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2013年2月28日 (木)

アクセスの難しい事業地・ゴマンでの成果

海抜200mに位置するグラン・ゴアーブ近郊にあるゴマンという小さな村には、誰もが立ち寄ってみたいと思うような素晴らしい海の眺めがあります。
 しかし、この地への道のりは、急勾配が続く悪路です。未舗装で車が泥まみれになるような道から始まり、すぐに岩に覆われた河川敷と混ざった道になります。

 JENが初めてゴマンを訪れた際、車では到達できず、最後は歩いてやっと辿り着くことができました。汗だくになって丘を登ってきた私たちにゴマンの人たちは驚き、歓迎してくれました。
 JENの事業について手短に説明し、その地域唯一の水源を案内してもらうために、今度は丘を下っていきました。30分も「ブンダ・チッタ(底の底)」と呼ばれている丘を、落ちないように気を配りながら下り続けました。

 谷のような深い丘を下ると水の音が聞こえ、水源を見つけることができました。その水源は危険な岩場にあり、水道管は壊れています。下流は洗濯をする人たち、水浴びをする人たち、水汲みをしている人たちで共有され、さらには動物も一緒に水を飲んでいました。

 私たちは壊れている水道管を見て、まずは村の長老に状況を確認しに行きました。
 詳しい調査の結果、ゴマンはJENが活動すべき場所であるという結論に至りました。国道は丘を下ったはるか先という場所にあるこの村は、生活の基盤が脆弱で、支援活動の必要性がとても高かったのです。

 給水施設を建設する際、工具や鉄、セメントといった道具をすべて水源まで運ぶ必要があります。一部、車やトラックを使うことは出来ましたが、ほとんどはバイクやロバ、徒歩で運ばなければならず、作業は難航しました。しかし、現地の人たちがその悪路を自ら直してくれました。



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 現地の人びとが熱意を持ち、プロジェクトに関わることは、衛生促進活動を行い、コミュニティに広げていくにはとても重要です。また、水管理委員会の設立と運営も、プロジェクトによって毎日の生活がどれくらい改善されたかをコミュニティ全体が実感するためにとても大切です。この村でこのことを実感することができました。
 
 その後私は、ジャパン・プラットフォームのモニタリングでゴマンまで同行しました。衛生促進ボランティアと水管理委員会のメンバーが、給水施設ができてからどれくらい生活が改善されたかについて、関係者であることを示すTシャツを誇らしげに着て説明していたことを、今も思い出します。

(本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成及び皆さまからのご支援により行われました。)

ハイチ事務所 ロマン・フリー

2月 28, 2013 ハイチ水管理委員会 |