« 悲しいお話 | トップページ | ハイチの新事務所が開設されました »

2013年5月 2日 (木)

ハイチの深刻な住居問題

2010年1月12日の大地震以来、ハイチの住居問題は深刻です。
外国のジャーナリストは、被災者たちの住居環境の整備が遅れていると指摘しています。ハイチ政府は、地震から3年の間に、キャンプで生活していた被災者の79%が、キャンプから移転したと報告しています。
住居環境を整備するためには、まず、住居を建てる場所を確保しなければなりません。震災直後、公共スペースやサッカー場、ラウンドアバウト(環状交差点)に自然とキャンプが発生しました。ペンションビル地区(ポルトープランス郊外にある近代化した地域)のゴルフコースでさえ利用されていました。
住居を建てる場所の問題の他に、被災者たちの住まいの移転が問題です。震災被災者のみならず、その後のハリケーンによる被災者など、今も住まいを移転せざるを得ない人びとがいます。首都ポルトープランスには、既に200万人が住んでいます。ポルトープランスには、この人数が働けるほどの職がないにも関わらず、ポルトープランスへ住まいを移す人は増え続けていて、2030年には600万人にまで膨れ上がるであろうと推測されています。人里離れた市北部の地区には、仮設住居を建てる土地があるのですが、水道、交通機関、もちろん仕事もありません。案の定、ほとんどの被災者たちは、そこへ行きたがりません。
また、限られたスペースで大量の瓦礫を処理しなくてはいけない課題も深刻です。ハイチ国内で、トラック1,000台で、24時間1,000日間は必要と見積られています。そして、瓦礫が処理されても、土地の所有権の問題が発生します。ハイチでは、人口の10%の人たちが、土地の90%を所有しています。土地の所有者たちは、自分の土地に新しくできた仮設住宅を、自分たちが管理しようと占拠したり、高額で貸し出すケースもあり、住居を必要としている人たちには届いていません。
仮設住宅の概念自体も、誤って認識している人も多くいます。緊急人道支援分野では「仮設住宅は1,500ドル以下の15平方メートルで国内避難民が最低3年使用できるもの」と言われていますが、多くのハイチ人たちは「地震で壊れた家を、NGOがきちんとした家に建て直してくれる」と誤解していました。
その上、震災以前に住んでいた家よりも、ベニヤとトタンで作られた仮設住宅の方が良いと感じている人も多いようです。
残念ながらハイチの住居問題は、今後も引き続きそうです。
ロマン・ブリ―

5月 2, 2013 ハイチ |