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2013年10月31日 (木)

ラフェロネ(レオガン)での貯水槽と給水施設の引渡し式

 JENは、日本の外務省からの資金と皆さまの支援によって、現在ハイチで水衛生関連の事業を実施しています。ハイチ水衛生局との緊密な連携のもと、農村部に水管理委員会を立ち上げるとともに、給水施設の建設・修復を進めています。

 10月27日、JENのスタッフはレオガンにあるラフェロネで行われたプロジェクトの引渡し式に参加しました。これは、貯水槽1基と給水施設2棟を建設したグランゴアーブのジャンティに続くもので、このプロジェクトで2つ目のコミュニティーでの水関連施設の引渡しです。

 ラフェロネには以前水関連施設がありました。海外にいるハイチ人から資金の提供を受けて建設された物ですが、残念ながら2010年の大地震で深刻な被害を受けてしまいました。JENは水道管の修復だけではなく、キオスク型給水施設3棟の建設と1棟の修復を行いました。水はバケツ1杯につき1ハイチグールド(20リットル/約2USセント)で売られます。
 また、貯水槽2基の建設も行い、夜間の使用にも十分な水を貯めておけるようにしました。貯水槽に送水する水ポンプの電源がソーラー・パネルのため、夜間は水ポンプが機能しないのです。

【ラフェロネのキオスク型給水施設4棟の内の1つ】
131031_kiosk_lafferonnay_

 水管理委員会のメンバーや衛生促進ボランティアが、JENのサポートを受けて引渡し式の準備をしました。式ではまず、水管理委員会のメンバーが正式に紹介されたあと、コミュニティーで給水施設を維持管理する方法についての説明がありました。

【コミュニティーの人々に水管理委員会のメンバーを紹介する委員長】
131031_inauguration_lafferonnay_


 
 水使用料の支払いは、過去には使用料に関係なく月単位で支払う登録制度が採られていましたが、コミュニティーによっては登録した家庭の数が非常に少なく、キオスクで働く人にわずかな給料を支払うだけのお金すら集まらない所があり、無報酬でキオスクの仕事をやってくれる人がなかなか見つからない事態になりました。
 
 そこで新たに、使った分だけをその都度支払う方法が導入されました。バケツ1杯ごとに代金を支払うシステムで、代金の25%がキオスクで働く人の収入になるため、以前より魅力的な仕事になりました。
 
 

 この新しい方法は、給水施設を長期的に維持管理することが出来るという意味でも大きな効果があります。今後施設の部品の修理や交換が必要な際には、プールされた水利用料を使い、水管理委員会が中心となってすぐに対応できるからです。

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10月 31, 2013 ハイチ, 水管理委員会 |

2013年10月17日 (木)

ハイチ軍の再生

 1804年にハイチは当時の統治国フランスから独立し、軍隊を創設しました。

 途中1915年のアメリカによる占領など様々な浮き沈みはありましたが、FADH(ハイチ国防軍)はその後190年以上正規軍として活動した後、兵士のクーデターを恐れたアリスティド大統領が1995年に解散させました。
 実際、独裁者ジャン・クロード・デュヴァリエ(「ベビー・ドク」)が失墜した1986年以降1995年までの間、ハイチ国防軍はほとんどのクーデターに関与したのです。(その9年の間に、なんと13回政権が変わりました!)

 現大統領のミシェル・マーテリーは、2010年の選挙活動中に国防軍の再創設を約束し、2004年以来駐留している「MINUSTAH(国連ハイチ安定化ミッション)」と呼ばれる国連PKO軍を快く思わない多くのハイチ人を喜ばせました。

 しかし、マーテリー政権の最初の2年間は新国防軍の創設についてあまり語らなかったので、41人の若いハイチ人がエクアドル軍で秘密裏に10か月間訓練を受けたあと帰国したと聞いて、人々は本当に驚きました。

 2013年9月初めにハイチに戻ったその若い兵士たちは、実地訓練のためアルティボニット県に配属されました。技術者や工兵として訓練を受けた彼らが、新ハイチ軍の最初のメンバーになります。将来、新ハイチ軍は国境や沿岸線を警備し、国家警察が麻薬取引などと戦うのを支援し、自然災害時に国民を救助することになるでしょう。

 今のところこの41人の兵士たちは、少なくとも2015年までは武器を携行しないことになっています。そのことは国民に歓迎されていますが、多くの疑問があります。軍隊は最終的に何人くらいの兵士になるのか? いつ武器を携行するようになるのか? PNH(ハイチ国家警察)とどのように任務を分担するのか? 

 そして旧ハイチ軍の兵士たちについてはどうするのか? 41人の兵士たちより18歳以上年上になる彼らの大部分は新ハイチ軍に加わりたいと思っていますが、政府はそれを断固拒否しているのです。その結果、現在、旧兵士たちはマーテリー大統領の年末までの退任を求めて政治的敵対勢力となっています。近いうちに問題が持ち上がる可能性があります。



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10月 17, 2013 ハイチ |

2013年10月 3日 (木)

2013年ハリケーンシーズン終盤に入る・・・

 6月1日に本格的にハリケーンシーズンが始まってから、18の熱帯性波動がハイチに近づき、その内の8個は名前が付けられるような熱帯性低気圧、つまり恐ろしく破壊的なハリケーンになるだろうと予測されましたが、幸運にも今までのところそのような嵐は来ていません。

 前号の記事ですでにお話ししたように、7月初めに“Chantal”と“Dorian”という2つの熱帯性低気圧がハイチに近づきましたが、沿岸部に到達する直前に勢力が衰えました。その後も多くの熱帯性波動や熱帯性低気圧が発生し、つい最近も、熱帯性低気圧 “Gabrielle” がハイチに近づきましたが、何と直前でコースを変えたので、直撃をまぬがれました!
 通常、コースを変えてハイチを直撃する熱帯低気圧やハリケーンがとても多いのですが、今回、母なる自然は西半球で一番貧しい国を見逃してくれたのです。

 でもまだ安心はできません。ハリケーンシーズンは11月末まで続きます。ハイチの人々は2010年11月の“Thomas”や、昨年10月の“Sandy” のことを忘れていません。

 今年のハリケーンシーズンは、上記のような幸運なハリケーン進路の変更の他に、雨が少ないことが特徴です。それはコレラの大発生を防ぐことにはなりますが、農業のことを考えると深刻な問題です。

 今年の春の収穫高が最近発表されましたが、(2010年1月の大地震以前の最後の確かな数字である)2009年の60%しかありませんでした。昨年よりはわずかに改善したものの、インフレが続く中、ハイチの多くの人々にとって状況は本当に悪くなっています。インフレ率は最近少し低くなったとはいえ、現在約150万人の人々が食糧不足の状態にあると言われています。

 干ばつがもたらすもう一つの悪影響は、もちろん飲み水です。地下水が豊富なことで知られているレオガンでも、ほとんどの井戸が干上がっているのです。ジェンのオフィスでも貯水タンクを一杯にするのに、5月頃は小さな電動ポンプで20分しかかからなかったのに、今は1時間以上かかっています。

 水不足はまたコレラ菌の増殖に適した環境を生み出します。といっても都市部での話ではありません。都市部ではきれいな水と汚れた水を混ぜ合わせてしまう大雨が病気を広げますが、地方の過疎の地域では、水不足のためわずかな水を多くの人々と動物が共用することにより病気が広がるのです。

 今年ハイチではすでに約35000人がコレラに感染しました。今年の感染者数の合計が最終的に昨年や一昨年より減る可能性はありますが、恐ろしいのは最近数か月の間に死亡率が上がってきたことです。国全体では感染者の1.4%が死亡、遠隔地では4%に達した所もあるそうです。何とか許容できる死亡率は1%以下なのですが・・・

 そんなわけで、結局雨が降った方がいいのでしょうか。農業は助かりますが、大都市ではコレラが増えます。それとも干ばつの方がいいのでしょうか。大都市にコレラが大発生することは防げますが、人里離れた地域で死亡率が恐ろしく上昇し、大勢の人々が食糧不足に直面します。
誰もそれを決めることはできません!
 
 

 確かなことは、ハリケーンシーズンは後半に入ったということです。そして、現在の大きな脅威は相変わらず・・・ハリケーンなのです。



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10月 3, 2013 ハイチ, 文化、生活、習慣 |