JENは、日本政府と皆さまのご支援によって、ハイチで水衛生関連の事業を行っています。
ハイチ水衛生局との緊密な連携のもと、水管理委員会の結成・強化、給水施設の建設・修復等を進めています。対象は3つのコミュニティですが、そのうちジャンティ地区で給水施設2棟の建設、貯水槽1基の建設が完成し、6月30日に多くの住民の参加のもと引渡し式が行われました。地域住民で構成されている水管理委員会のメンバーや衛生促進ボランティアが、JENスタッフのサポートを受けて引渡し式の準備を行ないました。
合計5時間にも及んだセレモニーでは、まず水管理委員会のメンバーが、住民主導で給水施設を維持管理していくコンセプトについての説明を行いました。コミュニティにおいて飲料水の供給を維持するために重要なこと、特に、全ての世帯が公平に毎月の使用料(毎月1USドル以下)を支払う必要性に焦点があてられていました。
ジャンティでは、2010年に他の国際NGOによって電動式水ポンプ設置の支援が行われていました。しかし、清潔で安全な水を供給できる環境ではなく、また貯水もできないため、ハイチの不規則な電気供給(1日最低数時間)とあいまって大きな問題となっていました。
今回JENが建設した貯水槽は154世帯分・6万リットルの容量があり、なにかの理由で数日間電気が供給されなくても、一家族あたり390リットルを蓄えておくことができます。加えて、塩素を使った水の浄化処理システムを導入した2棟のキオスク型給水施設の設置により、浄水にかかる時間が大幅に短くなりました。
【右側:貯水槽、左側:キオスク型給水施設
それぞれ公式に引渡しが行われました】
“DLO SE LAVI!”(水は命だ!)は、おそらくハイチで最も多く繰り返されるメッセージです。言うまでのないことですが、きれいな水が命です。
キオスク型給水施設のきれいな水でも、使い方が適切でなければ、あとで汚染されてしまいます。そのため、セレモニーでは最も時間をかけ、クイズやゲーム、寸劇を通して衛生に関する知識を明確に伝えました。これは、JENのスタッフからトレーニングを受けたボランティアが運営した音楽付きの遊びの要素のある催しで、積極的な参加者に石鹸、トイレットペーパー、歯ブラシや歯磨き粉等詰め合わせの衛生キットを賞品として渡しました。いつもどおり子どもたちが最も熱心で、それはJENがこの日の一番に対象と考えていた年齢層に完全に一致しました。というのは、子どもたちは未来を担う存在です。彼らのふとした行動から環境が好転するか、あるいは、習慣にならないと、これまでどおり、洗っていない手を家庭のバケツにつけて水を汚してしまいます。
現在、建築作業も引渡しも完了し、水管理委員会のメンバーにとって最もやりがいのある仕事が始まりました。人々は、毎月の使用料を定期的に集めて、必要に応じて施設を修理することができるでしょうか?それともハリケーンに襲われ、集めたお金では施設の修理に足りないようなことになるでしょうか。
現時点では、残念ながら誰もこういった質問に答えることはできません。しかし、JENのスタッフは事業終了の10月末まで、水管理委員会のメンバーをサポートし続けます。
【コレラについて寸劇をする衛生促進ボランティア】
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