2012年5月10日 (木)

ハイチのみなさん、2年間ありがとうございました!

 2010年4月下旬に赴任してから2年が過ぎ、大好きなハイチとお別れする時が来ました。到着当初は訳もわからず時が過ぎましたが、ハイチ人スタッフや活動を通して知り合ったたくさんのハイチの方々、またハイチで活動されているたくさんの団体・機関の皆様にお世話になり、無事に任期満了を迎えました。

 さて、復興が遅いと報道されているハイチですが、この2年間で私が見た変化をお伝えしたいと思います。

写真①大統領府
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 未だ崩れたまま変化なし、と思われがちですが、実はがれきが撤去されています!大統領府だけでなく、街中でも変化は顕著です。

写真②豪雨で洪水
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 すぐに洪水になってしまうのは相変わらずですが、実は側溝が新たに建設されており、以前よりも洪水の一因になっていたゴミの量が減った地域もあります。

写真③
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 JENが掘削した井戸を自分達で維持管理できるように、井戸を管理するコミュニティーの水管理委員会が保守及び塩素代として月々約50円の料金を徴収しています。
料金の支払いが完了したことを証明するスタンプブックを掲げている住民の方

写真④
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上記水管理委員会に月々の井戸利用料を支払った証明
 井戸は故障もしますし、飲料水にするためには塩素が必要な地域もあります。井戸を建設するだけでは、一時的な対処にしかなりません。継続的に利用するため、ひいては自立支援につながるよう、コミュニティー自身の力で管理し続ける仕組みが大切で、このスタンプはその成果です。

 住民の方にとって、以前は川の水を無料で使っていたため、水に対して利用料を支払うことは簡単なことではありません。なぜ利用料を払うのか、清潔な水が何故大切なのか。その理由を理解してくれたからこその変化です。

 まだまだ被災者の皆さんが安心して暮らせる状態には至っていませんが、少しずつ、変化は起こっています。また数年後にハイチに戻った時、どんな変化が見られるか楽しみです。

(現地事務所代表 高尾裕香)

5月 10, 2012 ハイチ井戸建設 |

2012年1月26日 (木)

Toutifのようす

 ジェンがToutifというコミュニティにおいて建設した、給水施設と洗い場の使用状況をお伝えします。

 午前11時です。日光がじりじりと肌にしみます。

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 洗い場では4、5人の女性が、歌ったり、世間話をしながら、2時間くらいかけて家族分の服を洗っています。

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 前は強い直射日光の下で洗濯をしていましたが、洗い場に屋根を設けたおかげで大分楽になりました。

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 黄色いシャツを着て青い空の下にまぶしく輝く彼女は、往復15分かけて、毎日最低3回水を汲みにきます。

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 一つのバケツをいっぱいにするのに3分弱、バケツは大体一個20キロの重さです。
 さわやかに、そして普通のことのように行う彼女ですが、決して楽ではありません。

 それでもジェンによる給水施設建設前は、一番近い水源は、700メートル近く離れた(歩いて往復30分以上かかる)川でした。

 小さな改善の積み重ねで、少しずつ人々の生活が変わっていきます。

1月 26, 2012 ハイチ井戸建設 |