれると思っていましたが、実際には9,000アフガニ(約14,000円)しかもらえませんでした。兄弟となけなしのお金で2部屋の家を建てました。それでは手狭なので、他にテントを2つ建てています。

 今は手押し車に果物を積んで売っています。1日に250~500アフガニ(約400~800円)の売り上げですが、7人家族が食べていけます。

 生活は落ち着き、希望がもてています。しかし、私たちは水不足に悩まされています。
以前は25リットルあたり20アフガニ(約30円)で水を買っていました。でも、家から800メートルほど先にパキスタンで一緒だった友人が井戸をもっていることを知り、今は仕事帰りに子どもたちと一緒に水を分けてもらいに行っています。

 そんな私たちにとってJENが井戸を建設してくれていることはうれしいことです。

 JENが建設している井戸の維持管理委員会に入れてもらいました。井戸が完成したら、定期点検、点検や修繕のための資金を集めて管理すること、井戸とその周辺をきれいに保つこと、水質を保つこと、人びとに衛生について啓発することを心がけます。

 近所の人びとも水不足に悩まされています。井戸はまだ建設中ですが、子どもたちが「井戸はいつできるの?水を汲むのにお金を払わなくてよいの?」と尋ねてきます。皆、井戸の完成を心待ちにしているのです。

【水の入手と保管について説明するザビフラさん。
右側の黄色い容器で取水し、左側の青い容器に貯蔵します】
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【子どもたちと甥たちに勉強を教えるザビフラさん。
彼らの将来に希望をもっていると話してくれました】
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2月 22, 2018 井戸修復・建設 |

2018年2月15日 (木)

ある帰還民の話

 アフガニスタンに帰還した、イリアス・ハイルさんに話をうかがいました。

****************

 私たちは1988年から難民としてパキスタンに住んでいました。そこでの生活はうまく行っていましたが、アフガニスタンに戻らざるを得なくなりました。

 お金がなかったため故郷には戻れず、別の場所に家を借りて暮らしています。家賃を支払うのが大変で、まだ小さな娘にとっては学校が遠すぎるため、子どもたちを学校に通わせることができません。

 毎朝、私と息子たちは仕事を探しに町に出ましたが、仕事はなかなか見つかりませんでした。しばらくしてから近所の人に相談すると、野菜を売るのに手押し車を持つべきだと言われました。よいものを見つけたのですが高価だったため、近所の人からお金を借りて1つ購入しました。それで今はいくらかの収入を得ています。でも、私は腎臓に病気を抱えており、休みながら働かなければなりません。

 JENが井戸を作って私たちが安全な水を手に入れるようにしてくれることに感謝しています。ただ、私たちにはまだ学校の建物や住まいが必要です。これらにも支援していただけると幸いです。

【イリアス・ハイルさんの家族が使っているトイレ】
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【イリアス・ハイルさんが借りている家】
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【イリアス・ハイルさんと子どもたち】
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2月 15, 2018 井戸修復・建設 |

2018年2月 1日 (木)

学校運営委員会の役割について

 JENは学校施設整備、衛生教育や防災・減災教育実施の支援活動を行っています。これには、教師や生徒、周辺コミュニティの人びとで構成する学校運営委員会へのサポートも欠かせません。

 学校運営委員会は学校教育の継続・強化に必要な存在です。JENが実施をサポートした衛生教育や防災・減災教育を自分たちで続けることが、委員会の主要な役割のひとつです。そこで毎年、JENは学校運営委員会に対して研修を行っています。

 ここでは委員会の役割について説明します。
 

まず、施設の維持管理に責任をもてるように、様々な工夫をしています。たとえば、研修では、学校運営委員会の主体性と責任を繰り返し説明します。施設の適切な使用・維持管理方法や、そのための資金管理、周辺コミュニティとの協力、計画の策定などについても話します。

【施設維持管理研修のようす(ミル・アブドゥル・カリム・マコル女子学校)】
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 JENは、学校運営委員会と定期的にミーティングをおこないます。この会合には、地元の教育局や国家災害対策本部といった行政機関の職員も参加します。

【JENも参加して、学校運営委員会と会合を開きました(トグ・ベディ女子学校)】
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【学校運営委員会の運営委員だけでの会合(トグ・ベディ女子学校)】
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【学校運営委員会の運営委員だけでの会合(ミル・アブドゥル・カリム・マコル女子学校)】
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 学校運営委員会は、特に防災・減災について、周辺コミュニティを巻き込んだ計画を作ります。こうして学校がコミュニティの核となって、そこに暮らす人びとが災害に適切に備え、いざ、というときに速やかに対応できる仕組みを整えます。

【防災・減災計画を策定する学校運営委員会委員(ミル・アブドゥル・カリム・マコル男子学校)】
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2月 1, 2018 井戸修復・建設, 教育支援, 衛生教育, 防災教育 |

2018年1月11日 (木)

ミル・アブドゥル・カリム・マコル女子学校の施設建設

 ミル・アブドゥル・カリム・マコル女子学校はパルワン県の県都のチャリカにあります。校舎などがなく、生徒は男子学校に間借りして勉強しています。この学校にはトイレや洗面所がなく、女性教師や生徒は生理期間中、数日間、休まざるをえませんでした。また、十分な飲み水に事欠き、外周壁がそれほど高くないために女性教師・生徒の安全性を確保するのに問題がありました。

 2016年にJENは6教室の校舎、トイレ6基と洗面所、貯水槽、外周壁の建設のための調査を行いました。このとき学校関係者・教師・生徒は大喜びで私達を手伝ってくれました。その後、2017年7月に工事を開始しましたが、校長や女性教師が進捗を確認し、特にトイレ・洗面所の建設に期待を寄せていました。教育局や経済局などの政府部門のエンジニアからも評価を得ました。

 トイレや外周壁ができたことにより女性教師・生徒が安心して登校できるようになります。貯水槽は彼らに安全な飲み水を供給しますし、全面的に学校施設が整備されたことによって生徒の就学率・出席率が向上することが期待されます。

 校長のパリマーさんは「私を含む女性教師や生徒は生理期間中、休まざるをえませんでした。施設が整備されて、そのようなことはなくなります。女性教師と生徒を代表して感謝しています」と述べました。

【パリマー校長】
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【6つの教室がある校舎】
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【貯水槽】
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【洗面所つきトイレ】
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【外周壁】
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JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。

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口座名: JEN

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1月 11, 2018 学校修復・建設 |

2017年12月14日 (木)

犠牲祭についてご紹介します

 今年は9月にすでに終わってしまいましたが、今回は犠牲祭(Eid ul-adha)についてご紹介します。

 これはイスラム教では聖なる機会の一つです。時期は毎年、イスラム教のカレンダーに則って決められ、4日間続きます。

 犠牲祭は世界中で祝われ、ラマダン後のイード(Eid ul- fiter)と並んで主要な祝祭です。神に息子を捧げようとしたイブラヒムを讃えます。

 イブラヒムが息子を犠牲にしようとしたとき、神は代わりに羊を差し出しました。犠牲祭では彼が実践したような神への従順な信仰を確認します。

 犠牲祭はまたサウジアラビアのメッカへの巡礼の終わりを告げるものです。

 人びとは挨拶状を交換します。また、正装をしてモスクに礼拝に行きます。牛・ヤギ・羊を解体する人びともいます。これらの肉を食べ、家族・友人や貧しい人びとと分け合います。貧しい人びとへの寄付も行われます。

【羊の解体】
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【食事を囲む家族】
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【ドライフルーツやキャンディ】
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12月 14, 2017 文化、生活、習慣 |