統計で見るハイチのコメ事情
ハイチの人に「代表的な食べ物と言えば、何ですか?」と質問すると、ほとんどの方は「コメ」だと答えるでしょう。その理由は、町の食堂で食事をすると、コメが必ずと言っていいほどメインコースの一部として、出てくるからです。
しかし、ほんの数十年前までは、コメは代表的な食べ物ではありませんでした。
【典型的なハイチの食事】
データを見ると、1980年のハイチでの精米消費量は63,000トンでしたが、2014年には約8倍の490,000トンの消費量を記録しました(注1)。
一方で、年間の国内精米生産量は統計を見てもほとんど変化はなく、1980年の生産量が62,000トンに対し、2014年は69,000トンでした(注2)。
消費量が増えた要因として、政府の政策の影響が挙げられるでしょう。
以前、ハイチの人びとは自分たちが消費するコメは自国で生産していましたが、1990年代半ばに、国際通貨基金が推進する貿易自由化政策のもと、政府はコメの輸入税率を35%から3%に引き下げました。まもなく、アメリカ政府からの助成で、価格が安いアメリカ産のコメが国内の市場に流入した結果、国内のコメの価格は下落し、アメリカと競争することが難しくなりました(注3)。
今日では、ハイチは世界の中で5番目に多いアメリカ米の輸入国です(注4)。
また、コメ消費量の80%近くを輸入に頼っています(注5)。
消費量が増えた要因は他にもあると思いますが、コメが代表的な食事になったのは、少なくとも政府の政策が影響しているでしょう。
【町の市場で売られているアメリカ産の米】
(注1)Haiti Milled Rice Domestic Consumption by Year (index mundi, 2015)
(注2)Haiti Milled Rice Production by Year (index mundi, 2015)
(注3)Country profile – Haiti(New Agriculturist, 2007)
(注4)Beyond Aid: The Flood of Rice in Haiti(Poverty cure, 2013)
(注5)Haiti no longer grows much of its own rice (Oxfam America, 2008)
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