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2013年12月26日 (木)

2013年の終わりが近づいて

 1年の終わりが近づき、年次報告を書く時期となりました。

 その前に、私が仕事で経験したことをお話ししたいと思います。先日、国際的に有名なある司祭の成功談を聞く集まりに出席する機会がありました。その司祭は30年以上にわたり、水圧の高い人工湖を作るプログラムを実施してきましたが、その結果は驚くべきもので、恩恵は農業、漁業、環境、飲料水など様々な分野に及ぶものでした。こんなに多岐にわたって成功を収めるプログラムは滅多にあるものではありません。

 このような良い話(個人事情はありますが)はあまりないので、ぜひともお伝えしたかった訳ですが、それで私がここで伝えたいポイントがはっきりしました。2013年を振り返り、思い出せる限りで良い点を見てみましょう。

 何よりもまず、今年ハイチは大きな自然災害からまぬがれることができました。たぶん皆さんはまず地震のことを考えるでしょうが、ハリケーンも非常に破壊的なものです。地震を過小評価するつもりはありませんが、ハイチはアフリカやカリブ海北部、カリブ海南部、そしてメキシコ湾から来るハリケーンの交差点に当たるのです。今年いくつかのハリケーンがハイチに近づきましたが、幸いにも直撃せずに済んだのです。
 

 2番目は1番目の結果でもあるのですが、今年の収穫が大変良かったことです。これによっていくつかの地域の食料不安が和らぎ、インフレが少し安定します。今年は気象が農家に味方しました。農産物を輸出するにはまだほど遠いですが、少なくとも良いスタートだと言えます。

 前回環境問題に言及しましたが、再度取り上げても悪くはないでしょう。ハイチには、体系的に実施されていなくとも、環境に関する法律があります。人々は環境について話し、大きな町では行動を起こそうとしていると報じられています。そして再び、私はハイチに来たばかりのころのことを思い出します。今とは比較にならない日々のことを。

 ところで、微妙な問題ではありますが、現政府はまだ健在です。ハイチ政府が直面している問題は全て簡単に解決できることではありません。しかし年末に大統領が「選挙法」を公布したため、国内の緊張は和らぎました。
 若い人々は、国民の信頼を得ることができた大統領を知りません。現大統領がそのようになれるかわかりませんが、そうなった時の良い影響が期待できるだけに、私達は前向きでいたいものです。地理的に、ハイチは経済面でも観光面でも絶好の場所に位置しています。政府はそれを理解し、うまく活用することで都市を発達させようと明言しています。
 政治面でもうひとつの良かった点は、もちろんセキュリティーです。セキュリティーが日々良くなっていることは誰の目にも明らかで、2012年に比べてずっとよくなっていることはデータからもわかります。

 締めくくりとして、2014年のハイチへの私の願いを書きます。
 まず第1に、この国の人々が自然災害に遭わないよう心から願い、同時にフィリピンの災害に思いを馳せます。
 第2に、政治が安定し、発展に向けて離陸できますように。そして最後に、ここでは言及しませんでしたが、健康管理や人権に関して改善がみられますように。

ハイチ事務所長
ルドビック ブランコ



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12月 26, 2013 ハイチ, 事務所・スタッフ, 政治、経済、治安 |

2013年12月12日 (木)

希望?

 正直、私が初めてハイチに到着して真っ先に感じたことは「希望がない」ということでした。それから9か月後、私の意見はどのように変わったでしょうか。私は今もハイチにいますが、暗闇の中に微かな光が見えてきたような気がします。何が変わったのか、はっきりしたことは分かりません。

 ハイチに来て2日目のことを、まるで昨日のことのように覚えています。私たちはフィールド事務所(そこは2か月間私の事務所兼宿舎になりましたが)に行くために、首都ポルトープランスから車を走らせました。運転手はとても優秀だったのですが、50キロしか離れていない事務所まで2時間もかかってしまいました。私のそこでの第一印象は、ここでは何もできないということでした。

 明日の朝、私はポルトープランスでミーティングがあります。それに間に合うためには、真夜中に起きなければならないと思いますか? 残念でした。今ではポルトープランスの中心部に行くのに45分で行けるようになりました。相変わらず交通渋滞はありますが。

 9か月たった今、変化が見えてきたと言えるでしょう。わたしがこの国に来たばかりの時、山のようにゴミがあふれる市場の周りで人びとが廃棄物をかき集めている姿を見ました。今ではそうではないのです。シンガポールのようだとは言えませんが、大きな進歩です。
 
 今日インターネットのニュースを見てわかったことは驚きです。20万個もの発砲スチロールゴミが集められたのだそうです。最近できた法律で(2013年7月10日施行)、主に食品やカップ用に使われていた発砲スチロール製品は締め出されることになりました。餓死する人が存在し、コレラで毎週死者が出ているようなこの国で、次の世代のためにこんな法律が作られるなんて信じられますか?これを私は「希望」と言っています。
 思えば私の母国(フランス)でビニール袋が禁止されたのはそんなに前のことではありません。白熱電球が省エネ型電球に換えられ始めたのは、ほんの数年前のことです。

 私の専門分野のことを見てみましょう。私は国の水衛生部門から会議に招待されました。その時、参加者全員(組織、会社等)に、何千ページもある書類が配られました。それは、水と衛生に関する全てのことがまとめられたガイドで、守らないと処罰の対象になる基準が書かれていました。本当に、あれだけの災害があった後、全てを失った状態からこのようなものを作る、混沌の中でこれほど早く秩序を作り出す試み、それは奇跡です。
 だから私はまだハイチにいるのかもしれません。

 ハイチ事務所長
 ルドビック ブランコ



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12月 12, 2013 ハイチ |

2013年12月 5日 (木)

新事業開始!

 JENハイチでは、日本の外務省からの資金と皆さまのご支援により、12月1日より新たに水衛生関連の事業を開始しました。
 ハイチの水衛生分野での課題を解決するため、安全な水へのアクセス確保、地域住民による持続可能な給水施設の維持管理体制の構築、下痢やコレラの予防のための衛生促進、という3つのアプローチにより、8ヵ月間の予定で事業を行なっていきます。

 事業内容としては、まず約6kmに及ぶ水路を改修し、その水路を水源とするキオスク型給水施設を9棟、貯水槽を1基建設します。それにより、住民が安全な水へのアクセスが可能となります。
 キオスク型給水施設は、蛇口が1~3つ外についている箱形の建物で、水の供給はキオスク内の管理人が管理します。住民は外の蛇口で水を汲み、バケツ毎の料金を支払います。

【使用不可能な蛇口】
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【貯水槽】
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【キオスク型給水施設】
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 また、給水施設の維持管理を住民によって持続して行えるよう、水管理委員会を結成し、体制を構築・強化します。
水管理委員は地域住民によって選出され、水利用料を住民から徴収します。    これにより、地域住民による給水施設の維持管理が長期的に行えることが期待されます。

【水管理委員の選挙】
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【水管理委員会トレーニング】
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 更に、住民が公衆衛生に関する危険を認識し知識を増やすことによって、下痢やコレラ感染の予防等につながるよう、サポートします。地域住民から衛生促進ボランティアを募り、トレーニングを行うことでボランティアの方々の衛生知識を向上させます。住民に対しては、衛生促進ボランティアが中心となって戸別訪問やキャンペーンを行ない、衛生知識・習慣の改善を行います。

【衛生促進ボランティアトレーニング】
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【衛生促進キャンペーン】
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 引き続き、ハイチの人びとに対してのご支援を頂けますよう、よろしくお願いします!


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12月 5, 2013 ハイチ, 水管理委員会 |