2016年1月14日 (木)

6年間、ご支援ありがとうございました

 2016年1月をもってハイチでの支援を終了することになりました。今まで支援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

 ハイチで支援を始めたのは2010年1月16日でした。2010年1月12日に起こったハイチ大地震に対応するために、地震で最も被害が大きかった地区グランゴアーブ市とレオガン市で支援活動を開始し、被災者4700世帯にトタン板、ハンマー、釘などの緊急シェルターキットを配布しました。

 2010年5月からは水衛生事業を開始し、主に給水施設の修復・建設、水管理委員会の結成・育成、衛生啓発を中心に活動を行いました。

 震災から6年が経ち、当初と比べると復興は進んでいますが、震災以前から西半球で一番貧しい国と言われていました。基礎的なインフラなど、さらなる発展の余地はあることでしょう。

 JENはハイチから去りますが、これまでに出会った地域の仲間が、これからもハイチの国づくりに携わり、国や地域の発展に貢献してくれることを願っています。

 あらためて、6年間のご支援に深く感謝申し上げます。

【ララ祭での衛生啓発活動をするJENスタッフ】
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【衛生啓発の訓練を終えた衛生啓発ボランティアとJENスタッフ】
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1月 14, 2016 事務所・スタッフハイチ衛生教育水管理委員会給水施設修復・建設水衛生改善 |

2015年8月27日 (木)

笑顔や感謝の気持ちを忘れずに

 こんにちは。ナマステチームです。

 ナマステチームの配布の準備は順調に進んでいます。来週はカヴル郡ナヤゴン村で学用品の配布を行います。

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(↑ 配布するバッグを縫っています)

 制服が瓦礫にうもれて取り出せない子どもたちは、私服で通学しています。教科書がなくなった子どもは、同級生に見せてもらうなど、なんとかやりくりをしていますが、早急な教科書や学用品の提供が求められています。

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 多くの家族が雨漏りや生活用品の不足といった問題も抱えていますので、トタン板や生活用品も1日でも早く配布できるように村の人たちと調整をしています。しかし、雨期のため土砂崩れで通行できない道路もあり、生活用品やトタン板の配布には少し時間がかかりそうです。

 天候の問題に加え、今、ネパールでは新憲法の制定に反対するデモなども頻繁に起きているため、デモと警官の衝突が発生したり、道路が閉鎖されることもあります。そのため、JENの活動も現地の状況や安全に配慮して、慎重に行っています。

 被災者の人たちの状況は、とても困窮していますが、それでも村を訪問するといつも優しく村の人たちが接してくれ、子どもたちも嬉しそうに笑って話しかけてくれます。土砂崩れやデモで思うように活動が進みませんが、私たちも笑顔や感謝の気持ちを忘れずに活動を進めたいと思います。

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(↑友達の分まで、飲み水を汲みに行った優しい2人。学校には、安全な飲み水がないので、生徒がボトル持参で来ます。)

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(↑仮設テントの窓からナイスショット!)

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8月 27, 2015 支援物資配布衛生教育ネパール |

2015年5月21日 (木)

事業地紹介 ―バジェラー編―

 今回は、本事業地であるグランゴアーブ地区バジェラー地域を紹介します。

 バジェラーは以前紹介したもう一つの本事業地であるレオガン地区ウジェラーから車で5分ほど行ったところにあり、160世帯が住んでいます。
住民は主に農産物、家畜、炭の販売を通して、現金収入を得ています。バジェラーは山間に位置しているので、耕すのに十分な土地がありません。そのため、住民にとって炭は貴重な収入源で、木を切り倒し、焼き、近くの市場にて販売しています。

 JENはこのコミュニティでキオスク型給水施設4棟の改設、貯水槽1棟の修復、水管理委員会の育成、衛生促進活動を行っています。

【建設中のキオスク型給水施設(右側)】
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【修復中の貯水槽】
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 3月23日には「世界水の日」に因み、衛生的に正しい水のくみ方、水の保護の仕方、浄化剤を使った水の処理の仕方などの衛生活動を行いました。

 今後は、給水設備を建設、修復することにより、地域住民が安定かつ平等に安全な水にアクセスできるようになること。公衆衛生に関する主要な危険(コレラ感染含む)を認識し、衛生状態の悪化を防ぐための手段を取れるようにすること、をめざし、継続して衛生促進活動を行っていきます。

【炭を作っている住民】
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5月 21, 2015 ハイチ衛生教育給水施設修復・建設水衛生改善 |

2015年4月23日 (木)

「ララ祭」の様子を紹介します

 去る4月5日、JENはレオガン地区のララ祭に参加し、手洗い促進活動を行いました。

 ララ祭は、ハイチでカーニバルに次ぐ2番目に大きな宗教的・文化的行事で、各地で祭りが催されます。
 ララは1日限定のイベントではなく、主に四旬節(復活祭前の準備期間)に行われ、ミュージシャンがドラム、トランペットや竹のホーンを演奏し、グループメンバーと踊り、町の至る所で小さなパレードが行われます。

 レオガンのララ祭は、国内で最も知られており、今年は祭りが4月5日に行われました。

【レオガンの中心部で行われているララ祭のパレードの様子】
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【パレードでダンスをしている女性ダンサー】
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 パレードは夕方の6時から始まり、翌朝まで行われました。今回は深夜に大雨が降ったので、見物客の多くが祭りの会場を後にしましたが、夜の8時ごろには多くの見物客が大通りに押し寄せ、パレードを楽しんでいました。

『「ララは私の文化」と「浄化された水+手洗いは私の健康のために」』をテーマに、JENはスタンドを1つ借り、手洗い促進活動を行いました。見物客を対象に手洗いの重要性を伝え、子どもたちには水・衛生に関するクイズを出し、正解した子には、水の浄化剤をプレゼントしました。また、実際に石鹸を使い、手洗いの実践も行いました。

 ハイチ文化と水衛生をキーワードにした今回の活動は、JENにとっても、多くの人たちとの交流や、水衛生の重要性を共有できる良い機会となりました。 

【JENのバナー『「ララは私の文化」と「浄化された水+手洗いは私の健康のために」』】
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【手洗いを実践している子どもをサポートしているJENスタッフ】
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【衛生促進活動をしているJENスタッフ】
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4月 23, 2015 文化、生活、習慣ハイチ衛生教育 |

2015年4月 9日 (木)

「世界水の日」イベントの様子を紹介します

 皆さんは「世界水の日」を知っていますか?
「世界水の日」は、水資源の重要性について世界中の人々と一緒に考える日です。1993年に国連総会で、3月22日を「世界水の日」とすることが定められました。

 現在JENハイチでは、水・衛生プロジェクトを行っています。今回の機会を活用し、去る3月23日、2つの地域で水・衛生のイベントを行いました。

 イベントでは、衛生的に正しい水のくみ方、水の保護の仕方、浄化剤を使った水の処理の仕方などの衛生活動を行いました。また、水衛生についてのクイズ、イス取りゲームなどを通し、地元住民との交流も行いました。当日は、世代関係なく大人から子どもまで、多くの住民がイベントに参加し、笑いあり、踊りあり、学びありのイベントとなりました。

【浄化剤を使った水の処理方法を説明している衛生促進員】
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【イス取りゲームに参加している住民】
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 ハイチは世界的に見てコレラ感染者数が多い国と言われています。主な原因として、安全な水へのアクセスや改善された衛生施設の利用を、全ての住民がいつでもできるわけではないことが挙げられます (注1)。また、正しい衛生知識を得ても、行動に結びつけないこともあることから、継続して知識を伝達することが求められます。

 JENでは、地域住民が自ら公共の給水施設を長期的に維持管理できる体制を構築するためのサポートをするととともに、衛生促進員が主体となり、衛生知識の普及にも努めています。今回のイベントを通し、より多くの人々に水の重要性を理解し、実践してもらえたと思うので、今後も継続してサポートをしていきます。
 
【手洗いの実践をしている様子】
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【クイズに答えている参加者】
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(注1) United Nations Support Plan for the elimination of the transmission of cholera in Haiti 2014-2015 (United Nations in Haiti, 2014).

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4月 9, 2015 ハイチ衛生教育 |

2015年3月26日 (木)

衛生促進活動の様子を紹介します

 JENは現在行っている事業では、今月から本格的に衛生促進活動を行っています。

 本事業で支援している6地域のうち、レオガン地区デピュレシ地域の小学校での活動をご紹介します。

 訪問時、5人の衛生プロモーターが、各学年に手洗いの仕方やなぜ手洗いが必要なのか、またその重要性を説明しました。その後、実際に子どもたちが手洗いを実践しました。

【子どもが手洗いの実践をしている様子】
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【指の先まで念入りに手洗いをしています】
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 事業地において、特に下痢は日常的な病気となっています。感染リスクが高くなる住民の行動の例として、家畜の水飲み場や洗濯場として使われている川の水を飲料水として使うことや、水くみで家庭に持ち帰った水を非衛生的なバケツに保存すること、などが挙げられます。

 住民が公衆衛生に関する危険を認識し、衛生状態の悪化を防ぐために、JENは手洗いの仕方以外にも、学校や保健所、また戸別訪問等を通して、トイレの使い方、水のくみ方・運搬・保管の仕方などの衛生活動を行う予定です。

【衛生プロモーターが手洗いの仕方を子どもたちに教えている様子】
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【子どもたちが手洗いの歌を歌っている様子】
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【緊急企画】イラク国内避難民緊急支援活動報告会を開催します。

イラク北部にて緊急支援に従事しているスタッフが帰国します。
今、イラク北部でなにが起こっているか、JENは国内避難民に対しどのような支援活動を行っているか、今後の活動の展開は、など、緊急支援活動報告会でご紹介いたします。
ふるってご参加ください。

くわしくはこちら

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3月 26, 2015 ハイチ衛生教育 |

2015年2月26日 (木)

事業地紹介 ―ウジェラー地域編―

 今回は、本事業地でもあるレオガン地区ウジェラー地域を紹介します。ウジェラーはレオガン地区中心部から車で30分ほど行ったところにあり、150世帯が住んでいます。
JENは11月からこのコミュニティで、キオスク型給水施設6棟の改設、水管理委員会の育成、衛生促進活動を行っています。
 
【町の主要道路】
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 町を歩いていると、よく目にするのが、キャッサバです。キャッサバとは熱帯地域にてよく栽培されているイモの一種で、食感はジャガイモやサツマイモに似ています。乾燥している地域でも容易に育つことから、住民がよく栽培しています。

【町で栽培されているキャッサバ】
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 訪問時、衛生促進を行うボランティア向けに衛生講習会を行いました。内容は、水を汲む時、持ち運ぶ時に用いる容器について、またどのような手段が適切であるかを話し合いました。今回講習を受けたボランティアの皆さんは、今後、戸別訪問や講習会を住民向けに開き、衛生知識の普及を行う予定です。

【衛生促進ボランティアが衛生講習会で討論している様子】
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2月 26, 2015 ハイチ衛生教育給水施設修復・建設水衛生改善 |

2015年2月12日 (木)

新事業開始 ―(3)衛生促進活動編 ―

 今回は、本事業3つ目のアプローチである衛生促進活動についてご紹介します。

 コレラ等の水因性感染症を予防するために、現在6つの地域で、住民に衛生知識を普及する活動を行っています。

 本事業でキオスク型給水施設を建設しているウジェラー地域とバジェラー地域では、衛生促進ボランティアを選定し、訓練を行います。その後、各地域で住民向けにボランティア主体の衛生促進集会を行い、また個別訪問や学校を訪問し、衛生知識の普及に努めます。

【手洗いを実践する子どもたち】
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 他に、4つの地域コミュニティでも、引き続き衛生促進活動を行います。これらの地域では、前事業で活動していた衛生促進員を採用し、学校や保健所を訪問することにより、コミュニティ全体に知識が普及することを目指しています。
学校では、手洗い、トイレの使用などの衛生啓発を行う予定です。保健所では、待合室で手洗い用スタンドを用い、一般的に良く知られているコレラや腸チフス以外の感染症についての情報も広め、その予防についても啓発していく予定です。

 これらの活動を通し、本事業地の住民が公衆衛生に関する危険を認識し、衛生状態の悪化を防ぐための手段を取ること。また、浄化剤を利用し、住民の健康状態が改善されることを目指しています。

【事務所で衛生啓発の練習をしているJENスタッフ】
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2月 12, 2015 ハイチ衛生教育水衛生改善 |

2014年11月13日 (木)

統計で見るハイチの水事情

「西半球の最貧国」― ハイチについて語られるとき、しばしばこの表現が使われます。
 
 

 事実、人間開発指数(人々の生活の質や発展の度合いを測る指数)を見ても、ハイチは世界の187か国中168番目に位置しています(注1)。
 また、ハイチは「後発発展途上国」と呼ばれる、世界で最も貧しい国々のカテゴリーに分類されています。
水衛生、教育、インフラ、保健などの分野において、取り組むべき課題が山積しているのです。

 JENハイチ事務所が支援活動を行っている水衛生分野においても、多くの困難があります。
 

 例えば、ハイチの都市部に住む約4人に1人が、そして農村部に住む約2人に1人が、安全な水にアクセスすることができません(注2)。
 また、ハイチで生まれた5歳以下の子どもたちの約6人に1人が、下痢が原因で亡くなっています(注3)。
 安全な水へのアクセスと、衛生に関する正しい知識があれば、救える命です。

 ハイチにおける、2010年10月から2014年2月までのコレラの推定感染数は706,089件、亡くなった人々は8,592人です。(注4)。
 ハイチは、現在もコレラ感染数が西半球で最も多い国です(注4)。

 皆様からのご支援を受け、JENハイチ事務所はこの2年間で、給水施設の修復・建設や衛生促進活動などを通じて農村部に住む約3,000世帯に支援を届けてきました。
 

 私たちの活動地域は、2010年で最も被害を受けた西県パルム地域です。現地の人々はいつも「水は、命そのもの(Dlo Se lavi)」と口にします。安全な水は、人々の健康や生活の基盤であり、まさに“命そのもの”なのです。

【水汲みをする子どもたち】
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(注1)Human Development Reports(UNDP,2014)

(注2)Joint Monitoring Programme Report 2014:Progress on drinking water and sanitation(WHO/UNICEF、2014), 報告書の中のデータは2012年のもの

(注3) Haiti Meternal and Child Health and Family Planning Portfolio Review and Assessment(USAID,2008)

(注4)Haiti Cholera Response September 2014,報告書のデータはハイチ保健人口省より引用 (UN Haiti,2014)

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11月 13, 2014 ハイチ衛生教育給水施設修復・建設 |

2014年10月16日 (木)

「手を洗おう」ポスター@ハイチ

 ここハイチ事務所でも、ジェン20周年記念「手を洗おう」ポスターを掲示しています。この機会に、「手洗い」について、深く掘り下げて紹介したいと思います。

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「手洗い」は、多くの人にとって、無意識的な行為です。しかし、水・衛生分野の専門家の私から言わせれば、単なる「手洗い」で片づけるわけにはいきません!

 私は仕事柄、必要な場面で現地の人々がより多くの時間を手洗いに割くよう、その重要性を伝えています。また、手洗いがコレラなどの感染症の発生を大きく食い止める場面を見てきました。このブログを読んでいる皆さんは、「手洗い」が途上国のみに必要なものであると考えるかもしれません。しかし、実はそうでもないのです。

 第二次世界大戦の後、抗生物質の使用が一般的になり、「手洗い」の重要性がないがしろにされるようになりました。抗生物質を飲めばバイ菌が殺せるからいいじゃないか、と人々は思ってしまったのです。ウイルス性の感染症にかかると抗生物質を飲むよう処方されることも、人々がそう思う一因となりました。

 私の母国フランスで、最近大規模な「手洗い」キャンペーンが行われたのは新型インフルエンザ(H1N1)が流行した時です。しかし、フランスでは結局、予防注射のほうが石鹸よりも多く売れたのです。予防注射よりも手洗いのほうが、新型インフルエンザへの予防策としては有効にもかかわらず。

 ここハイチでは、手洗いは何より重要です。それにはいくつか理由があります。
 

【手洗いを学ぶ子どもたち】
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 まず、手洗いによって予防できる感染症であれば、手洗いに全力を尽くして予防すべきなのは言うまでもありません。そして、ハイチの人々の多くは、病気にかかっても薬を買うことが経済的に困難なので、予防は非常に大切です。また、ハイチの医療に大規模な感染症の発生に十分に対応する能力がないことも、残念ながら事実です。

 もちろん手を洗うだけでは病気の伝染を防ぐことはできません。「適切な方法で」洗う必要があります。

 手洗いの効果を出すためには約30秒間必要なのをご存知ですか?私たちの生活においても、正しく手洗いをしている人はまれで、そうしている人は少々「手洗いオタク」に見えるかもしれません。みなさんは30秒間手を洗っていますか?洗っている方は逆に少ないのではないでしょうか。

 ハイチで私が初めてフィールド調査をしたとき、地元の人々に手洗いをやってみせてもらうよう1日中お願いして回りました。驚いたことに、外科医よりもきれいに、と言っても過言でないほど、住民の方々はきちんと手を洗えるのです。ではハイチではいったい何が問題なのでしょうか?

 私たちが苦労しているのは、人々に「どうやって手を洗うのか」を教えることではありません。なぜならば、人々は既に知っているからです。むしろ、「手洗いをすることは効果があることだ」ということを伝え、そのための継続的な努力を促すことなのです。

 最後に、水と衛生の専門家として、「手を洗おう」キャンペーンに一言、付け加えさせてください。
「手を洗おう、石鹸で!!」と。

 ハイチ事務所長
 ルドビック・ブランコ



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10月 16, 2014 事務所・スタッフハイチ衛生教育 |

2014年10月 2日 (木)

衛生トレーニング修了証

JENがハイチで行っている主な活動の一つに、現地コミュニティでの衛生促進ボランティア育成があります。現地でボランティアになることを希望する人々にJENスタッフが衛生についてのトレーニングを行い、今度はこのボランティアの人々が各コミュニティの住民にその知識を伝えます。

昨年12月から始まった一連のトレーニングが終了し、今月、ボランティアの方々にジェンから修了証が手渡されました。

【修了証授与】
141002_4衛生に関するトレーニング、と聞いても、日本ではなかなかなじみがない活動かもしれません。どのような内容のトレーニングなのでしょうか?

【トレーニングの様子】
141002_5JENのトレーニングの内容には、手の洗い方、トイレの使い方、安全な水を使用する大切さ、ハイチで感染が見られるコレラ、マラリア、デング熱、チクングニア熱の予防の仕方、などがあります。例えばコレラを防ぐための知識として、路上や小川などの汚い水を飲まず、飲み水はキオスク型給水施設のものを使うこと、きちんとトイレを使用すること、ご飯を食べる前には手を洗うこと、といった内容を伝えています。また、コレラによる脱水症状を防ぐために飲む生理食塩水(人間の体液とほぼ同じ濃さの食塩水)の作り方もトレーニングで学びます。

【修了書を受け取るボランティア】

141002_6コレラ、マラリア、デング熱、チクングニア熱などは、適切な予防知識を持つことで防げる病気です。各コミュニティの人々が感染症に悩まされず健康に過ごせること、衛生的な状況で生活できること、これはJENハイチの活動目的でもあり、各コミュニティの人々の願いでもあります。
この目的に向けて、今度はこのボランティアの人々自身が自分たちのコミュニティで衛生に関する知識を人々に伝えていきます。

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10月 2, 2014 ハイチ衛生教育 |

2014年5月 1日 (木)

ララ祭

 ララ祭は、ハイチで2番目に大きな文化行事です。私のハイチ滞在は1年になりますが、昨年は参加することができませんでした。しかし、今年は見逃すわけにはいきません!

 もちろんこの国で1番大きな行事はカーニバルですが、私にとってララ祭は、よりハイチの文化を反映したもののように思われました。カーニバルは、カリブ地域の他の国々でも体験できることもその理由かもしれません。

 初めは、ララ祭の意味がよく分かりませんでした。

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 イースターの週末は4月20日ですが、その1か月前から、毎晩のように楽器(トランペットや手作りのチューバなど)を持ったバンドが通りを歩き、そのバンドに続いて群れをなす人々と大騒ぎをします。また、その行列には、飲み物がいっぱいに入ったクーラーを積んだ手押し車を持った人もいます。道を練り歩くこのご一行の中には、ライトのためのバッテリーを積んだ手押し車を押している人もいます。
時々、その音楽団は道端で止まり、一人の男性が進み出て、情熱的にそして時折激しくムチをたたきます。そして、またその集団は音楽を演奏しながら道を進んでいくのです。大通りのそばに住んでいる人にとって、毎年3月と4月は悪夢かもしれません。

 また、道でこの音楽団に出くわすのも厄介です。運が良くても数分、運が悪ければ時には1時間も足止めを食らってしまいます。大通りの真ん中で、何百人もの人々の集団が歌い、踊り、演奏し、そしてお酒を飲んでいるのを想像してみてください― 私たちにできることといったら、音楽を楽しむためにひたすら忍耐強く待ち、静かにしていることしかないのです。

 話をもとに戻しましょう。この、(私にとっては)異文化の行事について、その起源を知ろうと地元の人々に聞きまわりました。しかし、いろいろ聞いてみても、ヴードゥー教に由来するものだ、という以上の説明がありません。

 これでは納得がいかなかったので、さらに詳しく調べてみたところ、ついに妥当な答えに行きつきました。どうやらこれは、黒人奴隷の故地、西アフリカの風習です。大まかに説明すると、ちょうど雨季に入る前、農家の人々が近隣の人々に農作業を手伝ってもらうよう頼んで回っていたのですが、その際、夜に農地から農地へと呼びかけて回ったのです。なぜ夜かというと、昼間はもちろん皆働いているからです。

 これは、カーニバル終了から約1か月間行われます。イースターの週末には多くのグループがパレードのために市内に集まります。パレードは夕方6時頃始まり、翌日の朝まで、時には10時頃まで続きます。今年は、このイベント中に事件や事故はなかったようです。

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 この行事への参加は、ハイチの人々の文化を理解するために大変重要でした。また、JENが参加することで、「手洗いは感染症のリスクを減らす効果があります」という基本的な衛生促進メッセージをより多くの人々に、特に子どもたちに伝えるよい機会になりました。

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5月 1, 2014 文化、生活、習慣ハイチ衛生教育 |

2014年4月 3日 (木)

世界水の日

 3月22日は何の日か知っていますか?
 答えは「世界水の日」で、1993年に国連総会で定められました。

 JENハイチでの支援活動は水に関わるものなので、この日にちなんで水の重要性について住民の方に伝える良い機会にし、特別なイベントを実施しようと考えました。

 JENは現在18のコミュニティにおいて事業を実施していますが、そのうちの4つのコミュニティにおいて衛生促進活動の実施を決定しました。その中でこのイベントは、水管理委員会や衛生促進ボランティアとともに時間をかけて計画しました。

 イベントでは主に、水の保護方法、汚染された水の処理、水をきれいに維持管理する方法等に焦点を合わせました。水処理の重要性を示すため、「Dlo+Tretman=Sante」というスローガンを掲げました。「水処理は健康につながる」という意味です。音楽や演劇、ゲーム等を用いてイベントの準備をし、多くのボランティアが準備段階からサポートしてくれました。

 西半球で最も貧しい国と言われている通り、ハイチはNGOや国際機関からの支援に頼っているのが現状です。私たちは、過去4年以上ハイチで活動してきた経験から、多くのハイチ人は共用施設の維持管理に対して責任を持つことに消極的で、NGOや国際機関がその責任を負う事に頼ってしまっていることがその原因だと理解しています。

 JENのハイチでの活動の目的の一つは、コミュニティが自立して給水施設の維持管理を長期的に行なえる環境作りをサポートすることです。

 こうした理由から、より多くの住民がこのイベントで行なう紙芝居やクイズに参加できるよう事前に練習する機会も設けました。また、UNICEFやMSFといった団体から以前寄付された衛生キットを、住民に配布しました。ただし、事前練習に参加したり、このイベントの活動に参加した住民のみが、この衛生キットを受け取ることが出来ると事前に住民に説明しました。

 コミュニティの大人たち、子どもたち、皆がこのイベントを楽しみ、重要なことを学んだのではないか、と考えています。

【「世界水の日」バナー】
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【JENスタッフによる水処理トレーニング】
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【「Dlo+Tretman=Sante」(水処理は健康につながる)スローガンが入ったブレスレッドを巻いています】
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【衛生キットの配布】
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【演劇やゲームを見る為に住民が集まりました】
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【手洗いの適切な方法の練習をする子どもたち】
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4月 3, 2014 ハイチ衛生教育水管理委員会 |

2013年8月22日 (木)

2013年ハリケーンシーズンまっただ中

6月1日に到来が正式に発表されたハリケーンシーズンは、ハイチでは年間を通して最も緊張感の高まる期間です。

降雨は農業収穫に欠かすことができないため、雨が多く降るこの時期は、農業従事者にとって大切です。また、外国で暮らすハイチの人びとが、夏休みを利用して故郷を訪れる時期でもあり、更には様々な催し物が行われるのもこの時期の特徴です。

生まれ変わった夏の「フラワー・カーニバル」(前回分参照)も含め、定期的な集まりやビーチでのパーティなど、お祝いをする機会は多々あります。

ハイチの主要都市のほとんどで、夏季は地域コミュニティが開催するパーティーも毎週行なわれます。

例えば今年は、プティ・ゴアーブ市誕生350周年記念の祝祭が、ハイチで著名な歌手やバンドを集めて8月中旬に行われました。現大統領であるミシェル・マーテリーも、この時ばかりは大統領としてではなく、かつて歌手として一世を風靡したスウィート・ミッキー(Sweet Mickey)として参加しました。

これら全ての祭典をよそに、今はハリケーンシーズン真只中だということを誰も忘れることは出来ません。今年は例年ほど降雨量は多くないですが、気温や湿度はとても高いです。

たとえば、今年はすでに18もの熱帯波動が予報され、そのうち8個は既に名づけられています。ということは、少なくとも熱帯性低気圧による破壊的なハリケーンが、かつてない数量予測されているということになります。

ハイチは、ハリケーンに関しては苦い歴史があります。それは、中米をハリケーンが通過する3つのルートの交差路にハイチが位置していることが大きな理由の一つです。ハイチ東方のアフリカからカリブ海東南部の小アンティル諸島経由、もしくは北方、または南西からジャマイカ近辺経由で、いずれにしても嵐やハリケーンは、どうにかしてハイチに到達しようとするのです。

山が多く、森林伐採により国土の2%ほどしか木々に恵まれていないハイチは、大雨による洪水や地滑りに対して極めて脆弱です。

今年は、今のところ幸運に恵まれています。

というのは、”Chantal”と”Dorian”という2つの熱帯性低気圧が連続して大西洋に発生し、ハイチを襲う絶好のルートだったものの、双方ともハイチに到達する前にその勢力が衰えました。特に、”Chantal”はハイチ南部に達する50キロ手前で勢力が弱まったのです。

嵐に関しては幸運に恵まれていますが、雨に恵まれている年だとは言い難いです。
ハイチのほぼ全土で例年より雨が少ないため、専門家は干ばつの危機感を強めています。少なくとも秋の収穫には影響し、数ヵ月後には厳しい食糧危機に直面する可能性もあります。

嵐に関しては幸運に恵まれていると言いましたが、決してシーズンが終わったわけではありません。特に、2008年は”Fay”、”Gustave”、”Hanna”、”Ike”が8月16日から9月6日にかけてハイチを続けざまに襲いました。昨年は、”Sandy”がハイチを襲ったのが10月24日だったことを考えると、今年もまだまだハリケーンシーズンに楽観視していられないのです。

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8月 22, 2013 事務所・スタッフ政治、経済、治安文化、生活、習慣ハイチ衛生教育 |

2013年7月25日 (木)

ジャンティ(グランゴアーブ)での給水施設引渡し式

 JENは、日本政府と皆さまのご支援によって、ハイチで水衛生関連の事業を行っています。
 ハイチ水衛生局との緊密な連携のもと、水管理委員会の結成・強化、給水施設の建設・修復等を進めています。対象は3つのコミュニティですが、そのうちジャンティ地区で給水施設2棟の建設、貯水槽1基の建設が完成し、6月30日に多くの住民の参加のもと引渡し式が行われました。地域住民で構成されている水管理委員会のメンバーや衛生促進ボランティアが、JENスタッフのサポートを受けて引渡し式の準備を行ないました。

 合計5時間にも及んだセレモニーでは、まず水管理委員会のメンバーが、住民主導で給水施設を維持管理していくコンセプトについての説明を行いました。コミュニティにおいて飲料水の供給を維持するために重要なこと、特に、全ての世帯が公平に毎月の使用料(毎月1USドル以下)を支払う必要性に焦点があてられていました。

 ジャンティでは、2010年に他の国際NGOによって電動式水ポンプ設置の支援が行われていました。しかし、清潔で安全な水を供給できる環境ではなく、また貯水もできないため、ハイチの不規則な電気供給(1日最低数時間)とあいまって大きな問題となっていました。

 今回JENが建設した貯水槽は154世帯分・6万リットルの容量があり、なにかの理由で数日間電気が供給されなくても、一家族あたり390リットルを蓄えておくことができます。加えて、塩素を使った水の浄化処理システムを導入した2棟のキオスク型給水施設の設置により、浄水にかかる時間が大幅に短くなりました。

【右側:貯水槽、左側:キオスク型給水施設
それぞれ公式に引渡しが行われました】

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“DLO SE LAVI!”(水は命だ!)は、おそらくハイチで最も多く繰り返されるメッセージです。言うまでのないことですが、きれいな水が命です。
 キオスク型給水施設のきれいな水でも、使い方が適切でなければ、あとで汚染されてしまいます。そのため、セレモニーでは最も時間をかけ、クイズやゲーム、寸劇を通して衛生に関する知識を明確に伝えました。これは、JENのスタッフからトレーニングを受けたボランティアが運営した音楽付きの遊びの要素のある催しで、積極的な参加者に石鹸、トイレットペーパー、歯ブラシや歯磨き粉等詰め合わせの衛生キットを賞品として渡しました。いつもどおり子どもたちが最も熱心で、それはJENがこの日の一番に対象と考えていた年齢層に完全に一致しました。というのは、子どもたちは未来を担う存在です。彼らのふとした行動から環境が好転するか、あるいは、習慣にならないと、これまでどおり、洗っていない手を家庭のバケツにつけて水を汚してしまいます。

 現在、建築作業も引渡しも完了し、水管理委員会のメンバーにとって最もやりがいのある仕事が始まりました。人々は、毎月の使用料を定期的に集めて、必要に応じて施設を修理することができるでしょうか?それともハリケーンに襲われ、集めたお金では施設の修理に足りないようなことになるでしょうか。

 現時点では、残念ながら誰もこういった質問に答えることはできません。しかし、JENのスタッフは事業終了の10月末まで、水管理委員会のメンバーをサポートし続けます。

【コレラについて寸劇をする衛生促進ボランティア】
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7月 25, 2013 ハイチ衛生教育水管理委員会 |

2012年5月24日 (木)

マンゴの季節、雨の季節、コレラの季節

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 本格的な雨季に先立ち、ハイチでは3月下旬頃から雨が降り始めました。特に夕暮れから夜にかけて、時にはスコールのような大雨が降ります。雨によって道路が遮断されたり、橋が落ちたりと、人々の日々の生活に影響が出ており、さらにコレラ感染のケースも増加し始めています。

 マンゴの季節に入ると、現地のハイチ人スタッフは口々に言い始めました:「マンゴの季節と雨の季節が来ると、コレラの季節が来る!」と。

 マンゴの季節になると、いたるところでマンゴが売れ始めます。
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 ハイチ人スタッフたちの話によると、おいしいマンゴが増えると、マンゴをきちんと洗わずに食べてしまう人が増え、コレラを始めとした感染病も増加する、というつながりがあるようです(ちなみに、マンゴはそのまま皮のある状態でガブリと、がハイチでの食べ方)。

 4月中旬には、国際機関によるコレラの予防接種キャンペーンが開始するなど予防策が取られ始めています。このような状況の中、ジェンはハイチ人スタッフたちによる衛生促進トレーニングを7つのコミュニティーで現在行っています。

5月 24, 2012 文化、生活、習慣ハイチ衛生教育 |

2012年1月12日 (木)

安全な水ー知識の伝達

 ハイチでは、水衛生に対する正しい知識と習慣がないためにコラレ等の感染症が発生しております。
 そこで、人々に正しい衛生知識と塩素の役割を知ってもらうために、塩素の使い方の研修を受けたジェンの現地スタッフがトレーナーとなって、地元の人たちに知識の伝達を行いました。

 ジェンが活動しているコミュニティごとに各3名(給水施設を管理する水管理委員会から2名、衛生知識の普及活動を行う保健衛生促進普及員1名)が液体塩素の作り方の研修を受けました。

 ジェンスタッフにより行われた研修の内容は以下の通りです:

 まずは
 ①なぜ塩素を使う必要があるのか、ジェンのチームリーダーが説明をしました。

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 次に、
 ②液体塩素の作り方・気を付けるべき点を、研修を受けている人たちとのやりとりを含めながら、ジェンスタッフが熱く説明しました。
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最後は、きちんとマスクやゴーグルで身を守って(ジェンによって防具セットも配布)、
 ジェンスタッフの母親のような注意深い眼差しの下、一人一人順番に、
 ③実際に作ってみました。
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 研修を受けた水管理委員会と保健衛生普及員がそれぞれの地域住民に対して確実に知識を伝達していけるように、ジェンスタッフは何度も何度も、しつこいと思えるくらいに知識の確認を行っていきました。

 この積み重ねが、知識の伝達のみならず、行動の変化にもつながっていくことを期待しています。

1月 12, 2012 事務所・スタッフハイチ衛生教育 |