2016年1月14日 (木)

6年間、ご支援ありがとうございました

 2016年1月をもってハイチでの支援を終了することになりました。今まで支援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

 ハイチで支援を始めたのは2010年1月16日でした。2010年1月12日に起こったハイチ大地震に対応するために、地震で最も被害が大きかった地区グランゴアーブ市とレオガン市で支援活動を開始し、被災者4700世帯にトタン板、ハンマー、釘などの緊急シェルターキットを配布しました。

 2010年5月からは水衛生事業を開始し、主に給水施設の修復・建設、水管理委員会の結成・育成、衛生啓発を中心に活動を行いました。

 震災から6年が経ち、当初と比べると復興は進んでいますが、震災以前から西半球で一番貧しい国と言われていました。基礎的なインフラなど、さらなる発展の余地はあることでしょう。

 JENはハイチから去りますが、これまでに出会った地域の仲間が、これからもハイチの国づくりに携わり、国や地域の発展に貢献してくれることを願っています。

 あらためて、6年間のご支援に深く感謝申し上げます。

【ララ祭での衛生啓発活動をするJENスタッフ】
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【衛生啓発の訓練を終えた衛生啓発ボランティアとJENスタッフ】
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1月 14, 2016 事務所・スタッフハイチ衛生教育水管理委員会給水施設修復・建設水衛生改善 |

2015年7月30日 (木)

水管理委員会紹介 ―バジェラー地域編―

 今回は本事業地グランゴアーブ地区Bas Gerard(バジェラー)地域にある水管理委員会を紹介します。

 JENハイチは、2014年11月からバジェラー地域を支援しており、4棟のキオスク型給水施設の建設が完了しました。この地域では、過去、ハイチ水衛生局により水管理委員会が設置されたことはありますが、現在は活動していません。
そのため、バジェラー地域に住む人々でキオスク型給水施設を管理できるように、JENは水管理委員会の再結成と育成を支援しています。

 ハイチ水衛生局の合意のもと、既に水管理委員会のメンバーが決まりました。現在は、水管理委員会のメンバーが住民向けに会議を開き、キオスクの利用の仕方や、水の利用料の徴収などについて説明しています。

 給水施設や、それを繋ぐ水道管は、しばしば故障することがあります。ハイチでは、管理する組織や修理費がなく、そのまま放置されている給水施設がたくさんあります。水管理委員会は、徴収した金額を修理費に充てるなど、地域住民が持続的に給水施設を管理できるよう対処しています。

【水管理委員会のメンバーがバジェラー地域の住民に水の利用料などの説明をしている様子】
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【水管理委員会のプレゼンテーションを聞いているバジェラー地域の住民】
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【水道管の修理をしている様子】
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7月 30, 2015 ハイチ水管理委員会水衛生改善 |

2015年7月 2日 (木)

水管理委員会紹介 ―ジャンティ地域編―

 今回はグランゴアーブ地区ジャンティ地域の水管理委員会を紹介します。
 
 村を歩いていると、給水施設が壊れてそのまま放置されている状況が、しばしば見受けられます。JENハイチは給水施設の建設に加え、水管理委員会の育成・強化に取り組んでいます。水の使用を管理する習慣がなかった現地コミュニティで、住民自身の手で水供給施設の維持管理を行えるように能力強化を支援しています。

【キオスク型給水施設を管理しているキオスク管理人】
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 ジャンティ地区では、2年前から支援を続けてきた結果、水管理委員会自身で給水施設の維持管理を行えるようになっています。今年の1月~3月にキオスク型給水施設で徴収された利用料は3,985グルド(約1万円)でした。

 また、水管理委員会は、私用水道も管理していて、その月毎の徴収率は67%を超えています。私用水道を持つ家庭では水量測定器が活用されていて、水の消費量をもとに、月ごとに使用料を支払います。これらの利用料は、給水施設の維持管理に使われています。 

【家庭内にある私用水道】
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【給水施設の水質検査をする水管理委員会のメンバー(真ん中)とJENスタッフ】
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7月 2, 2015 ハイチ水管理委員会水衛生改善 |

2015年6月 4日 (木)

給水施設の建設が完了!

 JENハイチ事務所は、レオガン地区Haut Gerard(ウジェラー)にて既存蛇口式給水施設6棟からキオスク型給水施設6棟へ改設。グランゴアーブ地区Bas Gerard(バジェラー)では、既存蛇口式給水施設3棟からキオスク型給水施設4棟へと改設しました。

 これらの給水施設は今後、建設物の検証を行い、水管理委員会へと引き継ぎます。毎月利用料を徴収するシステム導入など、地域の人びとが給水施設を維持管理していけるように研修を行う予定です。

 キオスク型給水施設の特徴は、利用料の徴収がより確実に行えるシステムであるため、水管理委員会が主導して長期的な維持管理ができることです。また、水の供給がコントロールできるため、水の無駄遣いも防げ、給水所が管理されるので水因性感染症の予防にもつながります。

【キオスク2号棟、Haut Gerardにて】
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【キオスク5号棟、Haut Gerardにて】
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【キオスク3号棟、Bas Gerardにて】
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【水管理委員会Bas Gerard代表(左側)とJENスタッフ(右側)】
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 この給水施設は、日本の外務省及びハイチの人々を支えてくださっている支援者の皆さまのご支援により建設することができました。Haut GerardやBas Gerardの人々に安全な水を届けるためになくてはならない設備となっています。



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6月 4, 2015 ハイチ水管理委員会給水施設修復・建設 |

2015年1月29日 (木)

新事業開始 -(2)水管理委員会の再結成・育成・強化編 -

 前回は、キオスク型給水施設の改設について紹介しましたが、それを管理できるシステムがないと安定して水を供給することはできません。

 現在、レオガン地区ウジェラーでは、パイプ等の故障により、給水施設の半分しか利用されていません。また、グランゴアーブ地区バジェラーでは、私用の水道網から水漏れが発生し、水が浪費されることで、一部の住民に水が行き渡っていません。

 持続的に給水施設を管理するために、上記2つのコミュニティでは、以前存在していたものの機能していない水管理委員会メンバーの再結成・育成を行っています。
たとえば、給水施設の利用料を毎月徴収するシステムの導入や、適切に管理されるように水管理委員会が率先してガイドライン作りを行う予定です。

 他に、4つのコミュニティ(計2,005世帯)を選定し、水管理委員会のフォローアップを行ないます。これらの地域では、JENのコミュニティ・モビライザー(活動推進員)が2週間に1回程度現場を訪問し、問題があった場合は水管理委員会に対して維持管理を適切に行うよう指導を行います。

【地域住民への維持管理の仕組みや役割の説明をしている様子】
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 プロジェクトの終わりには、上記の6つの水管理委員会が継続して活動すること、給水施設の維持管理費が各委員会で貯蓄・管理され、施設の維持管理が住民主導で実施できるようになることを目指しています。



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1月 29, 2015 ハイチ水管理委員会給水施設修復・建設 |

2015年1月15日 (木)

新事業開始 ―(1)安全な水へのアクセス編―

 JENハイチでは、支援者のみなさまと日本の外務省の協力により、2014年11月7日から10か月間に渡る水衛生関連の新事業を開始しました。
 このプロジェクトは3つのアプローチで構成されています。今回はその1つである、安全な水へのアクセスについて紹介したいと思います。

 現在、ハイチ西県レオガン地区ウジェラーとグランゴアーブ地区バジェラーの住民は、トイレの未整備及び十分な下水処理が存在しないことから、汚染された水源を利用しています。そのため、この2地区では9棟の蛇口式給水施設を10棟のキオスク型給水施設に改設することを計画しています。

【バジェラーにある蛇口式の給水施設】
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キオスク型給水所とは
1つのキオスクに2~4個の蛇口がついている箱形の建物で、中にいる管理人が水を管理しています。住民はバケツ1個につき1グルド(約2円)を窓越しの管理人に支払います。

【前事業でJENが建設したキオスク】
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キオスク型給水所の利点
(1)利用料の徴収がより確実に行えるシステムであるため、水管理委員会が主導して長期的な維持管理が期待できます。

(2)水の供給がコントロールできるため、水の無駄遣いも防げ、給水所が管理される事により水因性感染症の予防にもつながります。

 10基のキオスク型給水施設は8月には完成して、利用される予定です。




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1月 15, 2015 ハイチ水管理委員会給水施設修復・建設 |

2014年8月21日 (木)

貯水槽建設中!

 JENハイチ事務所では、現在ハイチ西県パルム地域において、日本の外務省からの資金と皆さまのご支援により、水衛生に関するプロジェクトを実施しています。このプロジェクトでは、ハイチの人々が安全な水にアクセスできるよう、キオスク型給水施設や貯水槽の建設、そして衛生についての知識を普及する活動を行っています。

【ハイチ西県パルム地域の地図】
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 キオスク型の給水施設では、バケツごとに、水の利用量に基づく支払いのシステムが導入されています。なぜ有料で水を提供するのでしょうか?それは、JENがプロジェクトを終了した後も、パルム地域の人々が自分たちでキオスクを運営・管理できるようにするためです。キオスクの維持には、修理費や管理費等が必要であるため、支払われたお金はそれに充てられます。
 

【キオスクの様子】
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 昨年12月に開始されたこのプロジェクトは今終盤を迎えており、建設については残るは貯水槽のみとなりました。建設中の貯水槽(写真)は、現在コンクリートで貯水槽の壁を設置する作業が行われています。
  

【貯水庫建設の様子】
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 【JENの建設チーム】
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【コンクリートを型に流し込む作業を行うためのトラック】
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 この写真では、どのような貯水庫が出来上がるのか想像しがたいかもしれません。完成は数週間後の予定ですので、また支援速報でご報告します。

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【JEN設立20周年記念の取り組みについてはこちら

8月 21, 2014 ハイチ水管理委員会 |

2014年4月 3日 (木)

世界水の日

 3月22日は何の日か知っていますか?
 答えは「世界水の日」で、1993年に国連総会で定められました。

 JENハイチでの支援活動は水に関わるものなので、この日にちなんで水の重要性について住民の方に伝える良い機会にし、特別なイベントを実施しようと考えました。

 JENは現在18のコミュニティにおいて事業を実施していますが、そのうちの4つのコミュニティにおいて衛生促進活動の実施を決定しました。その中でこのイベントは、水管理委員会や衛生促進ボランティアとともに時間をかけて計画しました。

 イベントでは主に、水の保護方法、汚染された水の処理、水をきれいに維持管理する方法等に焦点を合わせました。水処理の重要性を示すため、「Dlo+Tretman=Sante」というスローガンを掲げました。「水処理は健康につながる」という意味です。音楽や演劇、ゲーム等を用いてイベントの準備をし、多くのボランティアが準備段階からサポートしてくれました。

 西半球で最も貧しい国と言われている通り、ハイチはNGOや国際機関からの支援に頼っているのが現状です。私たちは、過去4年以上ハイチで活動してきた経験から、多くのハイチ人は共用施設の維持管理に対して責任を持つことに消極的で、NGOや国際機関がその責任を負う事に頼ってしまっていることがその原因だと理解しています。

 JENのハイチでの活動の目的の一つは、コミュニティが自立して給水施設の維持管理を長期的に行なえる環境作りをサポートすることです。

 こうした理由から、より多くの住民がこのイベントで行なう紙芝居やクイズに参加できるよう事前に練習する機会も設けました。また、UNICEFやMSFといった団体から以前寄付された衛生キットを、住民に配布しました。ただし、事前練習に参加したり、このイベントの活動に参加した住民のみが、この衛生キットを受け取ることが出来ると事前に住民に説明しました。

 コミュニティの大人たち、子どもたち、皆がこのイベントを楽しみ、重要なことを学んだのではないか、と考えています。

【「世界水の日」バナー】
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【JENスタッフによる水処理トレーニング】
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【「Dlo+Tretman=Sante」(水処理は健康につながる)スローガンが入ったブレスレッドを巻いています】
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【衛生キットの配布】
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【演劇やゲームを見る為に住民が集まりました】
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【手洗いの適切な方法の練習をする子どもたち】
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4月 3, 2014 ハイチ衛生教育水管理委員会 |

2013年12月 5日 (木)

新事業開始!

 JENハイチでは、日本の外務省からの資金と皆さまのご支援により、12月1日より新たに水衛生関連の事業を開始しました。
 ハイチの水衛生分野での課題を解決するため、安全な水へのアクセス確保、地域住民による持続可能な給水施設の維持管理体制の構築、下痢やコレラの予防のための衛生促進、という3つのアプローチにより、8ヵ月間の予定で事業を行なっていきます。

 事業内容としては、まず約6kmに及ぶ水路を改修し、その水路を水源とするキオスク型給水施設を9棟、貯水槽を1基建設します。それにより、住民が安全な水へのアクセスが可能となります。
 キオスク型給水施設は、蛇口が1~3つ外についている箱形の建物で、水の供給はキオスク内の管理人が管理します。住民は外の蛇口で水を汲み、バケツ毎の料金を支払います。

【使用不可能な蛇口】
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【貯水槽】
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【キオスク型給水施設】
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 また、給水施設の維持管理を住民によって持続して行えるよう、水管理委員会を結成し、体制を構築・強化します。
水管理委員は地域住民によって選出され、水利用料を住民から徴収します。    これにより、地域住民による給水施設の維持管理が長期的に行えることが期待されます。

【水管理委員の選挙】
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【水管理委員会トレーニング】
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 更に、住民が公衆衛生に関する危険を認識し知識を増やすことによって、下痢やコレラ感染の予防等につながるよう、サポートします。地域住民から衛生促進ボランティアを募り、トレーニングを行うことでボランティアの方々の衛生知識を向上させます。住民に対しては、衛生促進ボランティアが中心となって戸別訪問やキャンペーンを行ない、衛生知識・習慣の改善を行います。

【衛生促進ボランティアトレーニング】
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【衛生促進キャンペーン】
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 引き続き、ハイチの人びとに対してのご支援を頂けますよう、よろしくお願いします!


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12月 5, 2013 ハイチ水管理委員会 |

2013年10月31日 (木)

ラフェロネ(レオガン)での貯水槽と給水施設の引渡し式

 JENは、日本の外務省からの資金と皆さまの支援によって、現在ハイチで水衛生関連の事業を実施しています。ハイチ水衛生局との緊密な連携のもと、農村部に水管理委員会を立ち上げるとともに、給水施設の建設・修復を進めています。

 10月27日、JENのスタッフはレオガンにあるラフェロネで行われたプロジェクトの引渡し式に参加しました。これは、貯水槽1基と給水施設2棟を建設したグランゴアーブのジャンティに続くもので、このプロジェクトで2つ目のコミュニティーでの水関連施設の引渡しです。

 ラフェロネには以前水関連施設がありました。海外にいるハイチ人から資金の提供を受けて建設された物ですが、残念ながら2010年の大地震で深刻な被害を受けてしまいました。JENは水道管の修復だけではなく、キオスク型給水施設3棟の建設と1棟の修復を行いました。水はバケツ1杯につき1ハイチグールド(20リットル/約2USセント)で売られます。
 また、貯水槽2基の建設も行い、夜間の使用にも十分な水を貯めておけるようにしました。貯水槽に送水する水ポンプの電源がソーラー・パネルのため、夜間は水ポンプが機能しないのです。

【ラフェロネのキオスク型給水施設4棟の内の1つ】
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 水管理委員会のメンバーや衛生促進ボランティアが、JENのサポートを受けて引渡し式の準備をしました。式ではまず、水管理委員会のメンバーが正式に紹介されたあと、コミュニティーで給水施設を維持管理する方法についての説明がありました。

【コミュニティーの人々に水管理委員会のメンバーを紹介する委員長】
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 水使用料の支払いは、過去には使用料に関係なく月単位で支払う登録制度が採られていましたが、コミュニティーによっては登録した家庭の数が非常に少なく、キオスクで働く人にわずかな給料を支払うだけのお金すら集まらない所があり、無報酬でキオスクの仕事をやってくれる人がなかなか見つからない事態になりました。
 
 そこで新たに、使った分だけをその都度支払う方法が導入されました。バケツ1杯ごとに代金を支払うシステムで、代金の25%がキオスクで働く人の収入になるため、以前より魅力的な仕事になりました。
 
 

 この新しい方法は、給水施設を長期的に維持管理することが出来るという意味でも大きな効果があります。今後施設の部品の修理や交換が必要な際には、プールされた水利用料を使い、水管理委員会が中心となってすぐに対応できるからです。

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10月 31, 2013 ハイチ水管理委員会 |

2013年7月25日 (木)

ジャンティ(グランゴアーブ)での給水施設引渡し式

 JENは、日本政府と皆さまのご支援によって、ハイチで水衛生関連の事業を行っています。
 ハイチ水衛生局との緊密な連携のもと、水管理委員会の結成・強化、給水施設の建設・修復等を進めています。対象は3つのコミュニティですが、そのうちジャンティ地区で給水施設2棟の建設、貯水槽1基の建設が完成し、6月30日に多くの住民の参加のもと引渡し式が行われました。地域住民で構成されている水管理委員会のメンバーや衛生促進ボランティアが、JENスタッフのサポートを受けて引渡し式の準備を行ないました。

 合計5時間にも及んだセレモニーでは、まず水管理委員会のメンバーが、住民主導で給水施設を維持管理していくコンセプトについての説明を行いました。コミュニティにおいて飲料水の供給を維持するために重要なこと、特に、全ての世帯が公平に毎月の使用料(毎月1USドル以下)を支払う必要性に焦点があてられていました。

 ジャンティでは、2010年に他の国際NGOによって電動式水ポンプ設置の支援が行われていました。しかし、清潔で安全な水を供給できる環境ではなく、また貯水もできないため、ハイチの不規則な電気供給(1日最低数時間)とあいまって大きな問題となっていました。

 今回JENが建設した貯水槽は154世帯分・6万リットルの容量があり、なにかの理由で数日間電気が供給されなくても、一家族あたり390リットルを蓄えておくことができます。加えて、塩素を使った水の浄化処理システムを導入した2棟のキオスク型給水施設の設置により、浄水にかかる時間が大幅に短くなりました。

【右側:貯水槽、左側:キオスク型給水施設
それぞれ公式に引渡しが行われました】

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“DLO SE LAVI!”(水は命だ!)は、おそらくハイチで最も多く繰り返されるメッセージです。言うまでのないことですが、きれいな水が命です。
 キオスク型給水施設のきれいな水でも、使い方が適切でなければ、あとで汚染されてしまいます。そのため、セレモニーでは最も時間をかけ、クイズやゲーム、寸劇を通して衛生に関する知識を明確に伝えました。これは、JENのスタッフからトレーニングを受けたボランティアが運営した音楽付きの遊びの要素のある催しで、積極的な参加者に石鹸、トイレットペーパー、歯ブラシや歯磨き粉等詰め合わせの衛生キットを賞品として渡しました。いつもどおり子どもたちが最も熱心で、それはJENがこの日の一番に対象と考えていた年齢層に完全に一致しました。というのは、子どもたちは未来を担う存在です。彼らのふとした行動から環境が好転するか、あるいは、習慣にならないと、これまでどおり、洗っていない手を家庭のバケツにつけて水を汚してしまいます。

 現在、建築作業も引渡しも完了し、水管理委員会のメンバーにとって最もやりがいのある仕事が始まりました。人々は、毎月の使用料を定期的に集めて、必要に応じて施設を修理することができるでしょうか?それともハリケーンに襲われ、集めたお金では施設の修理に足りないようなことになるでしょうか。

 現時点では、残念ながら誰もこういった質問に答えることはできません。しかし、JENのスタッフは事業終了の10月末まで、水管理委員会のメンバーをサポートし続けます。

【コレラについて寸劇をする衛生促進ボランティア】
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7月 25, 2013 ハイチ衛生教育水管理委員会 |

2013年3月 7日 (木)

JENとハイチ水衛生局~緊密な連携開始から間もなく3年

 JENはレオガン地区で活動を始めたのは、2010年1月の地震の数日後でした。農村部の4000世帯へシェルターキットの緊急配布を行いました。
 
 

JENが水衛生分野で初めに取り組んだのは、105か所のポンプの修繕、10の井戸の新設、コミュニティでの衛生促進でした。
 

 現在行っている水管理委員会の導入は、今だけでなく将来のハイチにとっても重要な活動です。
 

 ハイチ衛生局は、地震が発生する前の2009年に設置され、それ以前はNGOの支援で成り立っていました。
 私たちは2010年に水衛生事業を開始した際に、ハイチ衛生局との緊密な連携が不可欠であることに気づき、共同で活動を開始しました。2011年末には水管理委員会が公式に認められ、JENはレオガン地区のコミュニティでの共同給水施設の自主運営を支援しています。これは将来、ハイチ衛生局が農村部の全世帯に水道を供給できるようになる前段階として必要なステップです。

 事業では、Tシャツや横断幕、建物にハイチ衛生局のデザインをあしらっています。これは人びとに、安全な飲み水へのアクセス方法や、現地の行政機関を知ってもらうための方法のひとつであり、国際社会への依存から自立へ、という変化につながることが期待されます。

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 日本からの無償資金協力によるレオガン地区の道路整備プロジェクトでも、JENはハイチ衛生局と緊密な連携を保っています。

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 新しい排水設備のために地下に水道管を設置するプロジェクトで、JENからトレーニングを受けた10人ほどのチームが、JEN支給のヘルメットや安全帯を身に着けて工事に携わっています。JENはその中でチームの監督と調整の役割を担っています。

 国家計画レベルでのJENとハイチ衛生局との関係も良好です。

 JENとハイチ衛生局の共同でワーキンググループ「資本とハイチ地震から3年に学ぶ教訓」を設置し、その前にはハイチ衛生局コミュニケーションディレクターのステファン・ラクロワさんに、JENスタッフやボランティアが着ているTシャツをつながりの証としてお渡ししました。

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 ただ、残念ながらJENとハイチ衛生局との3年の付き合いもまだ公式なものではありません。
 国に認定されるために必要な書類の準備がなかなか難しいのです・・・

 ですが、間もなくハイチ衛生局とのパートナーシップの正式な手続きができそうです。認定されれば、水へのアクセスや水管理のプロジェクトを今まで以上に推進することができるようになります!

ハイチ事務所 ロマン・ブリー

3月 7, 2013 ハイチ水管理委員会 |

2013年2月28日 (木)

アクセスの難しい事業地・ゴマンでの成果

海抜200mに位置するグラン・ゴアーブ近郊にあるゴマンという小さな村には、誰もが立ち寄ってみたいと思うような素晴らしい海の眺めがあります。
 しかし、この地への道のりは、急勾配が続く悪路です。未舗装で車が泥まみれになるような道から始まり、すぐに岩に覆われた河川敷と混ざった道になります。

 JENが初めてゴマンを訪れた際、車では到達できず、最後は歩いてやっと辿り着くことができました。汗だくになって丘を登ってきた私たちにゴマンの人たちは驚き、歓迎してくれました。
 JENの事業について手短に説明し、その地域唯一の水源を案内してもらうために、今度は丘を下っていきました。30分も「ブンダ・チッタ(底の底)」と呼ばれている丘を、落ちないように気を配りながら下り続けました。

 谷のような深い丘を下ると水の音が聞こえ、水源を見つけることができました。その水源は危険な岩場にあり、水道管は壊れています。下流は洗濯をする人たち、水浴びをする人たち、水汲みをしている人たちで共有され、さらには動物も一緒に水を飲んでいました。

 私たちは壊れている水道管を見て、まずは村の長老に状況を確認しに行きました。
 詳しい調査の結果、ゴマンはJENが活動すべき場所であるという結論に至りました。国道は丘を下ったはるか先という場所にあるこの村は、生活の基盤が脆弱で、支援活動の必要性がとても高かったのです。

 給水施設を建設する際、工具や鉄、セメントといった道具をすべて水源まで運ぶ必要があります。一部、車やトラックを使うことは出来ましたが、ほとんどはバイクやロバ、徒歩で運ばなければならず、作業は難航しました。しかし、現地の人たちがその悪路を自ら直してくれました。



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 現地の人びとが熱意を持ち、プロジェクトに関わることは、衛生促進活動を行い、コミュニティに広げていくにはとても重要です。また、水管理委員会の設立と運営も、プロジェクトによって毎日の生活がどれくらい改善されたかをコミュニティ全体が実感するためにとても大切です。この村でこのことを実感することができました。
 
 その後私は、ジャパン・プラットフォームのモニタリングでゴマンまで同行しました。衛生促進ボランティアと水管理委員会のメンバーが、給水施設ができてからどれくらい生活が改善されたかについて、関係者であることを示すTシャツを誇らしげに着て説明していたことを、今も思い出します。

(本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成及び皆さまからのご支援により行われました。)

ハイチ事務所 ロマン・フリー

2月 28, 2013 ハイチ水管理委員会 |

2012年6月21日 (木)

住民総会

現在レオガンで実施している事業において、給水施設の維持管理を図る水管理委員会と、維持管理体制を支える利用料徴収システムの構築を進めています。

 2012年2月からジェンスタッフによるトレーニングを重ねてきた水管理委員会は、地域住民の前で維持管理体制の仕組みと水管理委員会の役割を説明し、理解を得る場として、住民総会を6月から開催し始めました。

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 住民総会のプログラムは下記の通りになっています:

(1) 開始の祈り 
(2) 水管理委員会代表から住民を歓迎する言葉と総会の主旨説明
(3) 水管理委員及び衛生促進ボランティアの紹介
(4) 水管理委員会の経緯
(5) 水管理委員会の規約の紹介・説明
(6) 水管理委員会の予算(利用料金の設定)の説明
(7) 給水施設の維持管理体制への登録の説明
(8) 質疑応答
(9) 水管理委員からの感謝の言葉
(10)  終わりの祈り

(0)住民の集まり
 地域住民との集まりは1時間以上遅れて始まるのが普通です。遅れてくる人たちは、急ぐ様子も悪びれた様子も全くなく、ゆっくり歩いてやってきます(そして結構おしゃれをしてやってきます)。他方で、時間通りに来た人たちは、遅れに苛立つ様子なく、暑い中おしゃべりをしながら待っています。

 (1) (10) 始めと終わりの祈り
 ヴードゥ教と組み合わせている人も多いですが、ハイチ人の8~9割が一応キリスト教徒とされています。そのためほとんどの住民集会の始まりと終わりには祈りが捧げられます。皆が一斉に立ち上がり、暗記済みのお祈りを口にし始めます。

(2)~(7) 説明
 日本人と比較して、ハイチ人の多くは人前で話すのが上手な人が多い、あるいは緊張せずに話す人が多いです。また、住民を笑わせたり、巻き込みながら話せる人の割合が高いです。


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(8)質疑応答
 ハイチ人は比較的遠慮なく質問をし、意見を言います。
 水管理委員会と維持管理体制の説明をする住民総会で必ずと言っていいほど出る質問は、「徴収した利用料を水管理委員が悪用するのでは?」という内容のものです。私利私欲に走る人が多く(必要に応じての場合も多いが)、学校でさえ先生が生徒からお金を取ることがよくあるような社会では、もっともな質問です。

 それでも維持管理体制に登録し、利用料を払う住民が多いことは、水へのニーズが高いこと、維持管理体制の重要性・必要性への理解が得られたこと、さらに水管理委員会への信用が少しずつ築かれていっていることの証だと思います。

6月 21, 2012 ハイチ水管理委員会 |

2012年3月22日 (木)

Laberger(ラベルジェ)における水管理委員会の選挙

2月上旬に新しいプロジェクト「レオガン地区における水管理委員会を通じた水衛生環境改善事業」という新しいプロジェクトが開始しました。

 この事業では首都のポルト―プランスの西に位置するレオガン地区の7つのコミュニティーで水と衛生環境の改善を行います。ハイチでは長年に渡る国際支援の結果や技術不足から、井戸を掘削しても数年内で故障してそのまま放置されるケースがたくさんあります。JENではこの状態が改善されるように、井戸を責任もって管理できる組織を各コミュニティーに設立します。

 7つのコミュニティーのひとつであるLaberger(ラベルジェ)では、今まで川の水を飲料水として利用していました。このコミュニティーで井戸を掘削し、それを地元の住民自ら管理運営することで、衛生環境を末永く維持できる仕組み作りを行います。

 この水管理委員を選ぶ選挙が先日実施されました。とても「ハイチらしい」選挙でしたので、その様子を紹介します。

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 まずジェンスタッフとの事前打ち合わせ通りに、地元のリーダー的存在の方々がジェンの事業、水管理委員会、さらに各候補者についてそれぞれ説明を始めました。

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 BGMは子豚の鳴き声です。

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 水管理委員会の委員の選定は、挙手による住民投票によって行われます。

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 子どもに授乳をしながらも、住民は参加してくれます。

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 しかし、途中で挙手のカウントが難しくなったようで、「Aを支持する人はこっち、Bを支持する人はあっち」と○×ゲーム形式に代わり、皆がそそくさと移動し始めました。

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 何回かドタバタと移動を繰り返した後、やっと水管理委員会の選定が完了。賑やかに皆が笑い楽しみながら、とてもハイチらしい選挙でした。

(この事業は、ジャパンプラットフォーム、支援者の皆様のご協力で進められています。)

3月 22, 2012 文化、生活、習慣ハイチ水管理委員会 |

2012年2月 9日 (木)

Labrietteのようす

 Labrietteでは、ジェンが建設した共同洗濯場を使わずに、すぐ近くにある川を使っている住民が多くいました。
 その理由は、洗濯をする際に多くの水を利用するため、何度も何度もポンプを扱ぐことが大変だったからです。

 そこで、水をためておけるドラムを置きました。
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 そしたら、以前ガラガラだった共同洗濯場が今では、満員状態。
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 さらに、はみ出てしまって、「もっと広く作って~」と、お母さんたちが口にしています。
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 ドラムを設置するというちょっとした工夫が、住民が集まる場づくりにつながりました。

 住民が話し合うスペースとしてだけでなく、水管理委員会が塩素の使い方の説明をするなどの情報伝達の基点ともなっています。

2月 9, 2012 ハイチ水管理委員会 |