« 西村内閣府副大臣(防災担当)がハイチを訪れました | トップページ | ハイチ軍の再生 »

2013年10月 3日 (木)

2013年ハリケーンシーズン終盤に入る・・・

 6月1日に本格的にハリケーンシーズンが始まってから、18の熱帯性波動がハイチに近づき、その内の8個は名前が付けられるような熱帯性低気圧、つまり恐ろしく破壊的なハリケーンになるだろうと予測されましたが、幸運にも今までのところそのような嵐は来ていません。

 前号の記事ですでにお話ししたように、7月初めに“Chantal”と“Dorian”という2つの熱帯性低気圧がハイチに近づきましたが、沿岸部に到達する直前に勢力が衰えました。その後も多くの熱帯性波動や熱帯性低気圧が発生し、つい最近も、熱帯性低気圧 “Gabrielle” がハイチに近づきましたが、何と直前でコースを変えたので、直撃をまぬがれました!
 通常、コースを変えてハイチを直撃する熱帯低気圧やハリケーンがとても多いのですが、今回、母なる自然は西半球で一番貧しい国を見逃してくれたのです。

 でもまだ安心はできません。ハリケーンシーズンは11月末まで続きます。ハイチの人々は2010年11月の“Thomas”や、昨年10月の“Sandy” のことを忘れていません。

 今年のハリケーンシーズンは、上記のような幸運なハリケーン進路の変更の他に、雨が少ないことが特徴です。それはコレラの大発生を防ぐことにはなりますが、農業のことを考えると深刻な問題です。

 今年の春の収穫高が最近発表されましたが、(2010年1月の大地震以前の最後の確かな数字である)2009年の60%しかありませんでした。昨年よりはわずかに改善したものの、インフレが続く中、ハイチの多くの人々にとって状況は本当に悪くなっています。インフレ率は最近少し低くなったとはいえ、現在約150万人の人々が食糧不足の状態にあると言われています。

 干ばつがもたらすもう一つの悪影響は、もちろん飲み水です。地下水が豊富なことで知られているレオガンでも、ほとんどの井戸が干上がっているのです。ジェンのオフィスでも貯水タンクを一杯にするのに、5月頃は小さな電動ポンプで20分しかかからなかったのに、今は1時間以上かかっています。

 水不足はまたコレラ菌の増殖に適した環境を生み出します。といっても都市部での話ではありません。都市部ではきれいな水と汚れた水を混ぜ合わせてしまう大雨が病気を広げますが、地方の過疎の地域では、水不足のためわずかな水を多くの人々と動物が共用することにより病気が広がるのです。

 今年ハイチではすでに約35000人がコレラに感染しました。今年の感染者数の合計が最終的に昨年や一昨年より減る可能性はありますが、恐ろしいのは最近数か月の間に死亡率が上がってきたことです。国全体では感染者の1.4%が死亡、遠隔地では4%に達した所もあるそうです。何とか許容できる死亡率は1%以下なのですが・・・

 そんなわけで、結局雨が降った方がいいのでしょうか。農業は助かりますが、大都市ではコレラが増えます。それとも干ばつの方がいいのでしょうか。大都市にコレラが大発生することは防げますが、人里離れた地域で死亡率が恐ろしく上昇し、大勢の人々が食糧不足に直面します。
誰もそれを決めることはできません!
 
 

 確かなことは、ハリケーンシーズンは後半に入ったということです。そして、現在の大きな脅威は相変わらず・・・ハリケーンなのです。



【JENでは、皆様からのご寄付を受け付けています。ご協力をよろしくお願いします。
ご寄付は、こちらから受け付けております】

10月 3, 2013 ハイチ, 文化、生活、習慣 |